著者
渡辺 文夫
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.199-203, 1988-09-10 (Released:2017-02-10)

真空管用Baフラッシュゲッターを化学実験用共通摺合わせフラスコ真空容器壁に蒸着させ,蒸着面を光電陰極に用いる教育実験用Ba真空光電管を開発した.真空排気は,フラスコに入れたモレキュラーシープを液体窒素で冷却する簡易ソープションだけで行う.赤,緑,青の3色のセロハン紙と写真用レフランプの組み合わせただけでBa光電管の光電限界波長(可視光線の緑色)を発見させ,また,プランク定数のおよその値を算出させることができる,実験終了後は,フラスコ内に空気を導入することによって,Ba鏡面消失の劇的酸化現象を観察できる.更に,酸化物を洗い出し,これに硫酸イオンを加えると白色沈殿ができることから,Ba金属を同定することができる.
著者
浜野 哲子 縫村 修次 渡辺 文夫 莅戸 立夫 〓 鐘石 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.366, pp.1-6, 2000-10-13
参考文献数
6

ミリ波帯走査型近接場顕微鏡は, 波長以下の高い空間分解能によるの非破壊材料検査等の利用が期待されている.本近接場顕微鏡システムでは, 物体からの反射係数がコントラストとして画像化される.そのため, 例えば比誘電率などの, 直接反射係数に変化を与える物体の物性定数を, コントラストから評価することが可能である.本発表では, コントラストの定量評価実現に向けた検討として, 以下の2点について報告する.1)測定値の誤差を与える原因は有限サイズの平板誘電体にあることを突きとめ, 平板誘電体の表面波伝搬が低減されるようにシステム構造の改善を行なった.その結果, 10%以上あった測定不確定率が5%以内に低減された.2)コントラストの定量評価には, 物性定数と反射係数との相関関係を理論予測する必要がある.そこで, スリット型プローブを有する本近接場顕微鏡システムの等価回路を新たに構成し, その妥当性を実験的に確認した.