著者
柿本 正憲 西田 友是 苗村 健 原島 博
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.369-375, 2010-07-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
15

グレア効果はゲームやエンタテインメントにおけるCG特殊効果技術として広く使われている.本稿では,実世界で起こるグレア現象をより忠実に再現するレンダリングを行い,グレア効果のランプ設計分野への応用を提案する.人間の眼で起こる回折現象をシミュレートし,光源の波長特性(分光分布特性)を反映したグレアのパターンをテンプレート画像として前計算する.レンダリング時には,光源の配光特性のシミュレーションまたは計測結果を元に見る角度に応じたHDR画像を生成しトーンマッピングを施し合成する.車のヘッドランプのような高輝度光源を人が見たときの実際の見え方を模擬し,グレアの影響評価に応用できる良好な結果を得た.
著者
高山耕平 HenryJohan 西田友是
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.443-445, 2011-03-02

今日,実際の人物を対象とした顔検出システムは数多くの研究がなされている<br />が,実際の人物でない,アニメやマンガ等に登場するキャラクターを対象とした<br />ものは少ない.そこで本稿ではこのキャラクターを対象とした顔検出手法を提案<br />する.またこれらのキャラクターには著作権が存在するものがほとんどであるの<br />で,キャラクター画像を用いてデータベースを作成しそれを用いて顔検出を行う<br />といったことをせずに,キャラクターの特徴のみを用いて顔検出を行う.具体的<br />にはまず肌の色によって顔の候補を導き出し,それらが顔として確からしいかど<br />うかをあごを中心とした輪郭形状および目や髪の対称性の条件を用いて判断して<br />いく.
著者
石川 知一 Yonghao Yue 岩崎 慶 土橋 宜典 西田 友是
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2011-CG-144, no.7, pp.1-8, 2011-08-28

本稿では,磁性流体に注目する.磁性流体は,流体と磁性体の両方の振る舞いをし,この特性により,磁場に沿った 「スパイク状」 の形を生成する.磁性流体は,芸術作品として多用される.我々の目標は,磁性流体の芸術作品をシミュレーションすることです.しかしながら,磁性流体のスパイク形状は,完全に物理ベースの方法ではシミュレーションすることが困難であることが知られている.そこで,我々は SPH(smoothed particle hydrodynamics) 法と手続き型のアプローチを組み合わせた,視覚的にもっともらしい手法を提案する.結果として,磁力が印加されるときに磁性流体にスパイク形状が生成される様子をシミュレーションできることを示す.
著者
高山耕平 HenryJohan 西田友是
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.443-444, 2011-03-02

今日,実際の人物を対象とした顔検出システムは数多くの研究がなされている<br />が,実際の人物でない,アニメやマンガ等に登場するキャラクターを対象とした<br />ものは少ない.そこで本稿ではこのキャラクターを対象とした顔検出手法を提案<br />する.またこれらのキャラクターには著作権が存在するものがほとんどであるの<br />で,キャラクター画像を用いてデータベースを作成しそれを用いて顔検出を行う<br />といったことをせずに,キャラクターの特徴のみを用いて顔検出を行う.具体的<br />にはまず肌の色によって顔の候補を導き出し,それらが顔として確からしいかど<br />うかをあごを中心とした輪郭形状および目や髪の対称性の条件を用いて判断して<br />いく.
著者
陳炳宇 戴士強 蕭淳澤 西田友是
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.80, pp.49-54, 2008-08-15
参考文献数
16

