著者
福山 豊
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

小学校教員養成課程の理科実験のために,小中学校での理科教材の中から,授業と一緒に実験できる教材の開発を行った。また実際に,小学校課程の2年生に,小中学校の理科教材の中から,光と電気磁気の分野に関して,現象の意外性とリアリティを感じることのできる演示実験と実験工作などを織り込み,135分授業の5回の授業と実験の融合による実験授業を,1年間5つの学生グループに行ってみた。具体的な内容は,身の回りの物理現象として光の教材をとりあげ,直進,反射,屈折現象の実験教材を開発検討した。全反射を利用した光ファイバーによる光通信やグラスファイバーなど医療技術などの現代の社会に利用されているものの理解や,夕焼けや朝焼け,青い空,蜃気楼,虹,逃げ水などの自然現象などの理解,カメラ,メガネ,望遠鏡,顕微鏡などのレンズを使った光学機械の理解のために有用な実験教材の開発を行った。また,今日の電気に依存している我々の社会を理解するため,簡単なモーターや発電機,めんカップスピーカー,マイクロホンなど実験工作を織り混ぜた授業と実験の融合による実験授業を行った。また,中学校教員養成課程のための物理実験についても,電磁気の原理を実感をもって理解するための実験開発を行った。今回の研究から,初等・中等学校の教師になる学生への物理実験は,従来行われている科学者かエンジニヤを育成するための定量的測定を主とした実験をやらせるよりも,まず科学の基本法則を使って身の回りや自然の現象を納得させる実験を十分にやらせるほうが学生に物理の興味を持続させるために効果が上がることがわかった。
著者
福山 豊
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.30-33, 1988

ニュートン力学は,アリストテレス的世界観から新しい世界観への転換を示してくれた体系であり,その考え方を是非とも学生たちに理解させておきたい,そのために花火の運動を考察することによってニュートン力学の特徴を理解させることを試みている.このとき花火の運動を三段跳び(ホップ,ステップ,ジャンプ)にたとえて,慣性の運動,重力による自由落下の運動,空気の抵抗(速度に比例)の3段階でとらえ,その役割と特徴をあきらかにする.花火のかけら(星)の形は,どの段階でもつねに円(球)となって落下することが導けるので意外性があり印象的である.
著者
中嶋 名菜 福山 豊 松添 直隆 北野 直子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】近年、農業人口の減少、核家族化、食生活の洋風化などの社会的変化により行事食を家庭で作る機会が減り、伝統的な行事食が次の世代へ伝承されない傾向にある。そこで阿蘇神社を中心に現在でも数々の農耕祭事が行われている阿蘇地域において、行事食ならびに郷土料理の喫食状況を明らかにすることを目的とした。【方法】2012年4-8月、阿蘇7市町村在住の女性780名を対象に、日本調理科学会特別研究の質問票を基に、行事食、郷土料理に関する調査を行った。基本属性(性、年齢、居住地区、家族構成)に不備のある者を除いた430名を解析対象とし、喫食状況について年代(40歳代以下、50・60歳代、70歳代以上)、世帯別(単身世帯、同世帯、2世帯、3世帯以上)に比較した。【結果】阿蘇地域においては、正月、節分、上巳、土用の丑の日、大晦日の行事の経験はどの年代においても90%以上が経験していた。七草・春分の日・盂蘭盆・お月見・秋分の日・春祭り・秋祭りが40歳代以下の者が50歳代以上より経験率が有意に低かった(p<0.05)。また、お節料理では、年代が高いほど家庭で作る割合が高かったが、世帯別では有意な差は見られなかった。郷土料理では、高菜飯やだご汁、いなりずしなどは全体の喫食経験がほぼ100%であるのに対し、すぼ豆腐に関しては70歳代以上でも経験率が60%未満であり、赤ど漬け、とうきび飯、ひこずり、すぼ豆腐、のっぺ汁、栗飯において年代間で喫食経験に有意差が見られ、年代が高いほど高かった(p<0.05)。以上より、阿蘇地域の行事食や郷土料理は年代が低いほど伝承度合が低く、行事、調理法や食品の種類によって伝承の容易さに相違がある可能性が示唆された。
著者
福山 豊
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.211, 1992-09-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
8
著者
福山 豊
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.30-33, 1988-03-05 (Released:2017-02-10)

ニュートン力学は,アリストテレス的世界観から新しい世界観への転換を示してくれた体系であり,その考え方を是非とも学生たちに理解させておきたい,そのために花火の運動を考察することによってニュートン力学の特徴を理解させることを試みている.このとき花火の運動を三段跳び(ホップ,ステップ,ジャンプ)にたとえて,慣性の運動,重力による自由落下の運動,空気の抵抗(速度に比例)の3段階でとらえ,その役割と特徴をあきらかにする.花火のかけら(星)の形は,どの段階でもつねに円(球)となって落下することが導けるので意外性があり印象的である.
著者
北野 直子 中嶋 名菜 福山 豊 中嶋 康博 松添 直隆
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.254-259, 2014 (Released:2014-11-07)
参考文献数
17

2010,2012年に,熊本市と農耕祭事の行事が残っている阿蘇地域において質問紙調査を行った。質問は,年中行事の認知・経験と喫食状況であった。対象は,熊本市が136名,阿蘇地域が168名の食生活改善推進員であった。年中行事は,正月,節句,七夕など15行事であった。両地域の90%以上の者が,ほとんどの行事について認知,経験をしていた。「春祭り」,「秋祭り」の認知度,経験度は他の年中行事より低く,地域差は認められなかった。稲作儀礼を中心とした行事は,農業従事者の高齢化,農業就業人口の減少とともに廃れていき,行事食の伝承も難しくなっていると考えられた。行事食を家庭で作る割合は熊本市より阿蘇地域が高かった。熊本市に比し阿蘇地域が3世代世帯は多かった。その結果,年長者から子どもへ継承されやすいと考えられた。
著者
福山 豊
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.75-79, 1984

教育学部の学生は高等学校で物理学を学んでいなかったり,学んでいても苦手意識をもっていることが多い.そのために多くの学生が物理学の講義を敬遠してしまう.このような学生たちに大学で従来から広く行なわれている教師中心の講義を受講させても,とうてい物理学に興味をもたせることはできない.そこで物理学を敬遠しているこの学生たちが電磁現象をもう一度自分とのかかわりのなかで見直したり,我々の身近な電気機器の原理や構造を少ない基本法則で理解できるようになるために次のような工夫を行なった.まず学生全員に即席めんのカップによる簡単なダイナミックスピーカーを作製させ,ラジオのイヤホンジャックから出ている音声信号をつかって鳴らさせてみた.さらに目に見えないためにイメージが描きにくい電滋現象を計測メータ一類をもちいず,スピーカーや麦球をつかってその効果を読み取るような演示実験を開発し実践を試みた.