著者
津野 倫明
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に関する68通の豊臣秀吉文書の年代比定を全体構想としている。2年目にあたる本年度は、慶長の役に関すると推測される5通・現時点では推測が不可能な28通の年代比定にかかわる秀吉文書および関連する副状・諸大名間の書状などの収集と分析を進めた。1.史料収集:(1)9月、東京大学史料編纂所において承天寺文書・帆足コウ文書などの史料調査(閲覧・筆写)を実施した。また、徴古雑抄(国文学研究資料館所蔵)の複製を東京大学史料編纂所の採訪マイクロのデジタルデータにより入手した。(2)11月、東京大学史料編纂所において栃木県庁採集文書・神屋文書などの史料調査(閲覧・筆写)を実施した。2.史料分析:(1)昨年度の史料調査と1の作業により、上記68通のうち65通を収集し終えて、年代比定を進めている。(2)年代比定に要する刊本と原文書・影写本などとの字句の異同に関する知見を得た。3.研究発表:主要な発表は次のとおりであった。(1)「丁酉再乱時の日本の目的と日本側の軍事行動」を学会発表(国際学会、招待講演、韓日関係史学会、ソウル市(大韓民国))することができ、研究論文(「丁酉再乱時の日本の目的と日本側の軍事行動」『韓日関係史研究』第57輯)としても発表した。(2)「文禄・慶長之役諸大名的目的」を学会発表(国際学会、招待講演、ワークショップ「第二届壬辰戦争研究(国際)工作坊 壬辰戦争与日本、朝鮮、明朝 三国政治生態」、済南市(中華人民共和国))することができた。
著者
津野 倫明
出版者
高知大学人文学部人間文化学科
雑誌
人文科学研究 (ISSN:09197273)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-21, 2011-07-01
著者
津野 倫明
出版者
戦国史研究会
雑誌
戦国史研究 (ISSN:02877449)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-11, 2001-02
著者
津野 倫明
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
1998

Hokkaido University(北海道大学). 博士(文学)
著者
仁木 宏 中井 均 本多 博之 山村 亜希 秋山 伸隆 津野 倫明 堀 新 玉井 哲雄 小野 正敏 坂井 秀弥 大澤 研一
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

研究集会を合計13回開催した。各集会では、レジメ集冊子を刊行し、現地見学会を催した。毎回、10名前後の報告者に登壇いただき、それぞれの地域の特徴、全国的な視野からする最新の研究発表などがなされた。研究代表者、研究分担者だけでなく、多くの研究者の学問的な相互交流が実現し、比較研究の実をあげることができた。16世紀から17世紀初頭の城下町には地域ごとの違いが大きいことが明らかになった。先行する港町・宿、宗教都市のあり方、大名権力の性格、地形、流通・経済の発展度合いなどが城下町の空間構造や社会構造を規定した。いわゆる「豊臣大名マニュアル」の限界性にも注目することが必要である。
著者
津野 倫明
出版者
高知大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は慶長の役における諸大名の軍事行動を解明することであり、本年度はとくに水軍に編成されていた諸大名(藤堂氏・伊予加藤氏・来島氏など)と朝鮮半島南部の駐留部隊であった諸大名(小早川氏など)およびこれらの軍事行動と密接にかかわる軍目付(熊谷直盛ら7名)に関する史料の調査・分析をした。具体的には研究実施計画にそって以下のような史料調査等を実施した。11月に東京大学史料編纂所で水軍関係の史料を閲覧・筆写し、近江水口加藤文書の影写本については複製も入手した。12月には秋月郷土館で軍目付発給の「鼻請取状」を撮影した。また、1月には東京大学史料編纂所で小早川秀秋に関する文書などを閲覧・筆写した。史料所蔵機関の耐震工事などにとまどい、遅れがでたものの研究実施計画に掲げた調査は遂行した。なお、史料の調査・分析と補完関係にある朝鮮出兵関係図書・日本中近世政治史関係図書も随時、精力的に蒐集していった。上記を含む3年間の調査・分析により、従来未解明であった慶長の役における諸大名の進軍ルート・部隊編成など基本的な動向を解明する所期の目的はある程度達成されたと考えるが、依然として後半の倭城在番体制・帰国時期などに関しては不明な部分が残されている。よって、諸大名の軍事行動と密接にかかわる軍目付にも注目して、これらの点を解明してゆくことが当面の課題と考えられる。なお、これまでの成果もふまえて本年度は裏面に掲載した「朝鮮出兵と長宗我部氏」、『前近代の日本列島と朝鮮半島』(津野執筆は「朝鮮出兵と西国大名」)を発表した。また、とくに本年度の対象とした水軍に関しては口頭報告「慶長の役における四国衆について」を発表し、これにもとづく学術論文「慶長の役における『四国衆』」も、大会成果論集(平成20年度予定)に掲載予定である。