- 著者
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寺田 伸枝
溝口 勲
河野 俊彦
林 豊
- 出版者
- Japan Society for Atmospheric Environment
- 雑誌
- 大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.6, pp.512-520, 1986
18ヶ月間にわたって, O<SUB>3</SUB> (0.1ppm) とNO<SUB>2</SUB> (0.3ppm) に単独, 複合暴露したラットの肺の病理学的変化について検討した。<BR>O<SUB>3</SUB>の単独暴露では, 1ヶ月後に, II型細胞の腫大と増加, I型とII型の中間型の細胞, 血管内皮細胞のpinocytotic vesiclesの増加, 肺胞壁間質の軽度の水腫が認められた。水腫液の貯留によって開大した組織間隙には, 離開した膠原線維と遊走細胞がみられ, air-bloodbarrierの肥厚を生じていた。3ヶ月後では, より進行した間 質の水腫が広汎に認められたが, 6, 18ヶ月後では消失する傾向にあり, また肺胞上皮の変化はほとんどみられなかった。<BR>0<SUB>3</SUB>とNO<SUB>2</SUB>の複合暴露では, O<SUB>3</SUB>単独暴露に比べ, 全暴露期間にわたって間質の水腫がより顕著に, かつ広汎に認められた。また中間型細胞が少数認められ, 肺胞上皮にも, 持続的な影響を及ぼしていると考えられた。