著者
遠藤 健司 駒形 正志 西山 誠 池上 仁志 田中 恵 山本 謙吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.115-120, 2005 (Released:2007-12-14)
参考文献数
15

画像診断にて原因不明な腰・下肢痛の中には,脊髄終糸の過緊張によって発症するものも存在する.今回,25例のTight filum terminale(以下TFT)に対して,終糸の切離を行った症例の術後経過を検討した.TFTの診断は,腰痛または下肢痛,膀胱直腸障害,脊椎不橈性,非髄節性神経障害,TFT誘発テストにより臨床診断を行った.手術は,終糸切離をS1高位で行った.術後の症状は全症例中,腰下肢痛の改善が96%に,筋力の回復が68%,知覚異常の改善が68%,膀胱直腸障害の改善は79%,体幹前屈制限の改善は80%で認められた.疼痛の経過は,VAS(Visual Analog Scale)で評価したが,術前の最大疼痛を10とすると,術後平均は3.3(0~7)であった.TFTは腰椎椎間板ヘルニアと鑑別を要するが,膀胱直腸障害の存在,MRI所見,誘発テストが陽性であることが異なる点である.画像診断で神経圧迫症状のない腰痛,下肢痛の鑑別診断としてtight filum terminaleを考慮する必要があると考える.
著者
田中 恵
出版者
筑波大学
雑誌
日本史学集録 (ISSN:09137203)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.21-38, 2001-05
著者
田中 恵子 辻 省次
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

腫瘍隨伴性神経症候群のなかで、抗Hu・抗Yo抗体などの特異な抗体を有する群は、臨床像・拝啓腫瘍に一定の特徴を有し、自己抗体が患者の腫瘍と病変神経組織を共通に認識するなどの特徴から、抗体による神経組織障害機序が考えられている.我々はこれまで、これらの自己抗体を用いて様々な方法で動物モデルの作製を試みたが、抗体による組織障害は惹起できなかった.そこで細胞障害性T細胞(cytotoxic T cell:CTL)が関与する病態機序の可能性を考え、抗Hu抗体を有する患者の抹梢血を用いてCTL活性を検討した.標的細胞を患者自身から得た線維芽細胞とし、線維芽細胞のclass 1分子を利用し、HuDのrecombinant蛋白をmicroinjectionにより線維芽細胞の細胞質に注入することによりHu抗原分子断片を呈示させ、CTLの標的とした.同一患者から採取しIL-2下で培養した抹梢血リンパ球と共培養した結果、80%の線維芽細胞が消失した.この結果は、本症の組織障害にCTLが関与している可能性が推定された.一方、抗原分子のペプチド構造を明らかにするため、患者のHLA型を解析し、多くの例で共通であったA11分子をaffinity chromatographyにより精製し、HPLCで分取した後そのアミノ酸配列を決定した.今後この中から使用頻度の高いペプチドモチーフを調べ、Hu蛋白のアミノ酸配列との比較により、リンパ球の抗原決定基を推定する.
著者
小野寺 祐夫 石倉 俊治 香川 容子 田中 恵子
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.196-205, 1976-08-31
被引用文献数
10 5

As fundamental studies on chemical changes of organophosphorus pesticides during chlorination of the water, fate of 11 kinds of P=S type and 2 kinds of P=O type pesitcides in the chlorinated water was examined by thin-layer and gas chromatographic methods. Most of these pesticides examined were found to undergo a chemical change in water containing free chlorine as small as 0.1 ppm. Therefore, at a higher concentration of free chlorine, the P=S compounds were easily oxidized to P=O analogs in the water. However, P=O analogs were not detected from Dimethoate and Ethion in the water, while Dipterex, a P=O compound, underwent dehydrochlorination and rearrangement to form DDVP. Among the P=O derivatives formed from P=S compounds, Malaoxon, Paraoxon, and Diazoxon were comparatively stable in the water but Methyl paraoxon, Sumioxon, and Phosvel-oxon were markedly hydrolyzed and formed phenolic compounds in the water. Oxidation of P=O compounds with free chlorine was hardly influenced by the presence of magnesium, calcium and ferric ions less them 1.0 ppm but suppressed by a ferrous ion.
著者
田中 恵子 池田 順子 東 あかね 入江 祐子 松村 淳子 杉野 成
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学研究紀要 (ISSN:02853744)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-11, 2004-03-17
被引用文献数
1

青年期女性のやせの者の生活習慣上の問題点を明らかにすることを目的として、15〜29歳女性住民415人を対象とした生活習慣調査を行い、やせと生活習慣との関連をFisherの直接法と重回帰分析により検討した。やせの割合は、15〜19歳、20歳代の順に31.3、23.0%であった。普通体型で自分の体型を太めに評価している者に、ダイエット経験者(現在ダイエットをしている者と過去にしていた者)の割合が有意に高かったことから、青年期女性において適正体重に関する健康教育が重要であることが改めて示された。15〜19歳では、食生活に関する幾つかの項目で、好ましくない習慣を有する者にやせの割合が高いという結果が得られた。やせの者に食品の組み合わせについての意識が低い傾向がみられたこと、ご飯、その他の野菜(緑黄色野菜を除く野菜)、牛乳・乳製品の摂取頻度の低い者にBMIが有意に低いという関連がみられたこと、さらに総合的な食品のとりかたの評価指標であるバランススコア平均値がやせで低い傾向を示したことから、10歳代後半のやせの者に対するバランスのとれた食事摂取という健康教育をおこなう必要性が改めて示された。20歳代においては、喫煙習慣を有する者ほどBMIが低くなる傾向がみられたことから、喫煙が体型および健康に及ぼす影響について正しい認識をもたせて禁煙教育を積極的にすすめていく必要性が高いと考えられた。食生活では、15〜19歳に比べて、やせと関連する問題となる習慣は少なかったが、バランススコア平均値が、普通に比べてやせで低い傾向を示したことから、15〜19歳と同様にできるだけ多様な食品をとることの重要性を示していく必要性が高いと考えられた。