- 著者
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田口 真奈
松下 佳代
半澤 礼之
- 出版者
- 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.3, pp.269-277, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
- 参考文献数
- 8
2009年度から開始された京都大学文学研究科プレFDプロジェクトのために,ENGESTROM(1994)の「教授の計画と分析のためのフォーム」を改変し,個別作業で利用可能な,教授のデザインとリフレクションのためのワークシートを開発した.授業実施後の研修会で運用した結果,当初想定した本ワークシートの特徴((1)〜(3))のうち,(1)学生の学習の観点から教授をリフレクションし,個々の教授機能をとらえなおすこと,(2)「一斉講義形式」の授業を相対化し,他に多様な選択肢が存在することを理解すること,にとって有効であるとの結論を得た.しかしながら,(1)の今後の教授デザインを検討すること,(2)の多様な選択肢から根拠をもって選択すること,(3)授業を学習サイクルを実現する一連の教授プロセスとしてとらえることには至らず,より体系的なプログラムの開発とコーディネーター教員を巻き込む組織化が課題として残った.