著者
柿本 正憲 西田 友是 苗村 健 原島 博
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.369-375, 2010-07-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
15

グレア効果はゲームやエンタテインメントにおけるCG特殊効果技術として広く使われている.本稿では,実世界で起こるグレア現象をより忠実に再現するレンダリングを行い,グレア効果のランプ設計分野への応用を提案する.人間の眼で起こる回折現象をシミュレートし,光源の波長特性(分光分布特性)を反映したグレアのパターンをテンプレート画像として前計算する.レンダリング時には,光源の配光特性のシミュレーションまたは計測結果を元に見る角度に応じたHDR画像を生成しトーンマッピングを施し合成する.車のヘッドランプのような高輝度光源を人が見たときの実際の見え方を模擬し,グレアの影響評価に応用できる良好な結果を得た.
著者
柿本 正憲 土佐 尚子 森 淳一 真田 麻子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.383-384, 1992-02-24
被引用文献数
2

顔の実時間表情合成の研究が盛んだが、筆者らは人間の感情モデルを導入し、人間の音声に対して、CGで作った赤ちゃんの表情とCDからサンプリングした赤ちゃんの声によって応答するシステム「ニューロベビー」を試作した。ニューロベビーに対し人間がマイクを通して呼びかけると、その声の調子に応じてニューロベビーが反応する。例えば人間が楽して声を出すとニューロベビーは笑った顔と笑い声によって反応する。怒った声を出すとニューロベビーも怒った声で反応する。
著者
小島 啓史 竹内 亮太 石川 知一 三上 浩司 渡辺 大地 柿本 正憲 近藤 邦雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1886-1898, 2014-08-15

オーロラのCGアニメーションのために,オーロラ特有の複雑な運動を擬似的に再現する手法を提案する.これまで,オーロラを対象にしたビジュアルシミュレーションの研究が多く行われてきた.しかしながら,実際のオーロラのように分断したり,接続して再統合したりするような複雑な様子を再現できる研究は行われていない.本研究では,分布特性を考慮してオーロラの擬似的な分布を無数の点群で近似する.水平方向に広がる2次元平面上に,ひとつながりになるように複数の点を配置する.この点列に対して,オーロラの分断と再統合の現象を考慮した接続関係の変更処理を行う.点列を切断し一部を分離する処理を行うことで,ひとつながりのオーロラが分断して複数のオーロラになるような様子を再現する.分離した複数の点列が再び接続する処理を行うことで,分断したオーロラのひだが再統合することでひとつながりのオーロラを形成する様子を再現する.また,電磁場計算と流体計算を用いた運動モデルを構築し,ひだの運動を表現する.オーロラの2次元分布を変化させることでオーロラ特有の複雑な運動を再現する.さらに,オーロラの2次元分布をもとに発光過程の計算を行いオーロラの3次元分布を計算する.1/fノイズを用いることで揺らぎのある自然な分布を再現した.この3次元分布をスクリーンに射影し描画することでオーロラのCGアニメーションを生成する.
著者
柿本 正憲 土佐 尚子 森 淳一 真田 麻子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第44回, no.データ処理, pp.383-384, 1992-02-24

顔の実時間表情合成の研究が盛んだが、筆者らは人間の感情モデルを導入し、人間の音声に対して、CGで作った赤ちゃんの表情とCDからサンプリングした赤ちゃんの声によって応答するシステム「ニューロベビー」を試作した。ニューロベビーに対し人間がマイクを通して呼びかけると、その声の調子に応じてニューロベビーが反応する。例えば人間が楽して声を出すとニューロベビーは笑った顔と笑い声によって反応する。怒った声を出すとニューロベビーも怒った声で反応する。
著者
稲本 奈穂 柿本 正憲 高谷 優樹 榎本 暁人 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.42, pp.29-32, 2009-10-21

複数のカメラで撮影される実写画像から,立体視可能なスポーツコンテンツを生成する手法を提案する.従来,立体視用の実写コンテンツを生成するためには,キャリブレーションされた複数のカメラで被写体を撮影し,被写体のデプス情報を取得する必要があった.もしくは,表示ディスプレイと同じ視点数分のカメラを用意し,ディスプレイの視差に合わせて撮影を行う必要があった.それに対し本手法では,カメラ間の相対的な位置関係から,視点補間技術を用いて,立体視に必要な視点数分の画像を生成し,立体視画像の合成を行う.カメラのキャリブレーションを省力化できること,ソフトウェア処理にてディスプレイの個体差を吸収できることから,高効率かつ出力先を選ばない柔軟な立体視コンテンツ生成が可能となる.
著者
鎌田 浩作 石川 知一 竹島 由里子 柿本 正憲
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.183-184, 2016-03-10

近年、コンピューターグラフィックスの技術が向上したことにより、現実に近い表現が可能になっている。経年変化は現実に近いCGを制作するために重要な要素であり、経年変化の1つに金属による錆が挙げられる。錆は雨による水の付着、酸素量や流水の影響によって大きく変化し、モデルの形状と化学反応過程を考慮した錆の生成モデルは存在しない。本研究では、3D空間上で流体シミュレーションを行い3Dモデルと水の付着と流れを計算し、3Dモデルの表面上で進行する錆の様子をテクスチャ画像上で水の厚みと化学反応過程を考慮した錆の進行シミュレーションを行うことによって、現実で生成される錆に近い画像が得られることを確認する。
著者
井上 智皓 戀津 魁 柿本 正憲
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.113-114, 2020-02-20

