著者
五井 龍彦 田中 裕久 中島 健一 渡辺 浩二
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.58, no.678, pp.203-209, 2010 (Released:2010-07-26)
参考文献数
6
被引用文献数
4 3

A half-toroidal traction drive CVT has a feature of small spin at traction pitch in whole speed ratio range of 1:4, which suits to transmit high rotational speed with minimum temperature increase of traction surface. Research activity on traction drive CVT has commenced in 1996 for applying it to an aircraft 24,000rpm constant-speed generator instead of a hydro-static transmission. This paper shows fundamental design of 90kW traction drive integrated drive generator, ``T-IDG", and stability analysis on a sensor-less electro-hydraulic speed control servo-mechanism by bond graphs. The performance test of T-IDG mounted on a test bench and an actual jet engine proved that the control system using sensor-less servomechanism can keep the generator speed within MIL-STD-704E allowable limit against steep changes of speed and load.
著者
桜田 春水 住友 直方 難波 研一 家城 恵子 江尻 成昭 徳安 良紀 渡辺 浩二 本宮 武司 平岡 昌和
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.975-981, 1986

症例は74歳の女性で,頻拍の精査目的で入院した.毎分140の頻拍で,心電図上,II・III・aV<SUB>F</SUB>・V<SUB>3</SUB>~V<SUB>6</SUB>で陰性P波を呈しており,PR時間とRP時間の関係は,PR<RPであった.頸動脈洞圧迫やベラパミル静注により, 一たん, 頻拍の停止を見たが,数拍の洞収縮後,PR時間の延長なしに頻拍が再出現し持続しており,いわゆるincessant型の上室性頻拍であった.<BR>本例に,電気生理学的検査を施行した.頻拍中の心房内興奮順序は,冠静脈洞入口部が最も早期であった.頻拍中の順伝導路は,房室結節・ヒス束を利用していた.逆伝導A波を伴わない右室早期刺激にて頻拍は停止したが,洞収縮から再度頻拍が出現していた.また,頻拍中のヒス束の不応期に加えた右室早期刺激にて,心房補捉が認められた.<BR>以上より,順行性には房室結節・ヒス束を逆行性には副伝導路を利用する房室回帰性頻拍(atrioventricular reciprocating tachycardia)と診断した.逆伝導路には,著明な伝導遅延と,房室結節類似の減衰伝導の性質が認められた.<BR>この様なincessant型の房室回帰性頻拍例は,著者らの知る限りでは本邦初例と思われるので,その発生機序の考察を加えて報告した.
著者
小田口 浩 若杉 安希乃 伊東 秀憲 正田 久和 蒲生 裕司 渡辺 浩二 星野 卓之 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.53-61, 2008-01-20
参考文献数
29

柴胡加竜骨牡蛎湯を服用することにより,自律神経機能の変化とともに降圧効果が得られた高血圧症の1例を経験したので報告する。<br>患者は46歳,男性で,軽症高血圧の他,交感神経緊張状態を疑わせる症状も呈していた。柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(ツムラ)を約3カ月間服用することで,外来血圧は収縮期,拡張期ともに著明に低下した。24時間自由行動下血圧測定(ABPM)では,24時間平均血圧の低下が認められたほか,脳血管障害の危険因子とされる早朝血圧上昇が改善した。起立検査では,服用前は立位負荷により交感神経優位に傾いた自律神経バランスが,服用後は逆に副交感神経優位に傾くという結果が認められた。脂質プロファイルの改善も認められた。<br>本症例の経過は,柴胡加竜骨牡蛎湯が自律神経機能に効果を及ぼすことで降圧効果を示す可能性を示唆しており,ストレス過多により交感神経緊張をきたした高血圧患者に対する有用性が期待される。