本稿では、我々はユーザがモーション・データ付きの 3 次元キャラクタモデルを利用することによって 2 次元の絵の中でのキャラクタを 3 次元空間でアニメーションできるシステムを提案する。このスケルトン付きの 3 次元キャラクタ・モデルは、2 次元キャラクタのシルエットにフィティングされて、テンプレート・モデルとしで使用される。2 次元キャラクタ・イメージと 3 次元テンプレート・モデルの間に対応するポイントを指定する後、本システムはテンプレート・モデルをキャラクタ・イメージにフィティングする。さらに、キャラクタ・イメージのカラーとパターンをテンプレート・モデルのテクスチャとして転送する。最終的に、ユーザは、3 次元モーション・データを利用することによって、3 次元空間でフィティングされた 3 次元キャラクタ・モデルをアニメーションできる。我々のモデル・フィティング法はキャラクタ・モデルと剛体物とも適応できるので、2 次元の絵の中での静的な物体も 3 次元モデルに変換できる。In this paper, we present a system that allows the user to animate a character in a picture in 3D space by applying an existed 3D character model with motion data. The 3D character model with skeleton rigged is used as a template model to fit the silhouette of the character in the picture. After assigning some corresponding points between the 2D character image and 3D template character model, the system then fits the model to the image and transfer the colors and patterns of the image to the model as the textures. Finally, the user can apply any motion data to animate the fitted 3D character model in 3D space. Our model fitting algorithm is general to be used for character models and rjgid-body objects, so not only the character in the picture but also the static objects can be converted to be 3D models.
著者
中前栄八郎 多田村 克己 西田友是
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1077-1085, 1986-11-15
被引用文献数
1

本論文は 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を表示するための手法として 処理の速いスキャンラィン法を基本とし 局所的にレイトレーシング法を適用する手法を提案するものである.レイトレーシング法は 光の鏡面反射・屈折を考慮することが可能なことや 各種形状の物体を取り扱えるメリットがある一方 一般に探索する光線と物体との交点を求めるために膨大な計算時間を必要とする欠点がある.そこで 外接箱(bounding box)を用いてこの計算量を節減する手法が開発されている.しかし この手法は 光源数が増すにつれ 影の計算時間が大きな割合を占める欠点がある.これらの問題を解決し 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を高速に表示するために 次のような特徴を持つ手法を提案する.1)レイトレーシング法は鏡面反射や屈折を考慮する物体のみに適用する.この際 可視面(視点からの光線と最初に交わる面)は スキャンライン法によって容易に求められるから レイトレーシング法を適用する領域を容易に局所化することができる.2)レイトレーシング法を適用する際の視点からの光線の探索および形の処理に 外接箱と影空間(shadow volume)を用いる.これにより 計算点に他の物体が影を落とすか否かの判定を高速化できる.
著者
陳 炳宇 卓 聖堯 ジョハン ヘンリー 西田 友是
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.145-150, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

近年、詳細な高解像度の3次元動画モデルの使用に注目が集まっており、しかし、詳細な3次元動画モデルのデータ量は通常大きいので、ウェブブラウザあるいは携帯電話の画面上で表示することは難しい。また、多くの場合、高精度な3次元動画モデルを利用する必要があるとは限らない。普段の3次元モデルを簡略化する場合、たくさん有名な方法があるが、3次元動画モデルを簡略化する際、フレーム間のコヒーレンスを考慮していないので、動画モデルのあるフレームでアピールした特徴が簡略された可能性がある。本論文では、自動的に3次元動画モデルを簡略化する方法を提案する。簡略化する際、すべてのフレームで表示されたモデルを考慮した。
著者
ヘンリー ジョハン 橋本 良太 西田 友是
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.207-215, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
21
被引用文献数
5 12

近年,画像の加工を行うことが身近になりつつあり,絵画のような印象的な画像を生成する研究分野の重要性がますます高まっている.絵画の中でも水彩は淡い色調で柔らかい雰囲気をもっており,印象に残りやすい画風であると言える.本論文では,写真などの画像を入力とし,水彩風に変換された画像を生成する手法を提案する. 従来法では,水彩顔料の性質による色の塗りむらや色の重なりのような特徴をシミュレートすることに焦点が置かれる.それに対して,提案法では画家の描画技法をシミュレートするために水彩画はどうやって描かれるのかも考慮する.提案法では描画規則を用いて画家の描画技法を表す.幾つかの描画規則が用意され,またユーザーは独自の描画規則を指定することができる.これらの描画規則を用いて物体を描くためのストロークを生成する.描画技法をシミュレートするために,初めに入力画像内の物体を検出し,そして描画規則に従って各物体を描くためのストロークを生成する.生成されたストロークをサンプリング点で近似し,サンプリング点の色を周囲に拡散させることによって水彩顔料による特徴をシミュレートする.提案法を用いることで,ユーザーは水彩画風画像をインタラクティブに生成することが可能である.
著者
金森 由博 高橋 成雄 西田 友是
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.354-361, 2007 (Released:2011-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

