著者
遠藤大礎 川原 圭博 浅見 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.110, pp.15-22, 2008-11-06

携帯電話の高機能化,ストレージの大容量化が進むにつれて,携帯電話にはより多くの情報が蓄積されるようになっている.携帯電話は紛失されやすいため,内部情報の保護は大きな課題である.そこで我々は一般に処理能力が貧弱な携帯電話における高速暗号化・復号手法として,自己暗号化法を用いた分散ストレージシステムを提案してきた.この手法は近年高速化しつつある無線通信を考慮し,通信総量が大きいが処理が単純な高速暗号を使うところに特徴がある.本稿では暗号化・復号を自動的に行うセキュアファイルシステムを FUSE(Filesystem in Userspace)を用いて Linux 端末に実装した.また携帯端末で行った暗号化・復号処理実験の計測結果について示す.また WILLCOM の端末開発プラットフォーム "Sandgate WP"において行った暗号化・復号処理実験の計測結果について示す.People have had more opportunities to preserve important information properties in mobile handsets. The security for mobile handsets will become essential in cases of the loss and the theft. We have proposed an architecture for the distributed storage system, which gives the high speed encryption to mobile handsets, by light-weight processing called self-encryption, in the high-speed wireless communication environment today and in the near future. In this paper, we implement the secure file system that automatically processes encryption and decryption working on Linux PC with FUSE (Filesystem in Userspace), and show the measurement result of the processing time at encryption and decryption by the terminal development platform "Sandgate WP" of WILLCOM.
著者
窪田 歩 片岸 一起 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-09-18

携帯型コンピュータの高性能化に伴い,普段オフィスで使用している端末を外出先でも使用するといったコンピュータの利用形態も一般化してきている.この際,IPアドレスの変更やファイアウォールの存在などのために,外出先からでは普段利用しているネットワークヘの透過的なアクセスが出来ないことが問題となっている.外部でインターネットにダイヤルアップで接続した場合,端末のIPアドレスが接続の度毎に変わるので,ファイアウォールにおいて適切なフィルタの設定を行うことが困難である上,IPアドレスやドメイン名などによりアクセス制限がかけられているネットワーク資源の利用もできなくなる.本稿では,ダイヤルアップでインターネットに接続した端末からの社内ネットワークヘの透過的なアクセスを実現するためにMobile-IPを利用する事を考え,インターネットサービスプロバイダ(ISP)との連携によりファイアウォールの設定を動的に変更し,Mobile-IPによるトラヒックに必要な最小限度の許可を与える機構を提案する.
著者
石倉 雅巳 伊藤 嘉浩 飯作 俊一 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-09-05

フレームリレー、ATMネットワークといった高速な広域網を利用して、国際間等のLAN間接続を行う場合、FTPなどのアプリケーションによっては期待したスループットが得られないことが多い。これは、高速かつ高遅延な伝送路に対して、TCPなどのコネクション型プロトコルのウインドサイズが不足することに起因する。筆者らは複数のTCPコネクションをまとめて使用することにより擬似的にウインドウサイズの拡張を実現するマルチセッションFTPを提案した。本稿では、LANの伝送速度に匹敵する高速回線でLAN間を接続した環境において、提案するマルチセッションFTPの遅延時間に対するスループット特性を実験評価したので報告する。
著者
伊藤 嘉浩 石倉 雅巳 飯作 俊一 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.95, no.28, pp.55-61, 1995-05-12
被引用文献数
7

フレームリレーやATMの出現により、データ通信ネットワークはますます高速化するとともに世界的規模で広がってきている。このような状況では、ネットワークの高速化や伝送遅延時間の増加に伴い通信プロトコルの性能へ与える影響が問題となってくる。本報告では、ネットワークの回線速度や遅延時間がデータ転送におけるTCPスループット特性へ与える影響を、ウィンドウサイズに関して実験・評価を行い、TCPスループット特性の限界を明らかにする。また、複数のTCPコネクションを同時に使用することにより、広帯域・高遅延ネットワーク上で通信スループットの向上を図る方法を提案する。