著者
山中 美和子 眞下 苑子 砂川 憲彦
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-10, 2022-10-31 (Released:2022-11-19)
参考文献数
26

本稿では,過去に国内外で公表された15編のスポーツ外傷・障害および疾病調査に関する共同声明の内容をスポーツ外傷・障害および疾病の定義,発症(受傷)様式・発症(受傷)メカニズム,発症歴,そしてリスクの評価の観点でまとめた.調査を計画する際に過去に標準化された手法や定義を参考にして調査の目的に応じた方法論を決定することで,比較・統合可能な信頼性の高い疫学データの蓄積につながる.
著者
眞下 苑子
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.11-18, 2022-10-31 (Released:2022-11-19)
参考文献数
38

スポーツ外傷・障害・疾病調査システムは,継続的で質の高い外傷・障害・疾病データを記録するために有用である.世界では,15のスポーツ外傷・障害調査システムがあり,その多くがエリートまたはプロスポーツで運用されている.一方,日本では5つのスポーツ外傷・障害調査システムが運用されているが,保険金給付や見舞金制度をベースにしたものが多く,全国的にスポーツ現場で運用されているシステムは確認されていない.
著者
砂川 憲彦 真鍋 知宏 半谷 美夏 細川 由梨 奥脇 透 広瀬 統一 中山 晴雄 武冨 修治 笠原 政志 眞下 苑子 増島 篤
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.155-171, 2022-04-30 (Released:2022-06-05)
参考文献数
43

一般社団法人日本臨床スポーツ医学会および一般社団法人日本アスレティックトレーニング学会は,スポーツ外傷・障害調査の標準化に向けた有識者によるワーキンググループ(WG)を2020年12月に立ち上げ,本邦のスポーツ現場の実態に即した調査の実施方法について検討した.WGではスポーツ外傷・障害および疾病調査が国内の大学スポーツ現場において前向きに実施されることを想定し,基本項目についてノミナル・グループテクニックおよびデルファイ法を用いて検討した.その結果,記録者の属性,調査対象の定義,記録項目,疫学データの表現方法,収集されたデータの取り扱いに関する留意事項などに関する全8つの推奨文をまとめた.
著者
眞下 苑子 吉田 成仁 森脇 龍 竹上 綾香 藁科 侑希 永井 智 大西 信三 白木 仁
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.79-89, 2021-02-01 (Released:2021-01-13)
参考文献数
41

The purpose of this study was to investigate the injury patterns and risk factors of injuries among high school handball players in Japan. A total of 1299 (709 male and 590 female) subjects who played in the 2018 Japanese National High School Handball Championship participated in this study. The questionnaire on injury experience was distributed two weeks before the championship and was collected at the representation meeting the day before the championship. The main results were as follows: 1) The subjects (n=625, 48.1%) reported experiences of injuries in the previous year. Female had significantly more suffer injuries than male. 2) The main body parts of injuries were the ankle, knee, and finger in traumatic injuries and the lower leg, lumber spine/lower back, and knee in overuse injuries. The main types of injuries were sprain, ligamentous rupture, and fracture in traumatic injuries and stress fracture, other bone injuries, and lesion of meniscus or cartilage in overuse injuries. The main cause of injuries was “contact with another athlete”. 3) Age, female players, and back players were associated with increased the occurrences of injuries. Goalkeepers were associated with decreased the occurrences of injuries. These results indicated that a high prevalence of injuries in high school handball players, and it is important to take preventive measures based on age, gender, and player position.