著者
浜田 知久馬 中西 豊支 松岡 伸篤
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.139-157, 2006-12-01 (Released:2011-09-25)
参考文献数
50
被引用文献数
4 3

Meta-analysis is defined to be ‘the statistical analysis of a large collection of analysis results from individual studies for the purpose of integrating the findings'. Since the 1980s there has been an upsurge in the application of meta-analysis to medical research. The rapid increase in the number of meta-analysis being conducted during the last decade is mainly due to a greater emphasis on evidence based medicine and the need for reliable summaries of the vast and expanding volume of clinical studies. Over the same period there have been great developments and refinements of the associated methodology of meta-analysis. When judging the reliability of the results of a meta-analysis, attention should be focused on ‘publication bias’. Publication bias is the term for what occurs whenever the research that appears in the published literature is systematically unrepresentative of the population of completed studies. This bias can provide a flaw of the result of meta-analysis. In this article, the causes and origins of publication bias are reviewed, and then the history and some findings of publication bias in medical research are presented. Several statistical methods that have been developed to detect, quantify and assess the impact of publication bias in meta-analysis are demonstrated.
著者
中西 展大 橋本 敏夫 浜田 知久馬
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.144, no.4, pp.185-191, 2014 (Released:2014-10-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

薬効薬理試験では,試験目的に対応した適切な統計解析手法を選択することが重要である.対照群と試験薬の低用量群,中用量群,高用量群など複数用量を比較する用量反応試験では,対照群と各用量群の検定を繰り返すため,検定の多重性を考慮した手法が必要であり,様々な方法が提案されている.Williams 多重比較検定はそのひとつの手法であり用量反応に単調性が想定された状況において,検出力の高い有効な手法である.しかし,例数不揃い時に対する拡張性の困難さや,実施可能な統計解析パッケージの少なさなどから,他の手法に比べて利用頻度が少ないのが現状である.本稿では,例数不揃い時におけるWilliams 多重比較検定の妥当性を示し,次に他の手法に対する検出力の高さや,結論の導きやすさなどの有用性を評価し,Williams 多重比較検定が多くの薬理試験において第一選択になりうることを示す.
著者
浜田 知久馬 赤澤 理緒 西沢 友恵
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.133, no.6, pp.306-310, 2009 (Released:2009-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

浜田等は薬効・薬理試験でよく用いられる統計手法の現状分析を行なうため,日米欧の代表的な薬理学雑誌について,1996年公表された論文について使用されている統計手法の文献調査を行い,統計手法の不適切な使用・記載の典型例を指摘した.この調査から,10年が経過したので,最近の薬効・薬理試験の統計解析法の動向を調べるため,Journal of Pharmacological Sciencesについて再度,文献調査を行い,1996年の調査結果と比較して,この10年間の統計解析法の変遷について評価した.また,統計手法の記述内容の適切性を評価した.このジャーナルのHPでPDFファイル化されている電子ジャーナルから,統計解析(Statistical Analysis)の節に記載されている統計解析の手法を抽出し,集計した.調査対象の論文数は(1996年1月~12月,134報),(2002年1月~12月,148報),(2007年1月~12月,133報)となった.結果は次のようになった.1)Student t test(t検定)の使用の割合が減少し,ANOVA(分散分析)の使用の割合が増加した.2)多重比較法では,Dunnett法が減りTukey法,Bonferroni法が増加した.3)Scheffe法,Newman-Keuls法,Fisher(P)LSD法,Duncan法の不適切な多重比較法も依然として用いられていた.4)検定の両側・片側の区別,ソフトウエアについては記載されていない場合が多かった.本論文では,以上の結果から,薬理学雑誌の統計の質を高め,適正化するための方法について考察し,提言を行う.
著者
月岡 一治 牧野 荘平 宮本 昭正 高橋 昭三 冨岡 玖夫 伊藤 幸治 足立 満 可部 順三郎 中島 重徳 瀧島 任 大橋 靖雄 浜田 知久馬 宮澤 正治 若菜 明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.442-450, 1996
被引用文献数
13

厚生省アレルギー総合研究事業(企画評価委員長:宮本昭正)・喘息班では日本の喘息治療ガイドラインの運用に不可欠な日本人のピークフロー(以下PEF)標準値の検討を行ったのでその結果を報告する. 対象は喫煙経験がなく, 胸部疾患と喘鳴の既往歴がないボランティアの日本人健常人2785名で, 男性は1047名(15歳から84歳, 平均30.3歳), 女性1738名(15歳から80歳, 平均40.6歳)である. PEFメーターは市販されている4機種(ミニライト, アセス, パーソナルベスト, バイタログラフ)の各スタンダードレンジを用い, 全てATSスケールで測定した. その結果4機種のPEF値は同一の健常人が数分の間隔をおいて連続して測定したにもかかわらず, 男女共に, 分散分析の結果, 機種間で明らかな差が認められ, PEF標準予測式は男女別, 機種別に求めなければならなかった. 三次関数で得られた日本人の予測値は英国人に近似していたが, 中国人とは異なっていた.
著者
浜田 知久馬
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.153-157, 2002-07-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
浜田 知久馬
出版者
日本毒性学会
雑誌
Journal of toxicological sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.App.185-App.189, 1998-12

統計パッケージの普及に伴い, 毒性試験で用いられる統計手法も高度化しているが, わが国では, 生物統計学の専門家が不足しているため, 毒性試験の現場では統計学の利用について混乱が起きている。本稿では, 毒性試験において統計学を誤用しないために注意すべき点, 特によく用いられる検定と多重比較の意義, 統計パッケージと決定樹の利用の際の問題点, 論文における統計手法と結果の記載の注意点を総論的に述べる。
著者
浜田 知久馬
出版者
日本毒性学会
雑誌
Journal of toxicological sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.185-189, 1998-12-17
参考文献数
5

統計パッケージの普及に伴い, 毒性試験で用いられる統計手法も高度化しているが, わが国では, 生物統計学の専門家が不足しているため, 毒性試験の現場では統計学の利用について混乱が起きている。本稿では, 毒性試験において統計学を誤用しないために注意すべき点, 特によく用いられる検定と多重比較の意義, 統計パッケージと決定樹の利用の際の問題点, 論文における統計手法と結果の記載の注意点を総論的に述べる。