著者
三好 和康 細川 直登 馳 亮太 清水 彰彦 安間 章裕 鈴木 啓之 藤田 浩二 鈴木 大介 戸口 明宏 大塚 喜人
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.553-557, 2017

<p>G 群溶血性連鎖球菌(group G streptococcus(GGS))菌血症はA 群溶血性連鎖球菌による感染症と類似した侵襲性の病態を示し,死亡率は3.3~17.3% と報告されているが日本国内からの血液培養陽性症例についてのまとまった報告は少ない.また,これまでにGGS 菌血症の臨床的特徴を検討した報告は複数あるが,市中発症群と院内発症群に区別して臨床的特徴の違いを詳細に検討した研究はない.当院におけるGGS 菌血症の臨床的特徴,および市中発症群と院内発症群で臨床的特徴に違いがあるのかを後方視的に検討することが本研究の目的である.亀田総合病院で2005 年6 月から2014 年9 月にかけて血液培養陽性となったGGS 菌血症の全症例を対象とした.診療録を用いて臨床情報を収集し,市中発症群と院内発症群に区別して後方視的に解析,検討した.期間中にGGS 菌血症を呈した症例は104 症例で,市中発症例が92 症例,院内発症例が12 症例であった.平均年齢は75.4 歳(±17.1)で市中発症群と院内発症群で有意差は認めなかった.蜂窩織炎が全症例の52.9% を占め頻度が最も高く,次にprimary bacteremia が13.5% であった.院内発症群では皮膚・軟部組織感染の占める割合が小さい傾向OR 0.05(95% CI 0.01~0.27;p<0.01)にあり,Primary bacteremia や好中球減少性発熱といった感染巣不明な疾患の割合が大きい傾向OR 16.4(95% CI 4.38~61.2;p<0.01)を示した.当院のGGS 菌血症は他の報告と比較して年齢中央値が高く,primary bacteremia の割合が小さいという特徴を持つことが明らかになった.また,院内発症群では感染巣を特定できない症例の割合が大きい傾向OR 16.4(95% CI 4.38~61.2;p<0.01)を認めた.</p>
著者
清水 彰一 西尾 和晃 木村 誠 藤吉 弘亘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1909-1918, 2011-11-01

人の行動意図を認識しようとするFirst Person Visionでは,人の状態とその人が何を見ているのかという情報が必要となる.そこで我々は,人の眼球と人の視界映像を同時に取得するInside-Outカメラを提案し,そのカメラの構成を活かした注視点の推定法も提案する.Inside-Outカメラはハーフミラーを介して眼球を正面から,視界映像を眼球と同等の位置から撮影することができる.Inside-Outカメラでは,眼球を撮影した画像から得られる視線ベクトルと視界を撮影した画像から得られる注視点位置の関係を変換式で表すことが可能である.そのため,変換式のパラメータをあらかじめ推定することにより,視線ベクトルから注視点を推定する.評価実験では,指標を注視した際の両眼,両視界映像を撮影し,視界画像の指標位置を真値として視線ベクトルから推定された注視点との誤差を算出した.評価実験から視野角において約1.5度の平均誤差で注視点を推定可能であることを確認した.人間は1点を注視しているとき,注視箇所だけではなく視野角で約2度の範囲がはっきり見えていることが報告されていることから,この範囲を評価基準とすると,提案手法は,十分な精度をもつことが分かる.