- 著者
-
牧野 浩志
- 出版者
- Institute of Industrial Science The University of Tokyo
- 雑誌
- 生産研究 (ISSN:0037105X)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.2, pp.133-139, 2011
世界の最先端を走っている日本の路車協調システムであるが, ETCに使われている狭域通信(DSRC)方式でマルチアプリケーションを動かすことのできる機能を持ったITS車載器とITSスポットが登場し,新しいステージを迎えた.このITS車載器は,これまでのカーナビやVICS,ETCという基本機能に加え,広域のダイナミックルートガイダンスが可能となったり,世界で初めての安全運転情報提供機能が搭載されたり,インターネット接続の実現による地図更新やローカル観光ナビとしての活用,プローブ機能による情報収集機能,クレジットカード決済機能の追加など,これまでの公共サービスだけでなくロードサイドのガソリンスタンドやファーストフードなどの民間サービスにも活用できる様々な可能性を秘めている.新しいツールの誕生で日本のITSが社会の課題をどのように解決していくのか,民間サービスでの展開,電気自動車との関係,都市のスマートな発展など,路車協調システムのロードマップについて論じる.