著者
小安 宗徳 篠﨑 一慶 佐藤 妙 青木 良輔 有賀 玲子 渡部 智樹 犬童 拓也 大島 直樹 武川 直樹
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.992-999, 2019-06-26

我々は研究活動を行っている大学生の自己調整学習を,セルフモニタリングを使用して支援を行うことを目指している.自己調整学習に不慣れな大学生の特徴を明確化する為,17 名の学生を分析した.分析した学生の性格から,自己著製学習に不慣れな大学生のペルソナを 2 種類抽出し,研究活動におけるステップの仮説を構築した.構築した仮説から,学生に研究活動を促進するセルフモニタリングを促す,通知システムを構築した.通知方法は大学構内での滞在場所を基に通知を行い,セルフモニタリングさせるものである.大学生 4 名に対して 1 週間のユーザテストを行った.その結果,セルフモニタリングの回答結果から,”論文調査”などの準備段階の推定が示唆された.また,セルフモニタリングを行わせることで,研究にかかわる行動と研究を行う意識を促進することが示唆された.
著者
松元 崇裕 松村 成宗 渡部 智樹 今井 倫太
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.181-199, 2020-02-15

高齢化による認知症予防や心理ケアの重要性が高まっており,情報工学の分野では対話ロボットを回想法などの心理療法に用いる取組みが進められている.一方で対話ロボットは目新しさにより最初は利用されるものの,長期間の利用を継続させることが難しい.そのため長期実施が前提の心理療法へ適用するには,ロボットが人と良い関係性を維持する技術・手法の確立が必要となる.本論文ではロボットが高齢者との関係性を構築・維持するため,手紙による非同期コミュニケーションを用いる方法を提案し,提案手法が長期関係性に与える効果について調査を通じた仮説を示す.本研究は単発の大規模実験で統計的な結論を出すのではなく,少数の参加者を一定期間にわたって追うケーススタディによって,関係性への効果の時間的な変遷事例を得て,傾向を確認することを重視する.我々は最初に6人の高齢者を対象として,手紙をロボットの作成したものとして渡す条件と,第三者の作成したものとして渡す条件でケーススタディを行う.ケーススタディではロボット対話と手紙提示を隔週で交互に4回実施し,ロボットの印象の時間遷移について調査を行う.また対話データから発話重要度を推定するアリゴリズムを提案し,提案アルゴリズムを用いた非同期コミュニケーションのための手紙生成システムを示す.最後に我々は8人の高齢者を対象として,提案アルゴリズムの有無で手紙内容が異なる2条件を用いた2つ目のケーススタディを実施する.ケーススタディ2も同様に,対話と手紙提示を隔週で交互に4回実施し,関係性の構築・維持に与える影響について,両ケーススタディを通じて形成した仮説を述べる.
著者
三栖 貴行 小田原 健雄 渡部 智樹 一色 正男
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3+, pp.205, 2018-05-01 (Released:2018-07-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1

我々は生活空間における照明光色を有彩色にすることで,生体へ良い影響を与え,照明機器の利用価値を向上させることを目的とし,生体への影響を心理面および生理面の二つの調査を行っている.心理的影響の評価として,離散的な結果にならず,主観的な評価において信頼性と妥当性が認められているVisual Analogue Scale(VAS)法を採用した.VASの評価項目は,体感温度と疲労についての評価を行なった.生理的影響は,特にサーモグラフィカメラを利用した体表面温度(顔面表面温度)の測定を行った.また,唾液アミラーゼの含有量と心電データからLF/HFを測定し,それぞれをストレス指標として評価した.実験環境は,温度,湿度を一定に管理し,一般的な一人暮らしの部屋に模した実験室にフルカラーシーリングライトを設置した.このような条件下において,被験者が着座する机上面照度を同一にした赤,緑,青の光色を被験者に暴露した.被験者は既往研究と同様に赤で体感温度が上昇し,青で減少する傾向が見られた.
著者
岸田 克己 酒井 和男 渡部 智樹 丸山 剛一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.753-754, 1997-09-24
被引用文献数
2

我々は, 今までにテレビ新潟放送網(TNN)他と共同で, JoiNet参加型インタラクティブTVの実験番組を2回実施してきた。実験番組の企画段階において, 番組のコンテンツとして実現可能なインタラクションを多数検討した。本稿では, その中から参加型番組における早押しクイズを例に, 放送と通信の2種類のパスを結合した中でエージェント制御を行うJoiNetアーキテクチャの特徴を活かした早押し判定手法を述べる。
著者
片岡泰之 渡部智樹 田中清 東野豪
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-6, 2013-03-07

モバイル端末上で利用可能なサービスの検索支援を行うために,サービスと利用者をつなぐインタフェース ISHI (Intent of Service and Human Interface) を提案する.ISHI はサービスで提供される機能を自然言語で抽象表現で示し,サービサの意思と利用者の意思を表裏一体に兼ね備えた概念である.本研究報告では,ISHI のヒューマン・インタフェースとしての優位性を示す利用例として,モバイルアプリのファセット検索を扱う.ファセット検索の実装のために,ISHI のインデクシングの自動化手法と ISHI の重要度の測定手法を提案する.そして,モバイルアプリ特有の非構造化データを用いた本手法の効果を定量的に評価する.最後に,ISHI によるモバイルアプリのファセット検索を用いた被験者実験の結果を報告する.