著者
渡邊 章好
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.11-20, 2013-03-31 (Released:2019-03-31)
被引用文献数
3

本稿では,ゲーム理論を応用し,実務の説明理論構築を志向した分析的研究について,その意図と,それが管理会計の領域にもたらす貢献を明らかにする.伝統的に,このような分析的研究としてはエージェンシー理論を応用した研究が想定され,特に業績管理会計に関連するテーマを分析してきた.しかし,近年,戦略管理会計,特にポジショニング・アプローチのように市場における企業間の関係を対象とするテーマが増えてきたが,このようなテーマの分析には産業組織論の応用が有用である.そして,いずれにせよ,分析的研究は,伝統的知見の拡充を意図しており,管理会計教育への貢献を第一に考えていると言える.また,革新的な技法を提供することや,業績を改善するための方策を示すことはないが,分析的研究は教育を通した実務へ貢献も重視している.さらに,分析的研究が実務との関連を強めるために,それ以外の研究方法との連携を重視しなければならず,その点にも言及する.
著者
渡邊 章子 諏訪 さゆり
出版者
文化看護学会
雑誌
文化看護学会誌 (ISSN:18838774)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1_1-1_9, 2017-05-24 (Released:2018-11-13)
参考文献数
24

目 的 中等度,および重度のアルツハイマー型認知症高齢者(以下,認知症高齢者)の家族と専門職の視点を通して,日本の仏式葬送文化の中で認知症高齢者がどのような喪の過程を辿るのかを明らかにし,認知症高齢者の喪の過程への看護支援について示唆を得ること。方 法 データ収集は,認知症高齢者の家族と専門職の各々に60分間の半構造化面接をし,認知症高齢者が辿っている喪の様相を抽出し質的内容分析をした。結 果 対象者は家族3名,専門職2名であった。面接で語られた内容を喪の過程の時期別,および重症度別に並べ分析した。認知症高齢者の喪の過程では,【死別時-葬儀時】では,死別時や葬儀時には配偶者との死別を認識していたが記銘できなかった。【葬儀時-一周忌】では,配偶者がいると思い行動しており,配偶者を想起できる自宅では配偶者のことを尋ねていたが,自宅以外では尋ねなかった。【一周忌-三回忌】では配偶者と一緒に行っていた家族行事の写真撮影時などに「お父さんもっと長生きすれば一緒にいられたのに」と死別を認識する発言が聞かれた。死別から約2年間は,認知症高齢者に家族が同じ説明を繰り返し行っていた。考 察 認知症高齢者の喪の過程では認知症高齢者が葬儀などの儀式に参加するだけでは死別の記銘・保持につながらないことが示唆された。認知症高齢者が現実見当をつけやすくする方法として,認知症高齢者の培ってきた生活習慣などを考慮した説明が重要であることが示唆された。
著者
渡邊 章好
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.98-109, 2016 (Released:2017-04-14)

予算と実績との間に差異が生じる場合,非効率な資源配分による損失が生じる恐れがある.本論文では,経営者がこのような損失を意識して実現性の高い予算の編成を望む場合,予算達成度に応じて管理者に支払われる報酬に上限を設ける必要があり,かつ,緩やかな水準に予算が設定される点を明らかにする.
著者
須賀 賢一郎 内山 健志 坂本 輝雄 吉田 秀児 村松 恭太郎 渡邊 章 澁井 武夫 田中 潤一 中野 洋子 高野 伸夫
出版者
Japanese Cleft Palate Association
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.320-325, 2009-10-30
被引用文献数
1

顎間骨が位置異常を示す両側唇顎口蓋裂術後患者に対して,唇側からの顎間骨の骨切りと顎裂部の骨移植を同時に行う顎間骨整位術の有用性を本学会雑誌の21巻2号に報告した。しかし,この到達法は,顎間骨部への血行の考慮と骨切り操作の点において検討の余地があることが判明した。そこで,1996年4月から2009年3月までの13年間に,同様の症状を呈した17名の両側唇顎(口蓋)裂術後患者に対し,口蓋側から顎間骨への到達と骨切りを行なったところ,以下の結論を得た。<br>1.全症例とも本到達法と骨切りは安全かつ容易に行えた。<br>2.切歯歯根尖より充分距離をおいた顎間骨の骨切りが可能であった。<br>3.顎間骨移動時の骨干渉部の削合も頭部の後屈で容易に行えた。<br>4.以上のことから,顎間骨整位術を施行する場合,顎間骨部への到達と骨切りは口蓋側から行うべきであることを推奨する。
著者
野中 壽晴 渡邊 章亙 迫田 幸雄 黒田 宏治
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.85-97, 2003

本学の教育基本理念であるユニバーサルデザインは、デザイン学部の共通必須科目として位置付けられている。そのユニバーサルデザインについての様々な情報を各方面から継続的に収集し、体系的に集約して情報発信することで、ユニバーサルデザインの研究拠点としての基礎を確立しなければならない。これまで、わが国が福祉のモデルとしてきたのは北欧諸国であり、そのデザイン思想もヨーロッパ型になると考えられてきた。しかし、今日の日本におけるこの分野におけるデザイン理念は、アメリ力型の「ユニバーサルデザイン」が普及進行中である。かねてよりヨーロッパにおける「Design for All」う言葉と、アメリ力発の「Universal Design」にどのような違いがあるのか、その違いがあるとしたらそれをどう捉えたらよいのか気になっていた。今回の視察は、福祉先進国北欧2国 (デンマーク・スウエーデン) を訪問し、それらを肌で感じ、自分の目で実態を見て見極めようと言うことがねらいであった。