著者
佐藤 健次
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.545, 2017 (Released:2018-04-19)

CERNのLEPは電子・陽電子の衝突型加速器で、1989年に運転が開始されたが、運転当初から、偏向電磁石の磁場の奇妙な変動に悩まされていた。1995年になって、この磁場変動は、電車がジュネーブ駅を発着するときに発生することが判明した。ただし、ジュネーブ駅には、フランス国鉄の直流電車TGVと、スイス国鉄の交流電車CFFとが発着するが、磁場変動は前者の電車で発生していた。両者の違いは、コモンモードノイズは、直流電車で大きく、交流電車では小さいことで説明される。
著者
佐藤 健次 佐藤 達夫
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.515-529, 1981 (Released:2009-06-05)
参考文献数
18
被引用文献数
13 7

術後機能障害を最小限にとどめた直腸癌手術術式の開発に資する基礎的研究として,実習死体において陰部神経叢と骨盤神経叢の構成と分布形態の精査を試みた.陰部神経叢の枝は,起始位置から内側群(第1群)と外側群(第2群)とに分けられ,両群ともに所属神経の問に層的構成が認められる.骨盤内臓神経は内側群の最腹側に位置する神経である.外肛門括約筋の主要支配神経は下直腸神経と会陰神経であり,後端部にのみ第4仙骨神経会陰枝または肛門尾骨神経が進入する.肛門挙筋の主要支配枝は肛門挙筋神経であるが,筋下端部は会陰神経と下直腸神経の支配を受ける.骨盤神経叢は主として下腹神経と骨盤内臓神経から構成され,仙骨内臓神経の関与度は低い.骨盤神経叢から出る直腸枝は,直腸壁への進入個所により,上群と下群とに分離する傾向が認められる.
著者
土岐 博 佐藤 健次
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.11-18, 2013-01-05

現代ではほぼ全ての機器は電気を使っている.それらの電子機器は知らず知らずのうちに電磁ノイズを出しているし受けている.そのために我々の周りはノイズで満たされているし,自らで苦しめられてもいる.電磁気学が完成されて1世紀の年月が経っているにもかかわらず,電磁ノイズの取扱い法が確立していない所にその原因がある.加速器のノイズの削減に理論的に取り組んだことにより,新しい交流理論を得ることができた.電磁場の放出・吸収過程の理論(アンテナ理論)そのものは完成していたにもかかわらず,多導体伝送線路理論が不完全であったことで,交流理論に取り込むことができていなかった.このアンテナ過程を取り込んだ新しい交流回路理論にもとついて,3本線対称化回路の導入により電磁ノイズの影響を受けない電気回路の提唱を行う.
著者
中西 良孝 服部 育男 田川 光梨 高山 聡子 高山 耕二 神谷 充 佐藤 健次
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.209-211, 2012
参考文献数
3

従来,VBN濃度は微量拡散法や水蒸気蒸留法などの滴定法によって測定されてきたが,最近,飼料中の硝酸態窒素濃度や土壌中のアンモニア態窒素濃度を測定する場合に電気化学的検出法であるイオン電極法(以下,本法)が適用可能であり,土壌のアンモニア態窒素濃度測定においては分析時間が比色法よりも短縮することが報告されている。したがって,飼料中のVBNについても本法による分析が可能と考えられるが,滴定法の代替法としての可能性を追究した報告はない。そこで本研究では,発酵TMRおよびサイレージ中のアンモニア態窒素濃度を簡易に測定するための方法を開発することを目的とし,微量拡散法および本法による測定値間の相関関係を明らかにし,本法が滴定法の代替法となり得るかどうかを検討した。
著者
佐藤 健次
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

昨年度に引き続き、出芽酵母Atg7単体およびAtg7CTD-Atg8複合体の立体構造の精密化を行なった。また、結晶構造からはAtg8とAtg7のadenylation domain間の相互作用の情報を得ることができたが、変異体解析によってAtg7はadenylation domainによる認識に先立って、C末端領域によってAtg8を捕まえていることが示唆された。しかし、この相互作用に関しては結晶構造からは十分な情報が得られなかったため、Atg7のC末端ペプチドを作成しAtg8との複合体構造をNMRを用いて明らかにした。これらの構造情報と各種変異体を用いたin vitroでの解析によって、Atg7はこれまで研究されてきたcanonical E1とはユビキチン様タンパク質の活性化の機構が大きく異なることを明らかにした。まず、Atg7はそのC末端領域によってAtg8を捕らえ、その後活性化の活性中心である自身のadenylation domainへと移行させるという二段階の認識機構を持つことを示した。また、活性化されたAtg8はE2分子であるAtg3へとtransの機構によって受け渡されていることを示した。これらのcanonical E1とは大きく異なったAtg7の特徴は今後オートファジーにおけるAtg8系とAtg12系の役割を明らかにするうえで重要であると考えられる。また、他のE1と大きく異なる立体構造および活性化の分子機構はAtg7特異的阻害剤を作成するうえで重要な情報といえる。本年度は上記の研究の結果をまとめ、学術誌Molecular Cellにて発表を行なった。