著者
田端 節子 井部 明広 小沢 秀樹 上村 尚 安田 和男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.444-447_1, 1998-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
4
被引用文献数
10 14

1991年から1996年に東京都内で市販されていた食品及び食品原料, 2,047検体についてアフラトキシン汚染の調査を行った. ピーナッツ, ピスタチオナッツ, ハトムギ, 黒糖, 唐辛子, パプリカ, ナツメグなどから, アフラトキシンが, 痕跡量から128ppb検出された. 日本での規制値である10ppb以上のアフラトキシンB1が検出された検体は, ピーナッツ, ピスタチオナッツ, 唐辛子で, 合計5検体であった. 過去の調査結果と比較すると, そば, ナチュラルチーズのように過去の調査では検出されたが, 今回は検出されなくなったもの, ナツメグのように継続的に検出されるものがあった.
著者
井部 明広
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.114, no.5, pp.248-257, 2019 (Released:2019-10-11)
著者
半田 彩実 川鍋 ひとみ 井部 明広
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-6, 2020-02-25 (Released:2020-04-24)
参考文献数
15

ぬか漬には,不揮発性アミン類であるヒスタミン(Him)およびチラミン(Tym)を含有するものがあり,これらは発酵過程中に微生物が関与し生成されたと推察される.そこで,HimおよびTymを含む市販のキュウリのぬか漬からHimおよびTym産生菌の探索を試みたところ,それぞれ産生菌を単離し,Him産生菌はRaoultella ornithinolytica,Tym産生菌はLactobacillus curvatusと同定した.これらの産生菌をぬか漬の原材料である米ぬかを含む培地中でそれぞれ培養したところ,それぞれの培地中からHimおよびTymの産生が認められた.しかし,各産生菌がぬか漬中に存在しても,必ずしもHimおよびTymが産生されるわけではなく,ぬか漬製造において,その産生量は前駆アミノ酸の量や共存する他の細菌によって影響を受けることが示唆された.
著者
小林 麻紀 高野 伊知郎 田村 康宏 富澤 早苗 立石 恭也 酒井 奈穂子 上條 恭子 井部 明広
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.35-40, 2007-04-25 (Released:2008-04-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

1995年4月から2005年3月に東京都内で市販されていた玄米を中心とした国産米および輸入米375検体について残留農薬調査を行った.その結果,国産米では343検体中47検体から,有機リン系,有機塩素系,カルバメート系,ピレスロイド系,含窒素系農薬および総臭素が検出された.輸入米では32検体中18検体からジクロルボスおよび総臭素が検出された.農薬を検出した米について国民栄養調査の食品群別摂取量から農薬の摂取量を算出し,おのおののADIと比較した.算出された農薬の摂取量はADIの17/10,000∼2/5といずれも低く,通常の喫食状況からみて特に問題となるものはなかった.
著者
井部 明広 西島 基弘 斉藤 和夫 安田 和男 上村 尚 永山 敏廣 牛山 博文 直井 家壽太 二島 太一郎
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.334-341_1, 1984
被引用文献数
6

食品中のオクラトキシン (OCT) A及びBの分析法を検討した. 試料からメタノール-1%炭酸水素ナトリウム溶液 (1:1) で抽出後, エーテルに転溶した. 抽出物は15%含水シリカゲルカラムでクリーンアップ後, カラムに Finepak SILC<sub>18</sub>, 移動相にアセトニトリル-0.1%リン酸 (50:50), 検出器に蛍光を用いた高速液体クロマトクフフィー (HPLC) で測定した. 添加回収率は20,100ppb添加で87-101%であり, 定量限界は試料あたり約2.5ppbであつた. また, 確認法としてメタノール-硫酸によりOCTのメチルエステル誘導体を作製し, HPLCにより確認を行った. 本法を用い市販品171検体に適用したところ, らい麦粉15検体からOCTAをTrace-20ppbの範囲で検出した.
著者
藤川 浩 井部 明広 和宇慶 朝昭 諸角 聖 森 治彦
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.160-164, 2002-06-25
被引用文献数
1 1

以前報告した<i> P. corylophilum</i> による食品用離型油からの香粧臭生成の機構を解明するため,各種の炭素鎖長の食用油及びその構成成分からの本菌による揮発性物質生成を解析した.一般の食用油ではココナッツオイルからのみ香粧臭の生成が認められた.トリアシルグリセロール及び飽和脂肪酸からはその構成脂肪酸から1つ炭素数の少ないケトンとアルコールが主に生成された.揮発性物質が生成可能な炭素鎖長はトリアシルグリセロール及び脂肪酸でそれぞれC<sub>6</sub>-C<sub>11</sub>とC<sub>10</sub>-C<sub>11</sub>であり,前者の方が炭素鎖長の範囲が広かった.離型油からの香粧臭はトリアシルグリセロールとしてはC<sub>8</sub>-C<sub>10</sub>の構成脂肪酸から,脂肪酸としてはC<sub>10</sub>のものから生成したと推測された.また,短鎖脂肪酸及びそれらからなるトリアシルグリセロールでは,本菌の増殖と揮発性物質生成に抑制が見られた.