著者
武田 邦彦 熊谷 幹郎
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

外部的環境や経時的に損傷を受けた材料が損傷箇所を自己的に補修する可能性を探る研究として、ポリフェニレンエーテル(PPE)を対象材料として選択して研究をおこなった。繰り返し力学負荷、熱負荷及び光負荷の場合に損傷が主として分子量の低下であることを明らかにし、その上でPPEの分子量の回復について実験を行った。PPEの分子量はCuの存在下、もしくは存在しない状態で分子量が4000〜40,000の領域で変化することがわかった。温度領域は一10℃から80℃である。溶媒中では40℃、Cu存在下で急速に分子量の変化が起こる。この基礎実験データに基づき、溶媒を含まない高分子材料及び少量の溶媒を含有する材料について窒素中及び空気中での分子量の回復を観測した。その結果、窒素中及び溶媒を含まない材料では分子量の回復は小さかったが、溶媒を含み空気中での実験では顕著な分子量の増大が観測された。予想を上回る成功である。すなわち、本研究に用いた対象材料は、損傷箇所の回復触媒にCuが有効であり、エネルギーの継続的補給源として空気中の酸素、生体での排泄物に相当するものとしてH2O,使用後のCuは酸素によって継続的に自己再生される、という自己疲労回復性システムが動いていることが明らかになった。また、高分子末端の衝突確率は少量の溶媒存在下で十分であることがわかり、短時間の実験では溶媒を含まない材料では分子量の変化は顕著ではなかったが、拡散係数の推定では、疲労などの長期間での損傷には十分に無溶媒系でも損傷回復の可能性があることがわかった。また、分子量の回復時に水素を発生し、排泄物として水を発生するが、そのときの水素の補給源がPPEの側鎖である可能性があり、継続的な水素源を考慮する必要があることが明らかになった。
著者
小野 昇一 熊谷 幹郎 帆足 興次
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.315-322, 1991-05-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Influence of dissolved oxygen and temperature on corrosion and elution behaviors of Si3N4 ceramics containing 5wt% MgO as sintering aid in high-temperature pure water were studied using the once-through type experimental loop. Exposure tests were carried out under two different dissolved oxygen concentrations of below 20μg/l and 8mg/l. Exposure temperature was elevated gradually from 120°C to 200°C and then to 275°C, where the indicated temperature was kept for 8 days. The results suggested that dissolved oxygen did not promote corrosion of Si3N4 ceramics, although the weight loss of specimen after exposure was influenced largely by temperature and the amount was increased by almost one order of magnunitude with temperature change. These were considered to be caused by the reaction of Si3N4 grain with H2O, of which rate was increased with temperature. The specimen exposed at 275°C was largely leached and its amount of weight loss attained up to 52mg/cm2 under low dissolved oxygen condition. Then a part of corrosion products remained on the surface and formed the porous corrosion film. In these processes Mg tended to be accumulated in the leached layer. On the other hand, Si3N4 grain was scarecely eluted at 120°C, but the grain boundary contaming Mg was selectively eluted to test solution.
著者
大東 延久 清地 正人 綱脇 恵章 藤田 雅之 今崎 一夫 中井 貞雄 三間 圀興 車 信一郎 後藤 道夫 小久保 正之 中尾 直也 山中 千代衛 加瀬 貞二 青山 誠 赤羽 温 中野 文彦 松岡 伸一 山川 考一 大前 吾一 八木 隆志 伊藤 紳二 文 雅司 和泉田 真司 小野 晋吾 劉 振林 大竹 秀幸 猿倉 信彦 耿 紀宏 和田 智之 浦田 佳治 田代 英夫 南畑 亮 児玉 英範 田上 潤一 河仲 準二 窪寺 昌一 佐々木 亘 黒澤 宏 寺嶋 克知 田中 宏和 久保 博一 鈴木 徹 太田 毅 榎波 龍姫 若林 理 溝口 計 大部 彩子 渡邊 隆之 中野 真生 堀 司 西坂 敏博 伊藤 貴志 小島 哲夫 今野 進 藤川 周一 安井 公治 吉澤 憲治 森 勇介 佐々木 孝友 田中 光弘 岡田 幸勝 島村 清史 Namujilatu 福田 承生 松原 健祐 田中 歌子 今城 秀司 早坂 和弘 大向 隆三 占部 伸二 渡邊 昌良 大場 正規 加藤 政明 丸山 庸一郎 小矢田 康晴 山本 修平 平野 嘉仁 Pavel Nicolaie 佐藤 聡長 伊藤 篤史 大島 広明 吉田 弘樹 阪上 幸男 挾間 寿文 西岡 一 鬼澤 敦子 上原 昇 植田 憲一 西村 昭彦 宅間 宏 常包 正樹 田口 昇 稲場 文男 関田 仁志 RUTHERFORD Todd TULLOCHI Bill 笠松 直史 BYER Robert 松井 宏記 江口 武芳 川田 安男 金辺 忠 山中 正宣 中塚 正大 井澤 靖和 神崎 武司 宮島 博文 宮本 昌浩 川嶋 利幸 岡田 康光 菅 博文 秋山 靖裕 高瀬 智裕 高田 淳 湯浅 広士 小野 明 吉田 史朗 中山 通雄 佐藤 雅夫 内藤 真哉 町田 久忠 家久 信明 軽部 規夫 西畑 実 鈴木 伸孝 太田 忠喜 藤原 弘康 市位 友一 木村 信二 木村 美紀雄 庄司 康浩 今城 正雄 柳澤 隆行 内野 修 永井 智広 長澤 親生 住吉 哲実 荒井 恒憲 佐藤 俊一 石原 美弥 菊地 眞 バサ ニレシ 岡田 龍雄 前田 三男 水波 徹 松岡 直哉 岡崎 豊 菊池 健 山口 滋 南里 憲三 藤岡 知夫 森 啓 鈴木 薫 中田 順治 嘉成 和孝 小平 裕司 内藤 靖博 永野 宏 蓮池 透 谷脇 学 清水 幸喜 熊谷 幹郎 高島 洋一 遠藤 雅守 川上 政孝 武田 修三郎
出版者
The Laser Society of Japan
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.23-24,27, 1999