著者
田端 節子 飯田 憲司 木村 圭介 岩崎 由美子 中里 光男 鎌田 国広 広門 雅子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.111-115, 2008-04-30 (Released:2008-05-26)
参考文献数
12
被引用文献数
17 19

HPLCおよびLC/MS/MSを使用した同時分析法により,市販食品中のオクラトキシン(OT) A, Bおよびシトリニン(CIT)の低濃度(0.1 μg/kg)までの汚染実態調査を行った.また,一部の試料についてはアフラトキシン(AF)などのカビ毒についても調査を行った.その結果,157試料中,国産表示の2試料を含む44試料から0.11~4.0 μg/kgのOTAが検出され,カカオパウダー,インスタントコーヒーなどで検出率が高かった.OTBは,OTA含量が比較的高い試料から0.10~1.8 μg/kg検出された.また,穀類でOTAとCITおよびデオキシニバレノール,カカオでOTAとAFとの複合汚染が認められた.コーヒー豆中のOTAは約30%が抽出液に移行した.
著者
田端 節子 井部 明広 小沢 秀樹 上村 尚 安田 和男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.444-447_1, 1998-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
4
被引用文献数
10 14

1991年から1996年に東京都内で市販されていた食品及び食品原料, 2,047検体についてアフラトキシン汚染の調査を行った. ピーナッツ, ピスタチオナッツ, ハトムギ, 黒糖, 唐辛子, パプリカ, ナツメグなどから, アフラトキシンが, 痕跡量から128ppb検出された. 日本での規制値である10ppb以上のアフラトキシンB1が検出された検体は, ピーナッツ, ピスタチオナッツ, 唐辛子で, 合計5検体であった. 過去の調査結果と比較すると, そば, ナチュラルチーズのように過去の調査では検出されたが, 今回は検出されなくなったもの, ナツメグのように継続的に検出されるものがあった.
著者
田端 節子
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.129-135, 2008 (Released:2008-10-07)
参考文献数
40
被引用文献数
6 5

一般に,国内では,一部の地域を除きアフラトキシン汚染が起きる可能性は低いと考えられているが,ペニシリウム属のカビが産生するパツリンやフザリウム属のカビが産生するデオキシニバレノール等は,我が国の気候条件でも産生される.近年,これらのカビ毒の国内での汚染が注目され,詳細な汚染実態の把握と,防御対策の開発が急務となっている.今回は,国内で起きているカビ毒汚染の状況と,リンゴ等のパツリン汚染について,その汚染の傾向から防御の対策について述べる.国内での自然汚染が確実に普遍的に起きているカビ毒は,麦中のデオキシニバレノールとニバレノールとリンゴ中のパツリンである.国内で汚染が起きている可能性が高いものに,麦中のゼアラレノン,ブドウ中のパツリン,黒糖中のアフラトキシンがある.また,穀類等のオクラトキシン汚染も国内で起きている可能性がある.国産リンゴを原料として使用するジュース製造工場から腐敗・傷害のため廃棄されたリンゴについてパツリン汚染調査を行った結果,一部に高濃度のパツリンの自然汚染が起きていることが判明し,低温保存でも保存期間が長くなるとパツリン汚染が進む傾向が認められた.リンゴのパツリン汚染を防止するには,汚染が起きている場所を特定し,菌の排除を行うこと,傷の付いたリンゴは長期間保存せず,早く加工してしまうことも効果的であると考えられる.
著者
田端 節子
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.129-138, 2012-06 (Released:2013-10-08)
著者
田端 節子 飯田 憲司 木村 圭介 岩崎 由美子 中里 光男 鎌田 国広 広門 雅子
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.111-115, 2008-04-25
参考文献数
12
被引用文献数
1 19

HPLCおよびLC/MS/MSを使用した同時分析法により,市販食品中のオクラトキシン(OT) A, Bおよびシトリニン(CIT)の低濃度(0.1 μg/kg)までの汚染実態調査を行った.また,一部の試料についてはアフラトキシン(AF)などのカビ毒についても調査を行った.その結果,157試料中,国産表示の2試料を含む44試料から0.11~4.0 μg/kgのOTAが検出され,カカオパウダー,インスタントコーヒーなどで検出率が高かった.OTBは,OTA含量が比較的高い試料から0.10~1.8 μg/kg検出された.また,穀類でOTAとCITおよびデオキシニバレノール,カカオでOTAとAFとの複合汚染が認められた.コーヒー豆中のOTAは約30%が抽出液に移行した.