著者
小野 博美 草野 満夫 二瓶 壮史 林 秀幸 福島 拓 川上 雅人 檀上 泰 長島 君元 清水 勇一 川俣 太 本多 昌平 嶋村 剛 西原 広史
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.385-393, 2018-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
19

胃癌の内視鏡的marking法として,リポ蛋白と結合すると蛍光を発する性質を利用したindocyanine green(ICG)蛍光法が有用であるか検討した.手術3日前に内視鏡的に胃癌の周囲にICG溶液を粘膜下層に注入し,開腹時にphotodynamic eye(PDE)カメラで,腹腔鏡下手術では蛍光内視鏡で観察した.さらに術後切除標本を利用して蛍光輝度,蛍光の拡がりを観察した.早期胃癌8例,進行胃癌6例を対象とした結果,全例において術中切除範囲の決定に同法が有用であった.今後ICGの注入量,タイミングの技術的な面での検討が必要と考えられた.
著者
福島 拓 吉野 孝 重野 亜久里
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.256-265, 2013-01-15

現在,在日外国人数は年々増加しており,多言語によるコミュニケーションの機会は増加している.医療の分野では医療機関を訪れる外国人患者とのコミュニケーションのために多言語問診票が使用されている.しかし,多言語対応の紙の問診票は種類が少ないため各医療機関の要求を満たすことができていない.また,日本人医療従事者が外国人患者の母語で書かれた紙の問診票を理解することは困難である.そこで我々は,用例対訳や機械翻訳を利用して診察に必要な基本情報である症状の伝達を支援する,多言語問診票作成システムの開発を行い,問診票入力機能についての評価を行った.本研究の貢献は次の2つである.(1)日本人医療従事者と外国人患者との間のコミュニケーションを支援する,多言語問診票作成システムの提案を行い,実現した.(2)用例対訳と機械翻訳を併用することで,病名や症状を含む文の正確性と,状況説明などの付与情報を含む文の網羅性を確保した多言語問診票の記入の可能性を示した.
著者
狩野翔 福島拓 吉野孝
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.836-843, 2011-06-30

現在,モチベーション維持に関する研究が行われている.しかし,「日常的に行わない」作業を対象とした支援は十分に考慮されていない.「日常的には行わない」作業では,「日常的に行う」作業に対して存在する「やらなければならない」という気持ちが支援対象者の中に少なく,モチベーション維持を支援することは難しい.そこで本稿では,非日常的な作業として「医療分野向け用例の評価」を対象とし,そのモチベーション維持支援を行った.その手段として,モチベーション維持支援システムにおいて,定期的なシステム機能の追加を行った.本稿では,定期的に機能を追加することによる,ユーザのモチベーション維持効果を検証を行った.本稿の貢献は次の2点にまとめられる.(1)用例評価のモチベーション維持支援システムに対し,定期的に機能を追加することはシステムを利用するきっかけになり,モチベーション維持の可能性があることを示した.(2)「自分の成果を可視化する」機能は,ユーザのモチベーション維持に一定の効果を示した.