著者
鳴岩 伸生 桑原 知子 川部 哲也 佐々木 玲仁 加藤 奈奈子 佐々木 麻子 渡邉 研太郎 大野 義一朗 重田 智
出版者
京都光華女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

長期閉鎖環境におけるストレスの実際と有効な対処を明らかにするために,南極地域観測隊の越冬隊員に対し,出発前の日本および現地での質問紙調査と帰国後の面接調査を実施した。その結果,越冬後半の白夜の時期に,怒り・敵意の感情が高まる者が現れる一方で,高まらない者も多くおり,隊内に感情の溝が存在することが明らかになった。また,越冬中の肯定的感情が積極的なストレス対処に影響を与え,否定的感情が非建設的なストレス対処に影響することが明らかになった。
著者
渡邉 研太郎 Kentaro Watanabe
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.9-54, 2009-03-30

第41次南極地域観測越冬隊(第41次越冬隊)は40名で構成され,全員が昭和基地で越冬し,所期の観測をほぼ実施して2001年3月28日,全員無事帰国した.2000年2月1日,第40次越冬隊より基地運営を引継ぎ,翌2001年2月1日に第42次越冬隊へ引き継ぐまでの間,第V期5カ年計画の4年次にあたる観測・設営活動を実施した.設営活動は,昭和基地整備計画(10カ年計画)の9年次として計画された,夏期隊員宿舎の増設,設備更新を主としたものだった.観測系ではみずほ基地滞在による吹雪観測,航空機による基地上空の大気採集や内陸大気観測等を行い,やまと山脈域での隕石探査では50 kgを超す鉄隕石を含む3554個の隕石を採集した.予想外の出来事としては試験的に持ち込んだ10 kWの風力発電装置が7月初頭の大型ブリザードにより倒壊したほか,12月中旬に発電棟内の燃料タンクから軽油が棟外へ漏れる事故があった.
著者
大野 義一朗 大日方 一夫 下枝 宣史 大谷 眞二 宮田 敬博 藤原 久子 三上 春夫 大野 秀樹 福地 光男 渡邉 研太郎 森本 武利
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.241-249, 2007-07

南極医学医療研究集会は,わが国の南極医学研究と医療問題についての研究成果を報告・討論し,次期の観測隊における医学研究に寄与することを目的として毎年行われている.2006年の本研究集会は8月26日,国立極地研究所講堂で行われた.27施設から42名が参加し18の演題報告がなされ,近年では最大規模の研究集会となった. 参加者は越冬経験医師をはじめ,共同研究を行っている大学や研究機関の研究者,関連領域の研究を行っている宇宙開発機構やスポーツ科学研究所などの研究者,南極に興味のある一般病院の臨床医など多彩であった. 2004年より昭和基地に導入されたテレビ会議システムを活用して,昭和基地の医師もリアルタイム映像で討論に参加した.また韓国,中国の越冬医師が初めて参加した.これは3カ国の極地研究所による事前の準備と連携により実現した.集会では各国の南極基地の医療状況や医学研究活動が報告され,活発な意見交換がなされた.南極医学医療研究分野におけるアジア連携の端緒となることが期待される.
著者
大野 義一朗 大日方 一夫 下枝 宣史 大谷 眞二 宮田 敬博 藤原 久子 三上 春夫 大野 秀樹 福地 光男 渡邉 研太郎 森本 武利 Giichiro Ohno Ichio Obinata Nobuhito Shimoeda Shinji Otani Takahiro Miyata Hisako Fujiwara Haruo Mikami Hideki Ohno Mitsuo Fukuchi Kentaro Watanabe Taketoshi Morimoto
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.241-249, 2007-07

南極医学医療研究集会は,わが国の南極医学研究と医療問題についての研究成果を報告・討論し,次期の観測隊における医学研究に寄与することを目的として毎年行われている.2006年の本研究集会は8月26日,国立極地研究所講堂で行われた.27施設から42名が参加し18の演題報告がなされ,近年では最大規模の研究集会となった. 参加者は越冬経験医師をはじめ,共同研究を行っている大学や研究機関の研究者,関連領域の研究を行っている宇宙開発機構やスポーツ科学研究所などの研究者,南極に興味のある一般病院の臨床医など多彩であった. 2004年より昭和基地に導入されたテレビ会議システムを活用して,昭和基地の医師もリアルタイム映像で討論に参加した.また韓国,中国の越冬医師が初めて参加した.これは3カ国の極地研究所による事前の準備と連携により実現した.集会では各国の南極基地の医療状況や医学研究活動が報告され,活発な意見交換がなされた.南極医学医療研究分野におけるアジア連携の端緒となることが期待される.A workshop on Antarctic Medical Research and Medicine 2006 was held at the National Institute of Polar Research (NIPR) on 26 August, 2006. Forty two participants from 27 institutes attended. The members consist of medical doctors with Antarctic experience, human biologists, research scientists in other fields, logistic staff members of the expedition and also medical doctors interested in Antarctica. The current resident doctor at Syowa Station joined the discussion through a telecommunication system. Doctors with Antarctic experience from China and Korea also participated in the workshop. They gave presentations on their Antarctic activities, followed by an active discussion session. Eighteen presentations were given on various topics, including the International Polar Year (IPY) 2007-2008 in medical research, space medicine, telemedicine, an international comparative study of medical operations, psychological surveys, Antarctic high-altitude medicine, Legionella surveillance and nutritional studies.
著者
渡邉 研太郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.9-54, 2009-03-30

第41次南極地域観測越冬隊(第41次越冬隊)は40名で構成され,全員が昭和基地で越冬し,所期の観測をほぼ実施して2001年3月28日,全員無事帰国した.2000年2月1日,第40次越冬隊より基地運営を引継ぎ,翌2001年2月1日に第42次越冬隊へ引き継ぐまでの間,第V期5カ年計画の4年次にあたる観測・設営活動を実施した.設営活動は,昭和基地整備計画(10カ年計画)の9年次として計画された,夏期隊員宿舎の増設,設備更新を主としたものだった.観測系ではみずほ基地滞在による吹雪観測,航空機による基地上空の大気採集や内陸大気観測等を行い,やまと山脈域での隕石探査では50 kgを超す鉄隕石を含む3554個の隕石を採集した.予想外の出来事としては試験的に持ち込んだ10 kWの風力発電装置が7月初頭の大型ブリザードにより倒壊したほか,12月中旬に発電棟内の燃料タンクから軽油が棟外へ漏れる事故があった.