著者
澤井 敦
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.137-162, 2016-02

関根政美教授退職記念号はじめにI 構造化と存在論的不安 1 存在論的安心と存在論的不安 2 ルーティーンと構造化II ハイ・モダニティと存在論的安心 1 ハイ・モダニティの輪郭 2 抽象的システムと存在論的安心 3 親密な関係性と存在論的安心III ハイ・モダニティと存在論的不安 1 抽象的システムの綻びと「経験の隔離」 2 ルーティーンとしてのアディクション 3 存在論的不安とライフ・ポリティクスおわりに
著者
澤井 敦
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.86, no.7, pp.93-124, 2013-07

生田正輝先生追悼論文集論説はじめにI 実存的不安の歴史的・社会的変容II リキッド・モダンの不安の社会的様相III 読み換えられる不安おわりに
著者
エリオット アンソニー 片桐 雅隆 澤井 敦
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.67-92, 2010 (Released:2020-03-09)

本論文は、三つの主要な目的をもっている。第ーに(第1節~第3節)、金融、メディア、ハイテク業界などのニューエコノミーにおいて、とりわけ顕著にみられる、地球を席巻する新しい個人主義についての理論を再検討し再呈示すること、そして、この立場が、社会学的なアプローチという点で、他の影響力の大きい立場(ここでは特に、フーコーと彼の継承者によって精綴化された「自己のテクノロジー」の理論と、アンソニー・ギデンズなどによって輪郭が示された「再帰的な個人化」というとらえ方を扱う)とどのように異なるのか、を問うことである。第二に(第4節)、この新しい個人主義の理論の構図を、より一般的に、日本の社会や社会(科)学における展開と関連づけることである。そこではとりわけ、私化や原子化をめぐる従来の議論、公と私の関係をめぐる議論に焦点をあてることになる。そして最後に(第5節)、現代の日本において進行中である社会経済的な変容を検討することで、新しい個人主義のひろがりがもたらすさまざまな矛盾について考察する。そこでは、新しい個人主義の理論が、日本の社会や経済に変化をもたらしている現在のグローパルな変容の内実をいかに有効に問いうるか、を検討する。
著者
澤井 敦
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.118-134, 2002-06-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

現代社会は死をタブー視する社会であると度々指摘される.しかしメディアにおいて死が頻繁に話題になるようになり, 死はタブーから解放されたとする見方もなされている.本稿の目的は, 「死のタブーからの解放」とは何を意味しているのか, また, 依然として死がタブー視されているとすれば, それはどのような意味においてなのか, という点を検討し, それを通じて「死のタブー化」の概念の実質を明確にすることにある.本稿ではまず, P.アリエスやG.ゴーラーによる古典的定式化の再検討, および, 死の「公的な不在, 私的な現存」というテーゼの批判的検討を行い, 死のタブー化という概念の実質的な意味が, 死にゆく者や死別した者との「関係」の忌避という点にあることを明らかにする.そして次に, メディアにおいて流通する, 死をめぐる多様な情報の質的差異について考察し, それらの情報が, ゴーラーのいう「死のポルノグラフィ」としての性質を有すると同時に, 死や死別の受容の仕方を教示する「死のガイドライン」としての性質を有することを確認する.そして最後に, 死のタブーからの解放という見方は, この「死のガイドライン」としての情報がメディアを通じて流通するという現象を指し示すものであるということ, しかしながら, そうした「解放」にもかかわらず, 死を身に帯びた者との関係の忌避という意味での死のタブー化は, 依然として存続していくことを指摘する.

2 0 0 0 OA 社会的死と法

著者
澤井 敦
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.62, pp.110-122,194, 2005-03-30 (Released:2011-04-13)
参考文献数
32

In arguments concerning death and its definition, the social aspect of death, which is beyond the range of natural sciences such as biology and medicine, has often been referred to. The purpose of this paper is to consider this social aspect of death by re-examining the concept of "social death."First, this paper looks into existing usages of the concept of social death and attempts to clarify its meaning. Social death is distinguished from biological death, clinical death, legal death and ritual death. This paper suggests that the defining feature of social death is the termination of one's social existence in the lives of others.Secondly, the relationship between modern social changes and the changing profile of death is considered from the point of view of social death. In contrast to traditional society, social death in modern society has become individualized and can be interpreted in various ways. In cases of the death of persons who are non-intimately related, the process of social death tends to move comparatively quickly, and may sometimes move more rapidly than the process of biological death. On the other hand, in cases of the death of persons who are intimately related, the process of social death moves comparatively slowly and may continue for a long time following biological death. It is pointed out that this discrepancy between the two cases can often poses problems.Finally, the social background of legal death is examined in the light of social death. There are discrepancies between legal death and social death, which pose problems. In many cases, there are "continuing bonds" between the bereaved family and the dead which still exist even after biological death. The paper concludes with an examination of legal professionals' attitudes toward these continuing bonds.
著者
澤井 敦
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.221-278, 2011-02

䕃山宏教授退職記念号はじめにI 「個人析出」と原子化・私化・個人化 : 丸山眞男の図式の再検討II 原子化と分離不安 1 原子化の多義性 2 組織化と原子化 3 分離不安の社会的帰結III 私化と関係不安 1 私化の両義性 2 消費社会の私 3 個性化と関係不安IV 個人化と存在不安 1 個人化の多義性 2 制度と意識 : ベツクとパウマンの個人化論とその差異 3 存在不安の社会的帰結おわりに