著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40100, (Released:2017-04-20)
参考文献数
21

本研究では,MOOCに代表されるオンライン講座におけるドロップアウト率の低減を図るための示唆を得るために,JMOOCの講座における学習者のeラーニング指向性と相互評価指向性(相互評価への信頼感,相互評価の有用感)が学習継続意欲と講座評価に及ぼす影響について検討した.その結果,eラーニング指向性は,相互評価の有用感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価指向性においては,相互評価への信頼感から講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価の有用感は相互評価への信頼感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.また,相互評価の有用感は,学習継続意欲と講座評価に対して最も大きな正の影響力を示した.これらのことから,eラーニング指向性と相互評価指向性は学習継続意欲と講座評価に寄与することが示唆された.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40064, (Released:2017-02-03)
参考文献数
23

本研究の目的は,eラーニング指向性質問紙短縮版を作成し,その信頼性と妥当性を検討するとともに,学習者のeラーニング指向性の変化とeラーニング指向性の項目間の因果関係を検討することであった.調査対象はJMOOCの講座における学習者,調査時期は最初の単元の受講開始前と最後の単元の受講終了時であった.分析の結果,eラーニング指向性質問紙短縮版は1因子構造であり,一定の信頼性と因子的妥当性が確認された.また,eラーニング受講経験の有無によるeラーニング指向性の変化を検討した結果,eラーニング未経験者は,eラーニングの講座を修了することにより,eラーニング指向性が向上する可能性が示唆された.eラーニング指向性の項目間の因果関係においては,交差遅延効果モデルによる分析の結果,「孤独」が重要な要因になっていることが示唆された.
著者
長濱 澄 渡邉 文枝 重田 勝介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.601-616, 2023-02-02 (Released:2023-02-11)
参考文献数
101

COVID-19の感染拡大の影響により,オンライン学習が広範かつ大規模に実施される中で,その利点が広く周知されるようになった.それに伴い,オンライン学習と対面学習を,あるいは,同期型学習と非同期型学習を効果的に組み合わせたブレンディッドラーニングは,「教育のニューノーマル」として改めて注目されている.ブレンディッドラーニングにより教授過程を最適化し学習効果を向上する教育実践は国内外で多数行われており,その多様な効果が認められている.一方,ブレンディッドラーニングを設計し効果的に実施することは必ずしも容易でない.本論では,ブレンディッドラーニングに関する教育工学研究の動向を整理し,COVID-19以降における展望を述べる.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.41-51, 2017-05-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
21
被引用文献数
9

本研究では,MOOCに代表されるオンライン講座におけるドロップアウト率の低減を図るための示唆を得るために,JMOOCの講座における学習者のeラーニング指向性と相互評価指向性(相互評価への信頼感,相互評価の有用感)が学習継続意欲と講座評価に及ぼす影響について検討した.その結果,eラーニング指向性は,相互評価の有用感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価指向性においては,相互評価への信頼感から講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価の有用感は相互評価への信頼感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.また,相互評価の有用感は,学習継続意欲と講座評価に対して最も大きな正の影響力を示した.これらのことから,eラーニング指向性と相互評価指向性は学習継続意欲と講座評価に寄与することが示唆された.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.109-112, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,タブレット端末における画像と文章を含めた教材を作成し,アニメーションの有無,文章の有無の観点から,学習に効果的な提示方法,および提示方法とわかりやすさとの関連について検討した.その結果,タブレット端末に提示する教材として,字句レベルの記憶学習には画像のみを提示する方法,特に学習内容の理解においては,アニメーションを付加した画像を提示する方法が,学習に効果的である可能性が示唆された.一方で,学習者は,アニメーションを付加した画像と文章を組み合わせた提示方法をわかりやすいと主観的に認知していることが示された.
著者
岡田 有司 渡邉 文枝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.Suppl., pp.73-76, 2020-02-20 (Released:2020-03-23)
参考文献数
9

本研究では,教養教育科目における授業選択理由がどのような側面から捉えられるのかを検討した上で,教養教育の履修条件や大学生活動機が授業選択理由に与える影響について明らかにすることを目的とした.大学生2872名のデータ分析から以下のことが明らかにされた.まず,因子分析の結果,教養教育科目における授業選択理由は「自律的選択」「周囲からの影響」「単位取得の容易さ」の3つの側面から捉えられた.重回帰分析からは,大学生活動機は授業選択理由に相対的に強い影響を与えていることが示された.また,教養教育の履修条件や学生の属性に関する要因の一部も授業選択理由と関連のあることが明らかになった.