著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
月岡 一治 牧野 荘平 宮本 昭正 高橋 昭三 冨岡 玖夫 伊藤 幸治 足立 満 可部 順三郎 中島 重徳 瀧島 任 大橋 靖雄 浜田 知久馬 宮澤 正治 若菜 明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.442-450, 1996
被引用文献数
13

厚生省アレルギー総合研究事業(企画評価委員長:宮本昭正)・喘息班では日本の喘息治療ガイドラインの運用に不可欠な日本人のピークフロー(以下PEF)標準値の検討を行ったのでその結果を報告する. 対象は喫煙経験がなく, 胸部疾患と喘鳴の既往歴がないボランティアの日本人健常人2785名で, 男性は1047名(15歳から84歳, 平均30.3歳), 女性1738名(15歳から80歳, 平均40.6歳)である. PEFメーターは市販されている4機種(ミニライト, アセス, パーソナルベスト, バイタログラフ)の各スタンダードレンジを用い, 全てATSスケールで測定した. その結果4機種のPEF値は同一の健常人が数分の間隔をおいて連続して測定したにもかかわらず, 男女共に, 分散分析の結果, 機種間で明らかな差が認められ, PEF標準予測式は男女別, 機種別に求めなければならなかった. 三次関数で得られた日本人の予測値は英国人に近似していたが, 中国人とは異なっていた.
著者
石崎 達 宮本 昭正 清水 保 可部 順三郎 牧野 荘平 児玉 太郎 信太 隆夫
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3-4, pp.217-229, 1964-12-20 (Released:2010-02-23)
参考文献数
28

To investigate air pollution respiratory diseases (especially T-Y asthma) among Japanese, mass survery in the Niigata area and T-Y area was carried out. Subjects submitted for statistic analysis were 2825 in total. There were increased incidence of respiratory symptoms such as chronic coughing, increased sputum production and throat irritation among the subjects who are living in T-Y area. This incidence was highest in the native group of T-Y area and particulary high among smokers and subjects with allergic constitution. There were no increased incidence of air way obstructive diseases in T-Y area but group of subjects who were exposed to heavy air pollution tended to have low vital capacity. These reaults give the evidence that air pollution is harmful for respiratory tract.There were no definite evidence that respiratory sensitivity to inhaled acetylcholine in subjects in T-Y area was increased, inspite of the fact that asthmatic patients have significantly high sensitivity to acetylcholine. On the other hand, 7 cases of T-Y asthma at Zama U. S. Army Hospital showed the range of bronchial asthma and chronic bronchitis.Among 237 cases of asthmatic patients at our clinic there were only 15 cases who deveolped their 1st onset of asthma in T-Y area after their move to this industrialized area from rural areas but none of them presented compatible characteristics with the entity of the so-called T-Y asthma, though some presented quite similar pictures. From our study, it may not be quite feasible to use the name of T-Y asthma for Japanese since the incidence of air way obstructive diseases does not seem to have particularly increased in T-Y area. Possible reasons for the differnce between our views and those of the U. S. military physicians were discussed.
著者
宮本 昭正 可部 順三郎 荒木 英斉 牧野 荘平 児玉 太郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3-4, pp.171-179, 1966-12-31 (Released:2010-02-23)
参考文献数
9

Thirty eight asthmatic patients were studied on pulmonary diffusing capicity for carbon monoxide, history of bronchial asthma, chest X-ray and some of pulmonary function tests. Moreover, pulmonary diffusing capacity among normal subjects was measured and compared to that of asthmatic patients. DLCO was measured by Forster's single breath method modified by Oglivie and CO-workers. Krough's “Permiability” (KCO) was calculated from the same procedure as DLCO.1) Pulmonary diffusing capacity was found to decrease with advancing age and to increase with increasing either height or alveolar volume. Pulmonary diffusing capacity of asthmatic patients was almost equal to or higher than that of nomal subjects.2) No significant correlation was found between pulmonary diffusing capacity and FEV 1.0/FVC.3) Pulmonary diffusing capacity, especially KCO, showed an tendency to decrease with increasing severity of asthma and with advancing emphysematous change in chest X-ray.4) Asthmatic patients were divided into 2 groups; patients who had asthmatic symptoms since childhood, and patients who had the first experience of asthmatic attacks after adolescence. There was found no significant difference between pulmonary diffusing capacity of these 2 groups. From this result, an impression is given that long-standing bronchial asthma does not necessarily progress to diffuse obstructive emphysema.5) The more the patients showed severe asthmatic symptoms, the more marked emphysematous changes were proved in chest X-ray of the majority.6) Pulmonary diffusing capacity was measured among asthmatic patients with history similar to “Tokyo-Yokohama asthma”. No cases showed lowered pulmonary diffusing capacity. This result suggests that there is neither destructive changes as seen in the lung of chronic emphysema nor alveo-capillary block among these patients.
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
宮本 昭正 滝島 任 佐竹 辰夫 可部 順三郎 馬場 実 三河 春樹 寺道 由晃 飯倉 洋治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.250-261, 1986
被引用文献数
1

