著者
奈良 松範 大島 泰伸 渡部 学
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1+2, pp.11-17, 1996 (Released:2011-09-09)
参考文献数
7

火災時の建物内における避難歩行速度を推定することを目的として,鉄道駅の階段における群集流動の現状に関する実測調査を行った。実測値の回帰分析により,群集密度と歩行速度との間に相関係数0.9以上の線形な関係が存在した。群集流率は,群集密度の2次関数で回帰され,0.9以上の相関係数が得られた。群集密度及び群集流率ともに,夏季と冬季との間に差異が認められ,冬季の歩行速度及び群集流率は,夏季におけるそれよりも大きくなる傾向を認められた。また,過去における同様のデータとの比較も行った。老人等の災害弱者については,混雑していない状況における歩行速度を測定し,老人,手すりに掴まっている人,杖を突いている人,要介助者は,それぞれ健常者の50,40,30及び10%の値を得た。(オンラインのみ掲載)
著者
宮本 百合子 管 るみ子 山田 康人 渡部 学 高橋 留利子 丹羽 真一
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 = Journal of the Japan Epilepsy Society (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.3-10, 1999-02-01
参考文献数
6

家族内にてんかん発作、手指振戦、ミオクローヌス、光過敏性発症者を認めた1家系について報告した。この家系では、てんかんの発症年齢は19歳発症の1例を除き20歳以降と遅く、発作頻度は年に1回から数年に1回程度と少なく、抗てんかん薬による発作の抑制は良好な症例が多く見られた。発作型は7例中2例が部分発作とみなされ、部分発作が出現したと推測される症例も2例あった。脳波上突発波の出現部位に局在性を認めた。この家系は、臨床的特徴より良性家族性ミオクローヌスてんかん (BAFME) と考えられた。BAFMEの発作型は全般性強直間代発作で、脳波所見は多棘徐波複合、あるいは棘徐波、時に鋭徐波複合が広汎性に出現するとの報告が多いが、われわれが報告した1家系においては、部分発作とみなされるてんかん発作症状と局在性の突発性棘波を認めている。良性成人型家族性ミオクローヌスてんかんの、てんかん発作型についても再検討が必要と考えられた。
著者
植竹 徹 渡部 学 奈良 松範
出版者
日本火災学会
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-7, 1996-04-30
参考文献数
14
被引用文献数
1

避難計算のための流動係数は重要なパラメータの一つである。現代の出入口および階段降り口における群集の流動係数を求めるため,終着駅での通勤客の降車状況や映画館・劇場での終演時の観客の退場状況や混雑時の駅ホーム階段降り口における群衆の動きをビデオを使い実測した。<br>実測の結果,出入口における流動係数は,滞留人数の多い方が流動係数が大きくなり,また,過去の同様な実験のデータに比べ,出入口における流動係数が大きくなった。出入口の通過人数は開口幅により階段的に増加すること,階段降り口部における流動係数は人数が多くなると滞留人数には因らず一定になることを明らかにした。<br>(オンラインのみ掲載)