著者
渡邉 守邦 鈴木 俊幸 岡 雅彦 大塚 英明 水上 文義 松永 知海
出版者
実践女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1 前年度の総括第一回の打合会を3月21日に行った。これは今年が最終年度に当り、取りまとめを急ぐところから、前倒し的に開催したものである。2 調査活動(1)前年度までの実績を継続して「箪笥」「木箱」双方の活字につき配列を終え、新調した箪笥のレプリカを使って収納した。なお、この作業に要する補助者の謝金に関しては、寛永寺に要請して過分のご配慮を得た。(2)刷本の調査研究使用される活字の同定を中心に、台東区の護国山天王寺、杉並区の佼成図書館、港区の三縁山増上寺、京都市の五台山清涼寺、同市大谷大学図書館、奈良県の豊山長谷寺等の所蔵資料について実地調査を行った。このうち、天王寺と佼成図書館との分は、天保期の重彫活字の調査である。3 木質研究今年度から新たに京都大学木質科学研究所の伊東隆夫氏を研究分担者にお迎えして、活字の木質的特徴を中心に研究を行った。4 成果の公表研究分担者それぞれが関連する研究分野につき個別に成果を発表したほか、本研究の成果を報告書にまとめ、印刷刊行した。
著者
渡邉 守
出版者
三重大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

野外で活動中の蝶類の糖濃度選好性を調べるため、三重県津市周辺と長野県白馬地区でナミアゲハとキアゲハ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、モンキチョウを捕獲した。捕獲個体は、直ちに、あらかじめ成分・濃度を数段階に設定しておいた糖溶液を3分間与え、その間の吸飲量を測定した。アゲハ類では20%糖溶液が最も好まれ、蒸留水は少ししか吸飲されなかった。日令の進んだ成虫ほど吸飲量は多く、雌の方が雄よりも多く吸飲した。一方、シロチョウ類でも20%糖溶液が最も好まれていた。モンシロチョウは糖濃度の違いの感受性が低く、スジグロシロチョウが高かった。また、モンキチョウは蒸留水をかなり吸飲することが分った。しかしシロチョウ類では、日令の違いによる吸飲量の差は得られなかった。これらの結果をそれぞれの種の生息地選択の観点から考察した。室内ではナミアゲハの雌を羽化させ、濃度を数段階に設定した糖溶液をそれぞれ1日1回3分間ずつ与えて吸飲量を調べた。雌は室温で常時三角紙内に静置するか室内のケ-ジ、戸外の網室で飼育した。20%糖溶液を与えた雌の寿命が最も長くなった。また、実験に供した雌を様々な日令で解剖し、保有していた卵数を数えた。これらの雌はすべて未交尾のまま保ち、産卵をさせなかったところ、低濃度の糖溶液を与え続けた雌では日令が進むと成熟卵の再吸収が認められた。「水」のみを与えた個体は絶食させたが個体よりも寿命が延びることも分かった。脂肪体の減少傾向は糖摂取量の少ない個体ほど強く、多い個体ほど弱かった。保有している成熟卵数は高濃度の糖溶液を吸飲した個体ほど多かった。この傾向は日令が進むほど顕著となっている。これらの結果を比較すると、摂取された糖は成虫の体を維持すりばかりでなく、卵成熟のためのエネルギ-源として使われていたことがわかった。
著者
渡邉 守邦
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学文学部紀要 (ISSN:02868466)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.49-72, 1992
著者
渡邉 守邦
出版者
実践女子大学
雑誌
實踐國文學 (ISSN:03899756)
巻号頁・発行日
no.88, pp.1-19, 2015-10
著者
樹下 文隆 渡邉 守邦 渡邉 守邦 竹下 義人 樹下 文隆
出版者
国文学研究資料館
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1987

1.実施計画にそって、以下のごとく調査研究を行った。(1)稀本零葉集の種類と所在についてリストアップを行ない、稀本零葉集25種の所在リストを作成した。(2)上記のリストにもとづいて、各地の文庫・図書館等に所蔵される稀本零葉集の零葉一葉ごとの書誌調査を実施した。(3)調査した稀本零葉集のうち収集可能なものについては、これを複写によって収集し、内容についての書誌的研究を行なった。現在までに18種の稀本零葉集について書誌調査を終えたが、零葉ごとの書名の同定作業に手間取り、計画年度中に終了できず、次年度に見送ったものもある。(4)調査・研究を終えた稀本零葉集について、零葉一葉ごとの細目一覧、および書名綜合索引を作成した。2.以上の調査の結果、稀本零葉集のうち、安田善之助(安田文庫主)、加賀豊三郎(加賀文庫主)、三村竹清らの蔵書家によって明治末年頃に作られた『玉屑集』について、その実態をほぼ明らかにできた。他に、『紙魚玉屑集』、堀田葦男氏編『反故草子』についてもその内容が明らかになった。3.石田元季氏編『もとがしわ』、禿氏祐祥氏編『古経群玉』・『玉果屑帳』等、研究期間内に新たに知り得た稀本零葉集もあり、それぞれの内容を確認できた。また、古書店主による新編の『古活字版史料』については、事前にその内容を知ることができ、そのため解体される運命にあった。新出古活字版『大坂物語』零本を、現態のまま撮影収録しておくことができた。4.以上の成果を、『調査研究報告』(国文学研究資料館文献資料部)において随時公表した。