著者
織原 彦之丞 酒見 泰寛
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

東日本大震災に付随する福島第一原子力発電所事故に伴う放射能による環境汚染を検査するための測定系の開発がなされた。特に半減期が28.8年と長く、またγ線を出さずβ線のみによる放射能が問題となる90Srによる環境汚染の検査は重要視されている。放射線に対する社会的不安を払拭するためには、数時間で結果がわかり、100Bq/kg 以下の極微小の放射能濃度まで測ることが要求され、このため、2個の放射線検出器を同時に働かせてγ線とβ線を区別しβ線だけを測定しそのスペクトルをとる可搬型の装置を開発し極低バックグラウンド測定を行い、数時間の測定で数十Bq /kgの精度で食材などの放射能測定に成功した。
著者
小林 秀幸 酒見 泰寛 柴田 利明
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.385-388, 1996-12-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
15

物理学の様々な分野で応用されているイオントラップの原理を理解するために,円筒形の電極と矩形パルスの電圧を用いて簡易なPaulトラップを製作した。高電圧に帯電させた食塩水の液滴を空気中で捕獲し照明することによって微粒子の振舞を肉眼とビデオカメラで観察した。このイオントラップを用いた実験は,3年生の学生実験の課題となっている。
著者
笹尾 登 中野 逸夫 吉村 太彦 川口 建太郎 旭 耕一郎 酒見 泰寛 杉山 和彦 藪﨑 努 福山 武志 田中 実 志田 忠正 梶田 雅稔
出版者
岡山大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、新学術領域全体「原子が切り開く極限量子の世界」の目標達成を促進するため以下の活動を行った。総括班会議を定期的に開催し(総計21回開催)各計画研究の進行状況を監督、必要に応じて評価・助言活動を行った。また理論・技術面から領域全体の方向づけを行った。総括班の監督のもとに国際会議「Fundamental Physics using Atoms」を毎年開催し (第4から第7回)、そのプロシーディングスを発刊した。異分野の共同協力を更に推し進めるため、研究者ネットワークの発展拡大を図った。全ての成果をウエッブや紙・電子媒体を活用して、広く国内外へ発信した。
著者
寺川 貴樹 石井 慶造 古本 祥三 菊池 洋平 松山 成男 酒見 泰寛 山崎 浩道
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

陽子線治療と腫瘍血流遮断剤を併用する新規治療法の開発を目的とし,マウス固形腫瘍による治療実験を実施した.本研究の高精度照射のために、マイクロパターンガス検出器による新規ビームモニターの開発に成功し治療実験に用いた。治療効果を[18F]FDGと[18F]FMISOを用いた超高分解能PETと、腫瘍増殖遅延測定から評価した。その結果、単回併用治療において、腫瘍増殖遅延に相加的効果があるだけでなく、腫瘍中心部の広範囲に細胞死が誘発されたが、腫瘍の辺縁部に低酸素状態を含む腫瘍細胞の生存領域が認められた。よって、単回治療後の2回目の併用治療が腫瘍細胞を完全に死滅されるために必要であることが示唆された。