著者
笹野 凪 鈴木 秀和 長田 敬五 神谷 充伸
出版者
植物研究雑誌編集委員会
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.98, no.2, pp.71-76, 2023-04-20 (Released:2023-04-22)
参考文献数
23

淡水域~汽水域に生育する底生羽状珪藻クチビルマガイケイソウ属(フナガタケイソウ科) のSeminavis strigosa (Hustedt) Danielidis & Economou-Amilli の生細胞と被殻微細構造を光学および電子顕微鏡を用いて観察し,葉緑体の形態と配置や殻微細構造の詳細な記載を行い,帯片構造に関する新知見を得るとともに,近縁種との形態学的相違点を明確にした.さらに,先行研究の観察結果をもとに,以下のi ~iii の属ランクの新たな分類形質を提案した.i) 2 つの葉緑体のうち, 腹側の葉緑体は棒状で,背側の葉緑体は板状である.ii) 殻内面の縦溝極末端は蝸牛舌状をなす.iii) 腹側軸域内面に発達した修飾肋をもつ.
著者
芹澤(松山) 和世 金原 昂平 米谷 雅俊 渡邊 広樹 白澤 直敏 田口 由美 神谷 充伸 芹澤 如比古
出版者
富士山科学研究所
雑誌
富士山研究 = Mount Fuji Research (ISSN:18817564)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-6, 2015

緑藻シオグサ目のフジマリモは富士五湖のうち山中湖、河口湖、西湖の 3 湖ではその生育が確認されているが、精進湖と本栖湖では未確認であった。しかし、西湖・精進湖・本栖湖はもともとひとつの湖であったものが富士山の噴火により分断されてできた湖なので、精進湖や本栖湖にもフジマリモが生育している可能性が高い。そこで、本研究では精進湖と本栖湖にフジマリモが生育しているか否かを確認することを目的に採集器や潜水による調査を行った。その結果、2012 年 6 月に精進湖の水深 2 〜 5 m で、2013 年 11 月に本栖湖の水深 17 〜 22 m でマリモ属様の糸状緑藻を発見した。顕微鏡観察を行った結果、藻体には枝と不定根が認められ、細胞内部には円盤状の葉緑体や多裂型のピレノイド、複数の核が確認された。これらはマリモ属の特徴に一致し、細胞の大きさと形、産地などから、本種をフジマリモと同定した。また、リボソームDNA の塩基配列(ITS 1 - 5 . 8 S-ITS 2 領域)は既知のマリモの配列とほぼ一致した。したがって、本研究により精進湖と本栖湖にもフジマリモが生育していることが明らかになった。
著者
中西 良孝 服部 育男 田川 光梨 高山 聡子 高山 耕二 神谷 充 佐藤 健次
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.209-211, 2012
参考文献数
3

従来,VBN濃度は微量拡散法や水蒸気蒸留法などの滴定法によって測定されてきたが,最近,飼料中の硝酸態窒素濃度や土壌中のアンモニア態窒素濃度を測定する場合に電気化学的検出法であるイオン電極法(以下,本法)が適用可能であり,土壌のアンモニア態窒素濃度測定においては分析時間が比色法よりも短縮することが報告されている。したがって,飼料中のVBNについても本法による分析が可能と考えられるが,滴定法の代替法としての可能性を追究した報告はない。そこで本研究では,発酵TMRおよびサイレージ中のアンモニア態窒素濃度を簡易に測定するための方法を開発することを目的とし,微量拡散法および本法による測定値間の相関関係を明らかにし,本法が滴定法の代替法となり得るかどうかを検討した。
著者
神谷 充伸 WEST John A.
出版者
公立大学法人福井県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

世界各地から単離された広塩性紅藻セイヨウアヤギヌについて遺伝子解析と交雑実験を行った結果、以下のことが明らかになった。(1)異なる系統群で何度も無配生殖化が起こった;(2)解析した無配生殖株の7割以上はヘテロ接合体(フロリダとオーストラリアの株は異質3倍体);(3)遺伝子型がホモの無配生殖株は有性生殖を行うことがある;(4)遺伝的に分化した有性生殖株の間で交雑を行った場合、F_1胞子体が無配生殖化する場合がある。