自然現象のシミュレーションはコンピュータグラフィックスにおける重要な分野である.このうち,水の色に着目した研究は多くされているが,氷の色に着目した研究は少ない.本研究では氷の色に着目する.氷は,水分子の特性から赤い波長の光を吸収する.氷河や氷山が青みがかって見えるのはこの性質に由来する.また,氷の結晶構造に由来する光学現象も観察されている.本研究は,氷に関する様々な光学現象を包括的に扱うことで,より現実らしい氷のレンダリングを目指すものである.本稿では氷のスペクトル吸収特性に着目し,スペクトラルレンダリングによって氷の色の再現を行った.
著者
熱田 一仁 藤堂 英樹 柿本 正憲
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.147-148, 2017-03-16

宝石をCGで表現するという試みは以前から行われてきている。先行研究としてダイヤモンドや真珠、オパールを扱ったもの等がある。しかしながら、ブルームーンなどのある種の宝石が持つ構造色に起因する現象はあまり多く研究されていない。構造色をCGで表現することにより、宝石を動かした時の色の見え方の変化といった、写真では分かりにくい情報を伝えることが可能になる。本研究では、撮影画像を参考にして構造色の現象を推定し、光線追跡法を用いて再現することを試みた。
著者
茨田 将史 渡辺 大地 柿本 正憲
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2015-CG-161, no.23, pp.1-6, 2015-10-30

近年,漫画本の販売数は上昇傾向にある.図書館で書籍整理を行うロボットの開発が盛んに行われてきたが,図書館等の限定した環境下でしか行えず,背表紙に認識用のマーカやバーコードを貼る等の手間がかかる.また漫画本の背表紙は決まったフォントがなく,OCR 等での認識は難しい.本研究では SIFT 等の画像認識を用いて漫画本の背表紙を認識する.これにより認識用のマーカやバーコードを後付する必要をなくし,書籍整理機への応用を念頭に置いた認識を行うことでユーザの手間を削減した.
著者
仲田 将之 柿本 正憲 西田 友是
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2012-CG-147, no.5, pp.1-5, 2012-06-15

ウィンドシールド上の水滴の CG アニメーション手法は,レースゲームや自動車のシミュレータでの特殊効果としてすでに使用されている.これまでのアニメーション手法は,親水表面であるガラスを考慮して水滴が流れに沿って濡れ広がることを想定したものだった.一方,自動車分野ではワイパーに加えて撥水フロントガラスを使用してドライバーの視認性を改善する方法が普及してきた.撥水ガラスに付着した水滴の振る舞いは,普通の親水ガラスでのそれとは異なる.本論文では,フロントガラスの撥水性を考慮した水滴のリアルタイムアニメーション手法を提案する.提案法では各水滴を質点として記述し,動的撥水性や重力,空気抵抗などの外力を考慮してシミュレーションを行う.ガラス表面にはそれと同時に霧雨と同程度の粒径を持つ水滴が多数付着しており,しかもこのサイズの水滴は外力の影響を受けにくく静止しているため,一枚の画像として扱う.水滴の移動によって撥水表面が綺麗になる現象 (ロータス効果) も可視化する.本論文では,提案法に基づいて走行する自動車のフロントガラスに付着した水滴のアニメーションが可能なことを示す.
著者
仲田 将之 柿本 正憲 西田 友是
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.5, pp.1-5, 2012-06-15

ウィンドシールド上の水滴の CG アニメーション手法は,レースゲームや自動車のシミュレータでの特殊効果としてすでに使用されている.これまでのアニメーション手法は,親水表面であるガラスを考慮して水滴が流れに沿って濡れ広がることを想定したものだった.一方,自動車分野ではワイパーに加えて撥水フロントガラスを使用してドライバーの視認性を改善する方法が普及してきた.撥水ガラスに付着した水滴の振る舞いは,普通の親水ガラスでのそれとは異なる.本論文では,フロントガラスの撥水性を考慮した水滴のリアルタイムアニメーション手法を提案する.提案法では各水滴を質点として記述し,動的撥水性や重力,空気抵抗などの外力を考慮してシミュレーションを行う.ガラス表面にはそれと同時に霧雨と同程度の粒径を持つ水滴が多数付着しており,しかもこのサイズの水滴は外力の影響を受けにくく静止しているため,一枚の画像として扱う.水滴の移動によって撥水表面が綺麗になる現象 (ロータス効果) も可視化する.本論文では,提案法に基づいて走行する自動車のフロントガラスに付着した水滴のアニメーションが可能なことを示す.Animation of water drops on a windshield is used as a special effect in advanced driving games and simulators. Existing water droplet animation methods trace the trajectories of the droplets on the glass taking into account the hydrophilic or water-attracting nature of the glass material. Meanwhile, in the automobile industry, usage of hydrophobic glass windshields has recently been a common solution for the drivers'clear vision in addition to cleaning the water with wipers. Water drops on a hydrophobic windshield behave differently from those on a hydrophilic one. This paper proposes a real-time animation method for water droplets on a windshield taking account of hydrophobicity. Our method assumes each relatively large droplet as a mass point and simulates its movement using contact angle hysteresis accounting for dynamic hydrophobicity as well as other external forces such as gravity and air resistance. All of a huge number of still, tiny droplets are treated together in a normal map applied to the windshield. We also visualize the Lotus effect, a cleaning action by the moving droplets. Based on the proposed simulation scheme, this paper demonstrates the motion of the virtual water droplets on the windshield of a running vehicle model.