- 著者
-
五島 史行
守本 倫子
泰地 秀信
- 出版者
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
- 雑誌
- 日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
- 巻号頁・発行日
- vol.116, no.2, pp.91-96, 2013 (Released:2013-04-11)
- 参考文献数
- 17
小児心因性起立, 歩行障害の症例を呈示し, 文献的考察を行った. 症例1は10歳男児で心因性発熱, 心因性視力障害を合併した症例で, 発症後約4カ月経過して症状は改善した. 症例2は10歳男児で, 頭痛, 微熱, 倦怠感, 心因性視覚障害を合併したものであり, 約5カ月経過して症状が改善した. 小児の心因性起立, 歩行障害の頻度は高いものではないが, 診察に際しては臨床的特徴を熟知しておく必要がある. 治療にはある程度の期間が必要である. 器質的疾患を除外し, 診断を確定した後は呈示した症例のように治療を急がず, 時間をかけた対応が必要である.