著者
柳田 絵美衣 松岡 亮介 林 秀幸 西原 広史
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.131-141, 2018-01-25 (Released:2018-01-27)
参考文献数
15

北海道大学病院では2016年4月に「がん遺伝子診断部」を設置し,業務を開始した。がん遺伝子外来,診療,患者採血,核酸抽出,ライブラリー構築,シークエンス,遺伝子解析,チームカンファレンス(cancer board),遺伝カウンセリング,結果報告をすべてインハウスで行っている,院内完結型網羅的がん遺伝子解析(Clinical Sequence System in Hokkaido University Hospital for Cancer Individualized Medicine:CLHURC検査)を目的とするクリニカルシーケンスを実施する専門部署としては,国内初となった。次世代シーケンサー(next generation sequencer; NGS)を用いて独自でパネル化したがんドライバー遺伝子変異のうち最大160種類を網羅的に解析している。CLHURC検査では,患者の血液と病理組織検体から核酸を抽出し,NGSで遺伝子解析を行っている。検体は検者血液からの正常DNAと腫瘍細胞を含むホルマリン固定パラフィン包埋切片から腫瘍細胞DNAを対象としているため,検体の取扱いが重要ポイントの一つである。従来,ホルマリン固定検体からの核酸抽出は,ホルマリンの影響によりDNAの断片化が進むため,良質なDNA抽出は困難であるとされてきた。また,遺伝子解析の解釈や,遺伝子情報の取り扱いなど,様々な管理や体制が必要となる。今後,クリニカルシーケンスが導入されていく中で起こり得る課題を見据えながら,現在,運用しているクリニカルシーケンス「CLHURC検査」の取り組みを報告する。
著者
貝沼 重信 山本 悠哉 林 秀幸 伊藤 義浩 押川 渡
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.50-57, 2014-02-15 (Released:2014-08-22)
参考文献数
11
被引用文献数
2 10

鋼構造物を腐食損傷に対して,経済的に維持管理するためには,その部位レベルの腐食環境を定量的に把握した上で,腐食挙動の経時性を評価する必要がある.そこで,本研究ではFe/Ag対ACM型腐食センサーを用いて,降雨や飛来海塩に着目した大気環境における無塗装普通鋼板の経時腐食深さの評価方法を提案することを目的とした.そのために,降雨や飛来海塩の影響が著しく異なる4地点において,無塗装普通鋼板の大気暴露試験を実施した.また,その鋼板の対空・対地面の腐食環境をACM型腐食センサーによりモニタリングした.
著者
吉川 義之 福林 秀幸 高尾 篤 竹内 真 松田 一浩 安川 達哉 梶田 博之 杉元 雅晴
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.470-476, 2010-12-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
19
被引用文献数
6

【目的】本研究の目的は,音叉を用いた振動覚検査で転倒予測が可能であるかを検討することである。【対象】認知症および中枢神経疾患を除外した,歩行が可能な当院外来患者,通所リハビリテーション利用者で6ヵ月間追跡調査が可能であった62名である。【方法】音叉を用いた振動覚検査とTimed “Up & Go” Test,10m自由歩行時間,Modified-Functional Reach Testの4項目を実施した。転倒は測定日より6ヵ月間追跡し有無を確認した。統計処理は,転倒の有無により転倒群と非転倒群に分け比較を行った。また,各検査についてはROC曲線からカットオフ値を求め,精度を確認した。【結果】測定後6ヵ月間に転倒した対象者は22名(転倒率:35.5%)であった。転倒群と非転倒群の比較では,すべての検査において非転倒群の成績が有意に優れていた。ROC曲線の曲線下面積では,振動覚検査が0.83で,他の検査と同等であった。振動覚検査のカットオフ値については5.5秒であり,感度は77%,特異度は68%,正答率は71%であった。【結語】音叉を用いた振動覚検査は,転倒予測の検査として有用であった。
著者
小野 博美 草野 満夫 二瓶 壮史 林 秀幸 福島 拓 川上 雅人 檀上 泰 長島 君元 清水 勇一 川俣 太 本多 昌平 嶋村 剛 西原 広史
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.385-393, 2018-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
19

胃癌の内視鏡的marking法として,リポ蛋白と結合すると蛍光を発する性質を利用したindocyanine green(ICG)蛍光法が有用であるか検討した.手術3日前に内視鏡的に胃癌の周囲にICG溶液を粘膜下層に注入し,開腹時にphotodynamic eye(PDE)カメラで,腹腔鏡下手術では蛍光内視鏡で観察した.さらに術後切除標本を利用して蛍光輝度,蛍光の拡がりを観察した.早期胃癌8例,進行胃癌6例を対象とした結果,全例において術中切除範囲の決定に同法が有用であった.今後ICGの注入量,タイミングの技術的な面での検討が必要と考えられた.
著者
小林 秀幸 酒見 泰寛 柴田 利明
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.385-388, 1996-12-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
15

物理学の様々な分野で応用されているイオントラップの原理を理解するために,円筒形の電極と矩形パルスの電圧を用いて簡易なPaulトラップを製作した。高電圧に帯電させた食塩水の液滴を空気中で捕獲し照明することによって微粒子の振舞を肉眼とビデオカメラで観察した。このイオントラップを用いた実験は,3年生の学生実験の課題となっている。
著者
佐々木 健介 小林 秀幸 岩村 英志 西木 玲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.255, pp.1-5, 2003-08-14
被引用文献数
4

位相シフトを持つファイバブラッググレーティング(FBG)の作製において、ユニフォーム位相マスクをスライドさせる方法によりFBG中に位相シフト部を形成した。そのFBGを評価した結果、FBG中の所望の位置にλ/4の位相シフト部が形成できることを確認した。また、位相マスクを振動させることで屈折率変調量を調整する方法も検討した結果、位相マスクを正弦波で振動させ、その振幅量を変えることで、シミュレーションと一致する屈折率変調量が得られた。これらの方法により、位相シフトを持ち、かつ、アポダイズが施されたFBGが作製できた。