点集合による形状表現は,従来の多角形メッシュと異なり,点同士の接続情報を用いずに大規模な三次元形状データを扱うことができるため,CGの分野において非常に有望とされている表現方法の一つである.点集合で表現された形状を描画するためには,通常サーフェルと呼ばれる円盤が広く用いられているが,サンプリング密度が不十分な領域では穴が生じてしまう.これを解決するため,本稿ではサーフェルを用いて曲面を表現する際に穴が生じないよう,アップサンプリングを行う手法を提案する.穴を埋めるために,提案法は各サーフェルの周囲の隙間を検出し,サーフェルを追加して隙間を埋める.提案法はサーフェルの重なりとユーザが指定したサーフェルの半径を考慮することによって,追加するサーフェルの数を少なく抑える.実験により,提案法が多重解像度(level-of-detail)の制御や対話的なモデリングなどに広く応用できることを示す.
著者
岩崎 慶 柳田 哲一 土橋 宜典 西田 友是
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 = Imaging & Visual Computing The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.515-522, 2004-08-25
参考文献数
12
被引用文献数
2

コンピュータグラフィクスによる景観表示において,空は欠かせない要素のひとつである.空の色をより写実的に表現したい場合,天空光の輝度計算を多重散乱まで考慮して行う必要があるが,この多重散乱の計算は非常に複雑であり,膨大な計算コストがかかってしまう.そこで本稿では,この複雑な計算を効率よく行うために,大気を仮想的な層(サンプリングシェル)に分割し,それらの層上での微粒子による散乱光の輝度分布を散乱マップと呼ぶテクスチャとして扱うことで,グラフィクスハードウェアを効果的に使用した手法を提案する.さらに,視点高度や太陽高度が変化した場合でも高速かつ少ない記憶量で画像を生成するため,特異値分解を用いた計算およびレンダリングの手法を提案する.
著者
Yonghao Yue 尾上 耕一 西田 友是
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13(2004-CG-118), pp.31-36, 2005-02-07

近年、写実的な3DCGのレンダリングは設計やバーチャルリアリティなどさまざまな場面において利用されている。大域照明は写実的なレンダリングにおいては必要不可欠であるため、いかに効率的に大域照明を計算するかは重要な問題の一つである。高画質なレンダリングではしばしばphoton map法とfinal gatheringを組み合わせた手法が使用される。本稿では、final gatheringで放射する光線をキャッシュすることにより、フレーム間のコヒーレンスを利用して高速化し、インタラクティブな速度で光源や視点を動かせることを示す。
著者
宮崎 玲 土橋 宜典 西田友是
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.33(2002-CG-107), pp.43-48, 2002-04-19

雲などの自然現象のシミュレーションはCGにおいて重要な研究分野の一つである。とりわけ雲は景観画像の作成において重要な役割を果たす。雲は大気流体を可視化したものと言えるので、リアルな雲を作成するには、流体シミュレーションに基づく手法が有効である。本稿では、乱流の渦による特徴的な形態の積雲・積乱雲のアニメーションを作成するために、大気流体をモデル化し、偏微分方程式の数値解析をベースとしたシミュレーション手法を提案する。
著者
岩崎 慶 土橋 宜典 西田友是
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.109(2002-CG-109), pp.41-46, 2002-11-22

