著者
河村 英和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.629, pp.1637-1642, 2008-07-30 (Released:2009-09-30)

Since 14th century, in Venice there were the numerous noble palaces converted into the hotel. This custom is remarkable, particularly, in Venice and it continues also during all 19th century, while in the other European cities were built many grand hotels as a new hotel building typology. Finally, at the beginnings of the 20th century, on the Lido beach it starts to build some international Grand Hotel style architecture. Instead in Venice it begins to construct other new hotels, on-line of the reminiscence of the local traditional historical style. After the Second World War, also now, once more in Venice it is the fashion of conversion into hotels from the historical buildings of many different types.
著者
河村 英和
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF MANAGEMENT (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
no.34, pp.137-157, 2022-08

高度経済成長期の1960~70年代は、ホテル建設ラッシュで数々のホテルが日本各地で誕生したが、その屋号の命名には、ある種の傾向や規則性があり、ホテルの所在地の町名に「観光」「グランド」「ニュー」などの特定の単語を組み合わせることが多かった。町名や国名をホテル名に含める場合、それに相応するホテルの格式も命名の動機も、ヨーロッパのホテルと日本のホテルでは全く異なっている。そもそもヨーロッパの典型的なホテル屋号の派生期から、日本では一世紀近く遅れて同名の屋号が普及したので、同タイプの命名法のホテルでも、建設時のコンセプトやデザインにも日欧で大きな違いがある。本稿(パート1)では、18~19世紀ヨーロッパのホテルの屋号の命名法の歴史を踏まえ、国名の入った屋号や、「ロイヤル」と「国際」を含む屋号の傾向と派生期を日欧で比較する。なお、「ニュー」「グランド」「観光」「ビュー」「パーク」「プラザ」「パレス」等を含むホテルの名については次稿(パート2)以降で扱う。
著者
河村 英和
出版者
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部
雑誌
観光コミュニティ研究 = Tourism and Community Studies (ISSN:24369357)
巻号頁・発行日
no.2, pp.23-49, 2023-03

戦前の日本では、米国経由のスパニッシュ様式建築がファッショナブルな建築様式と捉えられ、1920年代以降、白壁とオレンジ色の洋瓦の個人住宅、ホテルなどの公共建築でこの様式を採用するものが増加した。戦後は、飲食店でもスパニッシュ様式が流行し、1970年代にはマンションでも好まれ、気候・地形的に地中海と親和性が高い地域だけでなく、南国のイメージと結びつきにくい内陸部にも南欧風意匠の建物が広がった。 1980~90年代は、バブル景気によって海外旅行がより身近になり、本物の南欧建築に接する機会が増え、オレンジ瓦と白壁のスペイン風建築がさらに流行する。1992年は、バルセロナ・オリンピックとセビリア万博の開催もあり、スペイン風でもとくにアンダルシア風建築への偏向が強まり、気候・地形的に地中海と親和性が高いところを中心に、アンダルシア風をイメージしたリゾート開発やまちづくり(伊王島、賢島、沖縄、宇和島、淡路島、南房総、宝塚、横浜本牧など)が行われた。 バブル崩壊後は、外国をテーマにしたテーマパークは廃れてしまったものの、スペイン風・南欧風の町並みを再現した商業施設(アウトレット、ショッピングモール、ホテル、結婚式場)を建設する流行は続き、近年はSNSで写真映えする関心から撮影スポットとなり、映画やドラマのロケ地としても注目されている。コロナ禍中の渡航制限や解除後も円安インフレで旅費が高騰し海外旅行がしづらくなると、国内にいながら外国気分に浸れる場所として、海外の建物や町並みを模した商業施設の人気が再燃している向きもあるが、バブル期に興隆したスペイン・南欧風の建物は、そろそろ過去の遺産の仲間入りをする準備段階に来ている。
著者
河村 英和
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部紀要 = Atomi Tourism and Community Studies (ISSN:21899673)
巻号頁・発行日
no.6, pp.23-41, 2021-03

20世紀初頭から第二次大戦まで、イタリアの絵葉書はメディア的責務を負っていた。とくに大詩人ダンテとダヌンツィオについては彼らの存在そのものが愛国心を鼓舞する宣伝装置として、絵葉書に利用されることが少なくない。種類も多いうえデザイン性も高く、なかには明らかに政治的に利用された過激なものまであった。第一次大戦期は、オーストリアの国境付近の山岳地帯や「未回収の」土地の風景を写した絵葉書に、カルドゥッチらの愛国的な詩を添えたシリーズも登場した。ファシズム期は、美しいイタリアの風景写真絵葉書に、有名無名の詩人たちの詩の引用を添えたものが流行し、あえて場所を特定しない「アノニマスな」風景にすることによってロマンチックな詩情を演出させる場合もあれば、詩人ゆかりの「特定の」地を売りにするものもあり、後者は観光絵葉書としても機能した。本論では、とくに著名な詩人ダンテ、カルドゥッチ、ダヌンツィオをテーマにした1910-50年代に発行された絵葉書を中心に、愛国プロパガンダ性やナショナル・ロマンティシズム的側面、時代ととも変化するその題材の傾向などを検証する。
著者
河村 英和
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.629, pp.1637-1642, 2008-07-30

Since 14<sup>th</sup> century, in Venice there were the numerous noble palaces converted into the hotel. This custom is remarkable, particularly, in Venice and it continues also during all 19<sup>th</sup> century, while in the other European cities were built many <i>grand hotels</i> as a new hotel building typology. Finally, at the beginnings of the 20<sup>th</sup> century, on the Lido beach it starts to build some international <i>Grand Hotel</i> style architecture. Instead in Venice it begins to construct other new hotels, on-line of the reminiscence of the local traditional historical style. After the Second World War, also now, once more in Venice it is the fashion of conversion into hotels from the historical buildings of many different types.