新しいテオフィリン徐放製剤E-0686の投与量指針を設定する目的で, 乳幼児から成人まで685例の気管支喘息患者を対象とし, 患者各々のE-0686の至適投与量を求め, 併せて血中テオフィリン濃度を測定した.投与量指針の設定にあたっては, 最終投与量(D), およびその時の血中テオフィリン濃度(C)との比であるC/D比の両方を考察した.初期投与量において, 副作用上問題がなく効果不十分な場合は平均的投与量まで増量することとし, 血中濃度を測定しない場合の上限投与量として, C/D比より80%の患者の血中濃度が20μg/mlを越えない投与量を参考にして設定した.体重20kg以下の乳幼児又は小児, 21-40kgの小児, 41kg以上の小児および成人に分類し, 各々15→18→21mg/kg/day, 12→15→18mg/kg/day, 400→600→700mg/dayとした.本指針の導入により, 安全性を確保しながら, 顕著な有効率の上昇が期待できる.
著者
五味 二郎 光井 庄太郎 工藤 康之 赤坂 喜三郎 小野 康夫 木村 武 川上 保雄 野口 英世 宮本 昭正 牧野 荘平 可部 順三郎 石崎 達 中島 重徳 熊谷 朗 野崎 忠信 富岡 玖夫 伊藤 和彦 斧田 太公望
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.22, no.9, pp.599-612,614-61, 1973

気管支拡張剤ST1512(S群)の成人気管支喘息に対する薬効につき, metaproterenol(A群)およびinactive placebo(P群)を対照として, 頓用, 連用効果につき, 9施設による2重盲検試験を行った.open trialの結果から, Fisherの直接確率計算法により, 1群につき36例となり, 並列3群にあてはめれば3倍の108例前後の症例数でよいと考えられたため, 105例に達した時点で中間点検を行った.全例104例であり, S群34例, A群36例, P群34例で, 3群間にはback groundにおいて有意差はなかった.試験方法は, S群1錠(1mg), A群1錠(10mg), placebo1錠を投与し, 前および1時間後の自他覚症状, 肺機能を検した.医師の総合判定につき, H-test, U-testを行い, S群とP群間に危険率0.5%以下の高度の薬物差を認めたが, 危険率5%でS群とA群とP群間には有意差は検出されなかった.ついで薬効差につき, 詳細な3群判別分析を行い検討も行った.

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II

著者
須藤 守夫 小林 仁 中澤 次夫 可部 順三郎 堀内 正 佐野 靖之 刑部 義美 秋山 一男 宮城 征四郎 城 智彦 上田 暢男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1262-1269, 1996
被引用文献数
1

喘息死および致死的高度発作救命例(以下, 救命例)についてアンケート調査により比較検討した. 喘息死は67例, 救命例は80例である. 喘息死は51.9歳と救命例の44.3歳より8歳高齢であるが, 病型, 重症度, 過去の高度発作歴など差を認めなかった. 高度発作の起こり方は急速型は喘息死で救命例より多く, 不安定急変型は喘息死で救命例より少なかった. 喘息死は在宅〜来院途中の死亡が76.2%を占めていた. 高度発作をおこした因子では受診の遅れが喘息死で救命例より有意に多く, また不適当な治療, 仕事・勉強の優先などがみられた. 死亡例と救命例の致死的高度発作前の状況では両群とも酸素吸入, 救急車の利用, 夜間外来受診, 入院歴などが目立つが差を認めない. 以上のごとく喘息死と救命例は, 基本的には同一のハイリスクグループに属し, 受診の遅れによりDOAになる前に救急施設に到着するかどうかの差であった. また喘息死の解明には救命例の分析が有力であることが判明した.
著者
秋山 一男 三上 理一郎 可部 順三郎 江頭 洋祐 岩田 猛邦 田口 善夫 赤木 克巳 竹山 博泰 羽間 収治 浜野 三吾 河田 兼光 信太 隆夫 三島 健 長谷川 真紀 前田 裕二 永井 一成 工藤 宏一郎 佐野 靖之 荒井 康男 柳川 洋 須藤 守夫 坂東 武志 平賀 洋明 上田 暢男 宮城 征四郎 中村 晋
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.727-738, 1992
被引用文献数
15

我が国における成人気管支喘息の実態を, 主として患者へのアンケートを中心に調査し, 小児発症群と成人発症群及び成人再発群の3群に分類しその比較を試みた. 1) 成人喘息に占めるそれぞれの頻度は小児発症群11.1%, 成人発症群77.3%, その他11.6% (成人再発群3.7%及び不明) であった. 2) 成人喘息に占める小児発症群は年齢と共に激減し, 一方成人発症群は年齢と共に増加し50歳以後では90%以上を占めた. 3) 小児発症群では男, アトピー型, アレルギー疾患既往・合併症, 軽症例, 夜間外来受診歴, 発作時O_2吸入・人工呼吸歴の頻度が成人発症群に比べて有意に高く, 他方成人発症群では感染型, 薬剤常用者, ステロイド常用者, 重症, アスピリン過敏症の頻度が小児発症群に比べて高かった. 4) 成人再発群は小児発症群と成人発症群との中間に位置する群と考えられた. 5) 以上より発症年齢を基準とする分類法が現時点で臨床上分類が容易かつ曖昧さが少ない点より, 成人にみられる気管支喘息を小児発症喘息・成人発症喘息・成人再発喘息の3群に分類する新しい分類法を提唱した. この分類は今後成人喘息の病因・病態の解明に有用と考える.