著者
松本 義秀 河合 栄治 奥田 剛 門林 雄基
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, no.15, pp.159-164, 2002-10-16

近年,IPv6の普及に伴いP2P(Peer-to-Peer)と呼ばれるクライアント同士の接続方式が注目されている.P2P方式はお互いのノードがサーパを介さずに自律分散的に働くことによって,サービスを提供することが可能である.本論文ではP2PをWeb Cacheへ適用する.従来のWebCacheは大規模なLAN環境に最適化され,小規模なLAN環境や個人ユーザにとって効果が薄いことが問題とされてきた.提案システムでは各ユーザのローカルキャッシュを共有し,P2Pネットワークを用いて検索を行う.このことにより.WebCacheを小規模なLAN環境や個人ユーザにも適用することが可能であり,応答時間の高速化と,サーパサイドのトラフイツクの削減が可能である.また.P2Pを用いることで管理コストが全くかからず,酎故障性に優れたシステムが構成できる.
著者
前川裕一 林夏美 牧野友哉 白石陽
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.165-171, 2013-11-27

公共交通機関としてのバスの利用者は減少傾向にあり,バス利便性向上を目的としてバスロケーションシステムが普及してきたが,システムにより提示される遅延情報が正確でないことが問題としてあげられる.これまでにもバス停間の運行所要時間予測や遅延原因の分析に関する研究が行われてきたが,そのほとんどは過去のバス運行所要時間データを用いたものである.既存手法は運行所要時間データを用いて交通状況や気象状況による遅延を考慮しているが,遅延時間に直接影響する可能性が高いバス利用者の乗車人数や降車人数を考慮していない.本研究では,より正確なバス到着時刻の予測手法を提案することを目的とする.バス運行時に得られる各バス停への到着時刻や,遅延原因と考えられるバス乗降客数データを用いて,より正確な到着時刻予測手法の提案に向けたデータの分析結果を示す.
著者
村山 優子
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, pp.215-220, 1996-10-23

画像情報におけるセキュリティの分野では,現在,steganographyとよばれる情報隠し技術がさかんに研究されている.これは,画像情報の中にメッセージを気づかれないように挿入するなど情報の存在を隠す技術である.この他,安全でない環境で,他に気づかれずに情報を通信しあうための(Subliminal Channel)などを含めたcovert channelと呼ばれる「隠れ通信路」などの概念において,識閾下効果の問題が,どのような位置を占めるのかを明確にする.
著者
澤島 秀成 堀 良彰 砂原 秀樹 尾家 祐二
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, pp.87-94, 1996-10-23

広域ネットワークにおいて、音声や画像などの実時間通信は、その実時間性を満足させるためにUDPが用いられることが多い。しかしながら、広域ネットワークにおいて使用されているトラフィックの約80%は、TCPトラフィックである。TCPはUDPと異なり独自のフロー制御機構を持つために、これらが混在した広域ネットワークにおけるUDPのトラフィック特性は、TCPの影響を大きく受けることになる。本研究では、TCPとUDPが混在する広域ネットワークについてシミュレーションを行い、UDPのパケット廃棄特性をTCPのフロー制御の挙動との関係から調査した。複数のTCPコネクション間において、その輻輳ウィンドウのサイズ変化に同期が見られる場合、UDPの廃棄率が著しく大きくなり、そのバースト性を示す連続廃棄数も増加することが分かった。また、音声通信などの場合、UDPの送信レートを下げても、UDPのパケット廃棄率に目立った改善が見られないことが分かつた。
著者
小松 久美子 下代 博之 中野 秀男 辰巳 昭治
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.15, pp.19-24, 2006-11-23

コンピュータネットワークにおける通信の高度化に伴い,今後,その時刻保持はさらに高精度化を求められるであろう.本論文は,現状のコンピュータネットワークにおける時刻同期の問題点について問い,その高精度化の必要性についての問題提起を行うものである.天文分野での超高精度時刻同期技術の応用としてハードウェアが比較的安価に実現できることから, GPSを利用した時刻同期システムを提案する.著者らはこの時刻同期システムを4拠点に設置したので,その実際を報告する.低コストで手軽に構築できることから,高精度時刻サーバの普及が期待できる.多数の高精度時刻サーバによる協調型時刻同期により実現できることやその応用には認証処理を始め,多くの可能性がある.問題提起の段階であるが, 個々の高精度時刻サーバが相互に時刻監査する方法については研究対象となると思われる.
著者
平部裕子 荒川豊 安本慶一
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.77-79, 2013-11-27

スマートフォンやタブレット端末の普及により,タッチ操作はユーザの間で共通の技術となっている.そこで著者らは,このタッチ操作を新たなユーザコンテキストの一つとして着目している.タッチ操作というコンテキストを用いることで,将来的にユーザの感情やスキルといったより取得が難しいとされるユーザコンテキストを抽出できると考えている.本稿では,Android 端末におけるタッチ操作ログを,全てのアプリケーションから横断的に取得し,その操作を分析 (分類),可視化するシステム TouchAnalyzer に関する報告を行う.