著者
神崎 真哉
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.328-330, 2016-07-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
14
被引用文献数
4 15
著者
神崎 真哉 井上 紘一 宇都宮 直樹 矢野 正善
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-7, 2013 (Released:2013-04-01)
参考文献数
20
被引用文献数
4

本研究では7種類のモミジSSRマーカーを開発し,それらを用いてモミジ園芸品種107品種の多様性解析を行った.全部で87個の対立遺伝子が検出され,遺伝子座当たりの対立遺伝子数は4~25個,平均12.43個となった.ほとんどの品種で独自のSSRプロファイルを持っており,品種識別マーカーとしての有効性が確認された.7遺伝子座すべてで同一のプロファイルを示したグループもいくつかあったが,それらは枝変わりや異名同種であると考えられた.主成分分析の結果,供試した107品種はイロハモミジ系品種群(Palmatumグループ)とオオモミジ・ヤマモミジ系品種群(Amoenumグループ)の2つのグループに分けられた.AMOVAによりこれらのグループ間の変異は有意であることが示された.また,園芸品種においては,オオモミジ系品種群とヤマモミジ系品種群を明確に区別することはできないことが示された.以上の結果より,イロハモミジ系品種の多くはオオモミジ・ヤマモミジ系品種とは離れて独自に発達してきたのに対し,モミジ園芸品種においてはA. amoenumの2つの変種を遺伝的に区別することはできないことが示された.
著者
本勝 千歳 稲田 真梨江 湯地 健一 戸敷 正浩 黒木 重文 神崎 真哉 鉄村 琢哉
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.27-34, 2012 (Released:2012-01-20)
参考文献数
38
被引用文献数
7 9

マンゴーはこれまで偶発実生からの優良系統の選抜によって品種が育成されてきたが,望ましい形質を持った個体同士の交雑による計画的な育種が今後行われる必要がある.しかしながら,マンゴーの花は 1 cm 以下で非常に小さく,また結実率も低いため,人工受粉による十分な数の交雑後代の獲得が困難であった.そこで,日本の独特なマンゴー栽培様式(閉鎖的な温室内での栽培,ミツバチ導入による自然交配)を利用して,‘アーウィン’と‘紅キーツ’の二品種を導入した温室内で,まずミツバチにより自然交配させた後,得られた実生を SSR マーカーによって花粉親を識別することによって,効率的に交雑後代が獲得できるのではないかと考え,その検証を行った.その結果,‘アーウィン’では 239 個体の実生が得られ,そのうち 185 個体で花粉親を判別することができ,他家受粉果は 106 個体,自家受粉果は 79 個体であった.‘紅キーツ’では 20 個体の実生が得られ,そのうち 14 個体で花粉親を判別することができ,他家受粉果は 12 個体,自家受粉果は 2 個体であった.‘アーウィン’実生で判別された花粉親の比について,温室内での両品種の花房数を期待比としてカイ二乗検定を行ったところ,積極的に他家受粉が起こっていることが示された.また‘アーウィン’について判別された花粉親に基づき,花粉親が果実形質に及ぼす影響について調査したところ,‘アーウィン’自家受粉果では Brix 値が有意に高くなったが,果皮色に関するいくつかの値で他家受粉果より低い値となった.
著者
神崎 真哉
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、マンゴーの花成制御因子とされるMiFTの発現様式を解析し、環境要因や樹体要因がMiFTの発現と花芽形成に及ぼす影響を調査するとともに、MiFT以外の花成関連遺伝子を単離して解析することを目的として行った。その結果、MiFTの発現増加には15℃以下の低温に約130時間遭遇すれば十分であることが示された。また、葉齢によってMiFTの発現量が異なることも明らかとなった。一方、MiFT以外の花成関連遺伝子として、低温遭遇前後で発現量が変動する候補遺伝子をいくつか得ることができ、現在解析を進めている。
著者
脇坂 勝 杉村 輝彦 石森 朝哉 神崎 真哉
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.427-432, 2009 (Released:2009-10-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

カキ(Diospyros kaki Thunb.)当年生台木を用いた幼苗接ぎ木法を開発するため,接ぎ木時期や台木の状態が活着率と苗の生育に及ぼす影響について検討した.加温施設下で播種110~195日後の当年生ポット台木を用いて4~8月に接ぎ木を行った結果,いずれの時期にも接ぎ木が可能であることが明らかとなった.カキ‘法蓮坊’実生台木に葉を残した状態で4~7月に幼苗接ぎ木を行うと,葉を残さないものに比べ,活着率は高くなった.台木に葉を残すもしくは残さない状態で接ぎ木を行った個体について,光学顕微鏡にて癒合部における組織やカルス形成の状態を観察すると,葉を残した台木の場合,接ぎ木20日後には穂木が発芽していない個体も含めたすべての個体でカルスが形成されたのに対し,葉を残さない台木に接いだ場合にはカルスを形成した個体の割合は低かった.以上の結果より,ポット育苗の当年生実生台木を用いた接ぎ木は,4~8月に台木に葉を残して行うと活着率が高くその後の生育もよいことが示された.
著者
米森 敬三 佐藤 明彦 山根 久代 神崎 真哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

日本のカキの甘渋性を決定するAST遺伝子の単離を目的として、カキ(六倍体)の二倍体近縁野生種マメガキから作製したフォスミド・ライブラリーを用い、AST遺伝子マーカー領域をプローブとしてシードクローンを単離後、コンティグを構築した。さらに、マメガキのBACライブラリーを構築し、BACクローンを用いたコンティグも作製した。これらのコンティグ内にはAST遺伝子が存在している可能性が高く、AST遺伝子単離の実現性が大きく前進した。さらに、中国タイプの甘渋性を決定するPCNA遺伝子の単離においても、マメガキのBACクローンが有効である可能性が示され、CPCNA遺伝子単離のための方向性が示された。