著者
沼田 宗敏 神谷 和秀 野村 俊 藤原 孝幸 舟橋 琢磨 輿水 大和
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2009年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.731-732, 2009 (Released:2010-02-25)

断面曲線から粗さ曲線を抽出するためのガウシアンフィルタ(GF)は,例外値の影響を強く受ける.このためロバストなGFが提案されているが,繰り返し計算を伴うため計算コストが大きい.本研究では,高速M推定を用いたロバストなGFを提案する.矩形の平滑化フィルタを数回繰り返すだけで計算できるので,高速計算が可能である.しかも,例外値のない場合には従来のGFに一致するという優れた性質を併せもつ.
著者
神谷 和秀 神谷 佳孝 神谷 長幸
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2012年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.989-990, 2012-03-01 (Released:2012-09-01)

レオナルド・ダ・ヴィンチは,有名な画家であるが完成させた絵画は両手で数えられる程度である.一方,生涯に書き遺した手稿は,現存するものだけで約4,000ページにもなる.この膨大な数の手稿の中には,科学技術に関する着想や物理現象の詳細な観察結果が記録されている.本報告では,レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿からオーガナイズドセッションのテーマ「メカノフォトニクス」に関連した話題を提供することを試みる.
著者
沼田宗敏 輿水 大和 秦野 やす世 神谷 和秀 野村 俊 二宮 市三
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.4051-4058, 2007-12-15

従来,直線,円,楕円などの幾何学図形の生成法が多数報告され,傾斜楕円についても若干の研究業績がある.本論文では,1 点あたり2 回の乗算で傾斜楕円を生成する画期的な三項漸化算法を提案する.三角関数の間に成り立つ一対の漸化式が同型であることが,その秘訣である.初期設定や楕円弧描画は従来法と比較して簡単であり,それを従来の高速生成法と同等以上の計算速度で実現する.また,実験によって新算法の有効性を検証する.
著者
神谷 和秀 神谷 長幸 野村 俊 田代 発造
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.725, pp.10-15, 2007-01-25
被引用文献数
1

Leonardo da Vinci is not only famous as the artist who painted master pieces such as "The Last Supper" and "Mona Lisa", he is also a great scientist and engineer. He left records of many original scientific investions and explorations in books now known as Leonardo's Codices. These codices include anatomical charts, mechanical equipment, civil engineering concepts, and drawings related to architecture, astronomy, botany, and so on. The contents of these Codices are interesting for beginners who are studying mechanical engineering, although beginners are not used to recognizing a solid from a drawing. Therefore, models were reconstructed from the drawings in these codices, to be used as teaching materials for the study of mechanical engineering. In a lecture as part of a mechanics course, it was possible to generate an interest in mechanical engineering among beginners who studied the mechanics by using the reconstructed models. Similarly, an opportunity to consider the field of mechanical engineering was given to students of primary schools, junior high schools, senior high schools, and their parents, by the reconstructed models presented in the DA VINCI Festival at Toyama Prefectural University.
著者
神谷 和秀
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013

高効率かつ安価な酸素還元触媒の開発は燃料電池のさらなる普及拡大のために必要不可欠となっている。本研究では鉄と窒素をグラフェン面内に短時間熱処理によって導入した酸素還元触媒(Fe/N-graphene)のさらなる高活性化を目的としている。今年度は高活性化に向けて、Fe/N-grapheneの構造および酸素還元活性メカニズムを放射光を用いて明らかにした。まず広域X線吸収微細構造(EXAFS)によって鉄周りの配位構造を明らかにした。その結果、一般的な炭素触媒を作製するような30minを超えるような長時間の熱処理では容易に切断されてしまう鉄-窒素配位構造が、短時間熱処理によって作製する本触媒においては残存しており、その鉄-窒素配位構造が高密度にグラフェン面内にドープされていることが明らかになった。また、Fe/N-grapheneと窒素を加えずに作製したグラフェン(Fe-graphene)の鉄L端の軟X線吸収分光スペクトルを比較したところ、窒素から鉄への強い電子供与に基づき鉄の電子密度が向上していることが明らかとなった。これにより、鉄から酸素の反結合性π軌道に強いπ逆供与が生じ、その結果、酸素分子のO=O結合が活性化され、酸素還元反応が効率的に進行したと推察された。このように、短時間熱処理で作製した触媒は前駆体の触媒活性を決定する構造的本質(この場合は鉄-窒素配位結合)を残す形で炭素構造内に導入することが可能であることが示された。これは錯体触媒の活性と炭素材料の耐久性の両立した触媒の合成が可能であることを示している。