コースティクスは光の集光発散によって生じる光学的効果である。コースティクスの表示に関する研究はいままでにいくつかなされてきているが、その複雑さゆえに計算コストが高いという欠点がある。近年、グラフィクスハードウエアの高性能化が急速に進んでおり、これを利用した写実的な画像生成の高速化の研究が盛んに行われている。そこで本研究では、水上から見た水中の物体にできるコースティクスをグラフィクスハードウエアを利用して高速に表示する手法を提案する。このとき、水面での視線の屈折を考慮する。提案法では、水中の物体の周辺に仮想的な平面を設定し、物体表面上のコースティックをこの平面を用いて計算し、テクスチャとして保持する。そして、リフラクションマッピングを利用することで水面における屈折を考慮する。
著者
池田英貴 西田友是 楽詠こう
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.113-114, 2012-03-06

本論文では, すすを従来より正確に考慮した物理ベースの燃焼現象のモデルを提案する. 従来の火炎現象のモデルは二つの大きな問題点を持っていた. 第一に, 従来法では炎と煙の物理モデルが異なっていたため, 炎から煙が自然に生じるシーンを描画する際に, 恣意的なパラメータ操作が必要であった. 第二に, 従来法ではレンダリングの際に必要となる光学パラメータの求め方が不正確であったため自然さが損なわれていた.そこで本論文では, すすの物理的機構を従来法よりも厳密にモデル化することによって, 炎と煙の両者を統一的に扱い, より正確に燃焼現象をレンダリングできる手法を提案する.
著者
高山耕平 HenryJohan 西田友是
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.673-674, 2012-03-06

画像や映像の中にある人物の顔の特徴がどのようなものか,もしくはその顔が誰であるのかを自動で求める顔認識システムについては数多くの研究がなされてきた.しかし,実際の人物でない,アニメやマンガ等に登場するアニメキャラクターを対象とした顔認識は少ないといえる.そこで本稿ではこのアニメキャラクターを対象とした顔認識手法を提案する.まず,画像や映像の中にある顔の位置を肌の色やあごの形状,対称性といった特徴を用いて検出する.次に求めた顔領域から髪や目の色や形状といった特徴を抽出する.そしてこれらの抽出した特徴を他の顔から抽出した特徴と比較しどの程度類似性があるのかを判断していく.
著者
西田 友是
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2015-CG-161, no.22, pp.1-7, 2015-10-30

コンピュータグラフィックスの研究が始まり 50 年が経過した.著者はこの分野の萌芽期の 1970 年から研究を開始し,隠面消去や陰影処理などの基礎的な研究からはじめ,照明効果から自然物の表現,NPR など広範囲の研究に携わった.本年度の SIGGRAPH ASIA での Pioneers Panel (CV,VR,CG各分野のパイオニア) のパネリストの 1 人が,西田の CG 画像は 「照明効果のみでもリアリティを表現してるので感激した」 と数年前言ってくださったのがヒントなり,物体の複雑さのみでなく半影や相互反射など照明モデルのリアリティへの挑戦を講術する.特に,筆者がパイオニアである光源の種類による半影,相互反射計算,粒子による散乱による光跡 (ボリュームライト),天空光のような環境光源など CG の技術要素を紹介する.
著者
芳賀 俊之 西田友是
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.89(2001-CG-104), pp.13-16, 2001-09-13

市販の画像編集ソフトには、画像に対して各種の効果を付加する機能があり、“ステンドグラス化”もその一つである。しかし、その結果は十分満足できるものではない。そこで、ボロノイ図を用いてステンドグラスの各領域を表現し、自動的にステンドグラス風画像の生成を行う手法を提案する。提案法は、大きく二つのプロセスから成り、1) 単純な操作の組み合わせにより、入力画像の特徴(輪郭等)を表現した、ボロノイ領域の生成を行うモデリングプロセスと、2) 得られた母点やボロノイ辺の情報から、よりステンドグラス風な画像を生成するレンダリングプロセスである。また、グラフィックスハードウェアを利用することで、効率的な画像生成を可能にした。