著者
田代 豊 Tashiro Yutaka 名桜大学国際学群
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.19, pp.189-192, 2014

沖縄県名護市内を流れる屋部川で,微生物資材(「EM団子」)を市民に投入させるイベントが実施された前後に3回, 3地点において河川水を採取し,塩分・全有機炭素濃度(TOC)・SSを測定した。いずれの試料の塩分も2%程度以上あり,また, 3回の採水のいずれにおいても,上流よりも下流の水試料の方が塩分が高かった。 SSは, 3回の採水時のいずれにおいても,最下流の地点が中間の地点よりも少なかった。また,降雨のあった日は最上流の地点におけるSSが多かった TOCは,各採水時ともに,最も下流の地点で高かった。また,降雨のあった日は,最上流の地点においてTOCの上昇が見られた。微生物資材投入前後で各地点におけるTOCの減少は見られず,また,投入地点上流側に比較して下流側のTOCは低くならなかった。
著者
野波 寬 田代 豊 坂本 剛 大友 章司
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.23-32, 2016 (Released:2016-10-06)
参考文献数
28

原発・廃棄物処分場・軍事基地などの迷惑施設をめぐっては,立地地域少数者と域外多数者との間で利害の不均衡が発生する。この不均衡に関心を示さない域外多数者に対しては,不均衡を知った上で非意図的に迷惑施設を受容する域外多数者に対してよりも,立地地域少数者の怒りや不満といったネガティヴな情動が喚起されるだろう。シナリオを用いた実験の結果,この予測は支持された。また立地地域少数者の情動反応には,利害の不公平に対する評価のほか,域外多数者への共感も,大きな影響を及ぼすことが示された。集団価値モデルにもとづき,立地地域少数者の立場に対する域外多数者からの関心の呈示は,前者が後者からの敬意を推測する手がかりになると考察した。以上の結果より,迷惑施設をめぐる公的決定の過程で,立地地域少数者と域外多数者との相互作用を検討する重要性について論じた。
著者
坂本 剛 野波 寛 蘇米雅 哈斯額尓敦 大友 章司 田代 豊
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.51-62, 2017 (Released:2017-09-07)
参考文献数
44

本研究は,自然資源の管理政策への協力意図に影響を及ぼす要因の効果を明らかにすることを目的として,資源と直接的な関わりの深い地域の住民と比較的関わりの浅い都市の住民による政策への協力意図に至る心理的過程を比較検討する。中国・内モンゴルの牧畜地域の草原管理を事例として,管理政策への協力意図に対して,手続き的公正感,信用度,法規性が与える影響を分析するために,全住民が牧畜に従事するA村(n=146)と大都市のフフホト市(n=262)で調査を行った。信用度から協力意図への影響は地域住民に顕著に見られる一方で,都市住民は草原管理に関わる行政の法規性を高く評価している場合,手続き的公正感による影響が減じられる「法規性の干渉効果」を示した。法規性の干渉効果について,主に法規性が偏重されることの弊害に注目をして考察を行った。社会的ガバナンスの前提となる多様なアクターの参加という条件のもとでは,結果的に,社会の多数派によって行政が持つ単一の価値のみが重視されるというパラドックスが発生する危険性が指摘された。
著者
田代 豊 谷山 鉄郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.77-86, 1996-03-05
被引用文献数
3

沖永良部島は日本の南西諸島における典型的な農業地域の一つである. 同島の北東半分を占める和泊町においては, 花き栽培などの集約的農業のために土地面積当たりの農薬消費量が日本全国の平均の3倍以上に達している. 同島において, 33地点の115の地下水サンプルの中の混入農薬(フェニトロチオン, ダイアジノン, プロチオホス, キャプタン)を分析した. 8地点の15サンプルからこれら4種の農薬のうちいずれかが検出された. この結果は, 日本においてもゴルフ場ばかりでなく集約的な農業のために施用される農業によって地下水が汚染される場合があることを示している. キャプタンは, 分析した農薬の中でも最も消費量が多いものであったが, 2サンプルからのみ検出された. これら2サンプルは, 集約的な花き栽培がより盛んな同町北東部からのものであった. フェニトロチオンとダイアジノンは年間を通じて様々な地点から検出された. さらに, 同町におけるこれら2種の農薬の消費量は異なる季節変動を示すにもかかわらず, 最も汚染されていた地点の一つについて, これら2種の農薬の検出濃度の比は毎回ほぼ一定であった. このことから, これらの農業は同島の地下水に比較的緩慢かつ継続的に浸透していくことが示唆される.