著者
磯山直也 ウォーリー木下 出田怜 寺田努 塚本昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.168-179, 2014-09-12

本稿は,参加型演劇YOUPLAYの概要,システム構成,公演を通じての考察について報告する.YOUPLAYとは,一般の参加者が演者となり,決められた物語の中で役を演じる舞台となっている.舞台は床一面壁一面に映像が投影されており,舞台の天井にカメラを仕込んだり,参加者がセンサを身に着けることによって,映像や音声がインタラクティブに変化し,参加者は物語の中に没入して演じることができる.YOUPLAYはこれまでにYOUPLAY Vol.0(03/20–24,2013)とYOUPLAY Vol.1(11/16–24,2013)の2度,大阪梅田のHEP HALLにてそれぞれ全40公演ずつ行なっており,参加者の様々な反応を見ることができた.参加者からは自由記述のアンケートも得ており,「楽しかった」「またやりたい」などといった感想が多く見られた.
著者
磯山直也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-153, no.6, pp.1-8, 2013-05-17

近年,インタラクティブシステムのためのユーザ行動認識手法が多数提案されている.情報提示システムがインタラクティブになることで,観客はシステムを自らの体で経験して楽しむことができ,システム提供者もより豊かな表現をすることができる.ユーザ行動には様々なものがあるが,システム設置の制限などの理由により,既存のシステムは特定のアクションの認識に特化しているものがほとんどである.本稿では,平面に複数の加速度センサを装着することで,行われたアクションの位置や強さを認識する手法を提案する.小型の加速度センサのみでシステムを構成することにより,デバイスが目立たずに,汎用的に設置することが可能である.これまでに2度の長期的なメディアアートでの使用を通じて,提案手法の有用性を確認した.
著者
内田 昂 磯山 直也 Guillaume Lopez
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.876-879, 2017-06-21

我々は物事に集中して取り組む能力として「集中力」という言葉を用いることがあるが,集中力は様々な要素が含まれることから定量化することができず,無意識下に変化する集中状態を常時把握することも困難である.集中状態を推定する手法として体動情報や生体情報を用いたものが提案されてきたが,双方を同時に用いた集中状態の推定は未だ行われていない.そこで,本研究では従来研究で用いた体動情報に加え,生体情報として脈波を使用した単一デバイスによる集中状態の推定手法を提案する.本手法を用いることで,自身の作業態度を振り返り,作業環境などを省みる機会を与えることができる.勉学中のデータを使用した教師あり学習を行い,学習結果に対し交差検証を行った結果,推定に十分な精度を得ることが出来た.また,集中状態評価を複数人で行うことで85.5%の精度を得ることができ,本手法が有効であることを確認した.
著者
磯山 直也
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2018-EC-49, no.1, pp.1-2, 2018-08-21

「帰るまでが遠足ですよ」 これは誰しもが聞いたことがあるフレーズである.このフレーズは遠足で浮かれた足では危険なので,無事お家に帰ることが大事であること,帰ってから遠足のことをご両親に話してね,といった意味合いまで含んでいると考えられる.遠足におけるエンタテインメント性について,帰り道に余韻に浸ること,楽しかったことをシェアすることも大事であることが受け取れる.これは遠足以外のあらゆるエンタテインメントに当てはまるのではないかと考える.エンタテインメント現場での楽しさに重きがおかれることが多いが,その後について検討する.
著者
袴田 はるか 磯山 直也 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2018-EC-47, no.5, pp.1-8, 2018-03-09

覚えておかなければならない数字列を覚える際に,数字語呂合わせと呼ばれる手法がよく用いられる.しかし,既存のツールでは自分と関連のある事柄や,意味を他と関連づけた事柄はより記憶に残りやすいのに対し,そのような事柄と関連した数字語呂合わせは生成できない.そこで本稿では,語呂合わせに使われている単語間の類似度を計算することで,関連付けたい事柄との関連度に着目した数字語呂合わせの自動生成システムを提案する.実装したシステムを用いて生成された数字語呂合わせの有用性について,評価実験を行った.実験の結果,4 字程度の短い数字列に対しては,提案システムにより生成された語呂合わせが高順位となることが分かった.
著者
磯山 直也 寺田 努 ロペズ ギヨーム
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1769-1775, 2016-07-06

音声を用いた情報提示は,スピーカなどを用いて大衆へとアナウンスしたり,個人ではイヤホンなどの小型デバイスによりハンズフリーで利用したりでき,他の作業への影響が小さいことから,情報提示方式として有効な手段である.しかし騒音などの周辺状況の影響を受けやすく,ユーザが提示情報を聞き取れない場合が多い.単に音量を大きくするだけでは,他の周囲の音声が聞き取れなくなる可能性が高くなり,不必要に大きいことでユーザが不快感を得る.そこで本研究では,音声情報に視覚情報を加えることにより聞き取りやすくなる情報提示手法を提案する.提案手法では,HMD 上に取得したい音声とリップシンクしたアニメーションを見せることで,音声を聞き取りやすくなることを狙う.本稿では,2 種類の視覚情報が与える影響についての実験を行ない,提案手法において聞こえやすくなる被験者が多く見られることを確認した.
著者
磯山 直也 木下 晶弘 出田 怜 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.2151-2164, 2015-11-15

本稿は,参加型演劇YOUPLAYの概要,システム構成,公演を通じての考察について報告する.YOUPLAYとは,一般の参加者が演者となり,決められた物語の中で役を演じる舞台である.舞台は床と壁1面に映像が投影されており,舞台天井に設置されたカメラや参加者が身に着けたセンサの情報によって,映像や音声がインタラクティブに変化し,参加者は物語の中に没入して演じることができる.YOUPLAYはこれまでにVol.0(03/20-24, 2013)とVol.1(11/16-24, 2013)の2度,大阪梅田のHEP HALLにおいてそれぞれ40公演ずつ行っており,参加者の様々な反応を見ることができた.センサを一般人に装着させることでインタラクティブな表現をアドリブ演劇に取り入れることができたが,それにともなうトラブルも多く発生した.本稿では,参加者から得られた感想やトラブルの発生とその対処を含め,インタラクティブシステムのデザインについて議論する.
著者
磯山直也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.1-6, 2012-07-07

近年,インターネットの普及等により情報過多が問題視されており,適した情報をすぐに取得することや重要な情報を見落とさないことが困難になっている.一方,ウェアラブルコンピューティングシステムへの注目とともに,ユーザの行動や状況を認識し,状況に合わせて適切に情報を提示する手法が数多く提案されている.このようにユーザはいつでもどこでも情報を閲覧することが可能となってきているが,提示情報以外の情報取得を補助することや,実世界上の偶然的な出来事に気付くことのできるようなシステムはこれまでに存在していなかった.本研究では,先行する事柄が後の事柄に影響を与えるというプライミング効果を利用し,ユーザの関心事に関連する視覚情報を常時閲覧させることにより,無意識的に特定の情報に気付きを与えるシステムを提案する.本稿ではまず,聴覚情報を取得することに対する視覚情報の補助的効果について予備調査を行なった.予備調査の結果から視覚情報を与えることによって,聴覚情報取得において影響があるユーザがいることを確認した.また,ユーザが関心事に関する視覚情報が得られるよう,画像や動画を提示するシステムを実装した.