著者
小島 唯 村山 伸子 堀川 千嘉 田中 久子 森崎 菜穂
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.116-125, 2022-04-01 (Released:2022-05-24)
参考文献数
13
被引用文献数
1

【目的】新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言による学校休業を含む学校給食の実施有無と簡易給食の実施状況および簡易給食の提供内容の実態を把握する。【方法】全国の公立小学校および中学校から無作為抽出した479校を対象とした。2020年4~10月の学校給食実施状況を日ごとに回答,簡易給食期間の献立の提出を依頼した。【結果】解析対象校は205校であった(適格率42.8%)。簡易給食を1日以上実施していた学校は55校であった(実施率26.8%)。給食実施なし日数,簡易給食実施日数の中央値(25, 75パーセンタイル値)は各々50(43, 56)日,10(5, 16)日であった。緊急事態宣言の期間が長い地域で,給食実施なし日数が多かったが,簡易給食実施日数に差はみられなかった。解析対象献立は,延べ871日分であった。簡易給食実施初期の献立では調理された料理数が少なく,デザートなどの調理や配膳の不要な単品数が多く,主菜,副菜の出現頻度が低かった。【結論】新型コロナ感染拡大による学校給食の実施中断や簡易給食の実施により,子どもの食事状況に影響があった可能性が示唆された。簡易給食実施初期の献立では単品の提供が多く,簡易給食実施後期の献立では,主食・主菜・副菜を組み合わせた献立が提供されていた。
著者
有房 秀樹 田中 久子 小山 裕史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構 一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.93-96, 2006

本発表は2005年度の日本アグケム情報協議会における関東第一Gのワーキングループの活動成果である(活動期間2005/10~2006/3)。米国特許庁(USPTO)のPAIR、世界知的所有権機構(WIPO)のpatentscopeのサービスの提供や、欧州特許庁(EPO)のepoline/esp@cenet等の提供に伴い)、電子包袋、ファミリー情報やINPADOC LEGAL STATUS(以下LSと略する)が利用できるようになった。InpadocのLSにはPRSコードに代表される審査経過情報が記載されており無料でesp@cenet経由で確認できる。権利が確定した特許をランダムに選出しPRSコードから得られる情報の精度、限界につき事例を元に検証を行ない、特許の生死情報、移行情報、特許延長登録情報等有用な情報を読み取れることを確認するとともに情報の限界につき考証した。
著者
衛藤 久美 中西 明美 藤倉 純子 松下 佳代 田中 久子 香川 明夫 武見 ゆかり
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.252-266, 2019-05-15 (Released:2019-06-11)
参考文献数
17

目的 埼玉県坂戸市が2006年より女子栄養大学と協働して取り組んできた,坂戸市全小・中学校における「坂戸食育プログラム」(以下,食育プログラム)の評価を行い,これまでの成果と今後の課題を明らかにすることを目的とした。方法 本プログラムの対象は,小学5年生から中学2年生の全児童生徒である。本研究では,2006年度から2014年度に実施された児童生徒および教師対象の調査データを用い,経過評価および影響評価を行った。食育プログラムの授業実施状況および学習者の反応を把握するための調査(調査A),食育プログラム実施者のプログラムに対する反応として,小・中学校教員の食育プログラムへの関わりによる変化を確認するための調査(調査B)のデータを用いて経過評価を行った。4年間の児童生徒の学習効果を確認するための追跡調査(調査C),各学年の児童生徒の学習効果を確認するための前後比較調査(調査D),4年間の食育プログラム学習後の生徒の状況を把握するプログラム終了後調査(調査E)のデータを用いて影響評価を行った。活動内容 小学校の4年目ならびに中学校の2年目に教員が回答した授業実施状況について,授業が指導案通り「実施できた」クラスが7割以上,教材を「すべて使用した」クラスが8割以上,学習内容を児童生徒たちが「ほぼ理解できた」クラスも5割以上だった。小学校教員ならびに中学校男性教員は,研修会参加や授業実施経験がある者において「食育への関心が高くなった」と回答した者の割合が高かった。児童生徒の学習効果について,4年間の食育プログラムの学習効果はみられなかったが,各学年の食育プログラム学習前後に,具体目標②「健康を考え,バランスの良い食事をとろう」に関する食態度が改善した。終了後調査より,4年度すべて9割以上の中学2年生生徒が,食育プログラムを「学習してよかった」と回答した。結論 食育プログラムは,継続的に実施され,教員の食育への関心を高めることに役立っていると示唆された。児童生徒は,授業に多く含まれる目標「健康を考え,バランスの良い食事をとる」ことに関する食態度で有意な変化がみられた。今後は,学習内容の改善や,継続的な食育プログラムの実施体制の推進の他,学校を拠点とし,児童生徒の家族等他世代へも波及するような食育の検討が必要である。