著者
浜口 博之 西村 太志 林 信太郎 KAVOTHA K.S. MIFUNDU Wafu NDONTONI Zan 森田 裕一 笠原 稔 田中 和夫 WAFULA Mifundu ZANA Ndontoni WAFULA Mifun ZANA Ndonton KAVOTA K.S.
出版者
東北大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

この研究は,(1)ホットスポット火山の多いアフリカ大陸の深部構造の解明,並びに(2)ニアムラギラ火山のマグマ活動調査の2項目に大きく分けられる.1990年度の現地調査は予定通り実施され,当初の目的は達成された.1991年度は,現地調査の最中の9月23日にザイ-ルの首都キンシャサを中心に政情不安に端を発した暴動が起こり,日本大使館の退避観告に基づき調査を途中で中断し,隣国に緊急避難しそのまま帰国する結果となった.このため,この年度の調査事項の実施については,不完全なものにならざるを得なかった.以下,2年間の研究実績を項目別に分けて簡潔に示す.1.広帯域地震観測.0.05秒〜370秒に渡って一様な感度を持つCMGー3型とパソコンを用いた地震波収録装置を,1990年度はザイ-ル東部のルイロ地震観測所(LWI)に設置した.1991年度は,キンシャサ効外のビンザ気象局の地下地震計室(BNZ)に設置したが,最後の調整の直前に暴動が起こり,一部未完な状態のまま今日まで観測は続けられている.従って,地震計の再調整を含む良好なデ-タの取得は今後の課題として残された.この観測と並行して実施してきたアフリカ大陸下の深部構造については,(イ)アフリカ直下でコア・マントル境界(CMB)が盛り上がっていること,(ロ)マントル最下部のD"領域ではS波速度が3〜5%遅いこと,逆に,アフリカ大陸の外では数%速いこと,並びに,(ハ)コア表面の温度は,アフリカ大陸を含むA半球がその反対側の太平洋を含むP半球より数10mケルビン高温であること,などが明かとなった.これらの結果はアフリカ大陸に於いてホットスポット火山の密度が高い理由の解釈に重要な手がかりとなる.2.火山性地震・微動観測.1990年度は,CRSN(ザイ-ル自然科学研究所)の定常観測点(4点)の他に,8月13日〜11月29日まで火山地域内で8点の臨時地震観測を実施した.11月20日にこの地域では過去最大のM4の地震がニイラゴンゴ火山南方10kmに起きた.観測結果はこの地震により火山性地震やマグマ活動は励起されず,逆に地溝帯中軸の地震が活発化した事が明らかにされた.また,ニアムラギラの側噴火(キタツングルワ)のストロンポリ式噴火に伴う地震は火口直下0.2〜0.5kmの深さに集中し,その発震機構はマグマの噴出時に働くほぼ鉛直下方のSingle Fo
著者
田中 和夫 小原 重信
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.230-240, 2006-05-12

長引く建設需要の冷え込みの中で近年大きな変化が出てきている。それは建物所有者や事業者を取り巻く経営環境が大きく変化したことで、建物に対する新しい価値を見出そうとする意識がそこに芽生えたものだと思われる。つまりそれは建物を一つの経営資源として捉える視点のことであるが、その背景には建物自体の価値をより高く維持することに一層の経営努力を払っていく経営者の姿が理解できる。そこで本論文のテーマは、"建物価値の再認識"という建築リニューアルの領域を、建物所有者がリニューアルに求める価値とは一体何か、またどのようにその価値は創出されるのかを建築のライフサイクルを考えることで、多様な価値観を見せるリニューアルの領域にどのようなサービスモデルが築けるのかを考察するものである。
著者
山崎 篤 田中 和夫 吉田 澪 三浦 周行
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.40-46, 2000-01-15
被引用文献数
4 18

ネギの花芽分化に及ぼす温度条件を明らかにすることを目的として, 中生品種の'金長'と'浅黄九条', 晩生品種の'長悦'を用いて, 昼温と夜温の影響を調べた.昼温を20℃として夜温を3∿15℃と変えて20∿60日間の低温処理を行った結果, いずれの品種においても花芽分化は7℃で最も促進され, 次いで3℃で促進された.また, 15℃という比較的高い夜温下でも処理期間を60日まで延長すると, '金長'と'浅黄九条'では50%以上の個体で花芽分化したが, '長悦'では10%の個体でしか分化しなかった.夜温を7.0℃として昼温を7.0∿26.5℃と変えて20∿75日間の低温処理を行った結果, '金長'と'浅黄九条'において, 抽台率は昼温13.5℃と20℃で高く, 昼温7.0℃と26.5℃でわずかに低かった.'長悦'の抽台率はいずれの昼温と処理日数においても'金長'と'浅黄九条'に比べ低かった.それでも, '長悦'の抽台率は昼温7.0℃と13.5℃では75日後に60%以上に達したが, 昼温20.0℃と26.5℃では著しく低く, 特に昼温26.5℃ではほとんど抽台しなかった.したがって, '長悦'では20℃前後で脱春化が起きていると考えられた.以上の結果, ネギの花芽分化最適夜温は, 昼温20℃の場合7℃であること, また'長悦'では20℃前後で脱春化が起こるが, '金長'と'浅黄九条'では26.5℃以下の温度ではほとんど脱春化は起こらないことが明らかとなった.