著者
文山 誠友 三木 陽平 大西 克彦 小枝 正直 登尾 啓史 埜中 正博
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.181-182, 2019-02-28

内視鏡下経鼻的手術は,脳下垂体腫瘍摘出するために鼻腔内に鼻腔鏡と手術器具を挿入し,蝶形骨洞(副鼻腔)及びその奥に存在するトルコ鞍を切開し,脳下垂体の底部から腫瘍の摘出を行う.この術式の利点としては開頭手術と比較した際に患者への負担が軽減されることである.一方,術者に対しては高度な技術が要求される.そこで,本研究では術者の負担軽減のため内視鏡下経鼻的手術におけるナビゲーションシステムの開発を検討している.本稿では,その中で内視鏡カメラ先端位置推定手法の検討を行った.実際に手術で用いられている鼻腔鏡を基に擬似内視鏡の作成を行い,作成した擬似内視鏡とOpenCVをベースとした軽量なARライブラリであるArUcoマーカを利用したカメラの先端位置推定の検討とシステム試作を開発した.
著者
登尾 啓史 浪花 智英 有本 卓
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.403-413, 1989-10-15 (Released:2010-08-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 4

移動ロボットの実際的な障害物回避経路を高速に生成するアルゴリズムを提案する. このアルゴリズムは, 作業空間を上から撮影した実画像から効率的に作成されるクワッドツリーというモデル上で機能するので, 作業空間の障害物の配置の変化に柔軟に対応できる. また, クワッドツリーは作業空間のすべての領域を位置に関して階層的に管理しているので, 移動ロボットより小さな領域を探索しないようにすることによりロボットと障害物の干渉を調べなくても障害物回避経路が生成できる.膨大な個数のノードを保持するクワッドツリーを直接的に探索して障害物回避経路を選択すると計算時間がかかる. そこで本研究では, クワッドッリー上にノード数を小さくおさえたパスグラフを展開し, それを探索することで間接的に障害物回避経路を選択し, アルゴリズムを高速化する. 最後に, この高速性を従来の経路生成アルゴリズムとの比較で実験的に確認する.
著者
登尾 啓史 宮崎 文夫 平井 慎一 北嶋 彰 吉田 晴行 大西 克彦
出版者
大阪電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

近年、医療事故などの理由で、医学や歯学の初学者が手術オペレーションを訓練する機会が著しく減少している。この問題を解決するため、我々はコンピュータが創り出す複合現実感の世界で、医学や歯学の手術シミュレーションが実施できるよう、筋肉や骨のモデルを構築し、その視覚や触覚のリアリティを評価した。この評価には、力センサや高速度カメラを用いた計測による評価、および歯科医師による体感評価を利用した。
著者
登尾 啓史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1013-1021, 1992-08-15
被引用文献数
11

ロボットを知能化するための課題のひとつに 障害物を回避しながらゴールまで自律的に到達する機能を移動ロボットに持たせることがあるこれは洗練されたパスプランニングアルゴリズムを設計することで実現できる本稿では 未知空間 すなわち障害物の位置や形状が全く判らない作業空間において機能するパスプランニングアルゴリズムを設計するための十分条件を提案する移動ロボットは基本的にゴール方向へ直進するが もしそれが障害物によって妨げられたなら その周囲を時計回りか反時計回りに辿るそして ゴール方向に向って直進できるうえ ゴールへ単調に接近できるところから障害物を離れ 再びゴール方向へ直進するこれが移動ロボットを確実にゴールへ到達させる十分条件である障害物に妨げられない限り移動ロボットはゴール方向に向かって直進するので 障害物から離れるところが単調にゴールへ接近するなら 移動ロボットが衝突できる障害物やその周囲の領域も単調に減少し 最終的にそのようなものは作業空間には存在しなくなり移動ロボットはゴールへ到達するこの十分条件にもとづいたアルゴリズムを利用すると 障害物と接触しているかどうかというローカルな情報のみを頼りに移動ロボットは障害物を回避し確実にゴールへ到達できる