著者
福浦 厚子
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.116-130, 2017 (Released:2018-06-13)
参考文献数
36

本研究の目的は、軍隊と社会との関係についてのこれまでの研究を概観したうえで、個別的日常的な民軍関係に着目し、社会学や文化人類学での成果を紹介し、近年の研究の特徴をみていく。そのうえで、日常に埋め込まれた軍隊と社会や個人との関係性を文化人類学的な視点からみることで、軍隊研究に新たな議論の局面を示したい。その一つの例として、自衛隊を取り上げ、これまで行われてきた自衛隊研究を、1:政軍関係その1、自衛隊を取り巻く政治状況の視点から検討する研究、2:政軍関係その2:医療や災害・メンタルヘルス対策として自衛隊でどんな対処が可能かについて検討する研究、3:ノンフィクション・ルポ、自衛隊員の視点に近い立場からの提言や報告、4:民軍関係の4つに大別し、そのなかの民軍関係について概観する。自衛隊の普通化、ソフト路線に注目し、その例として自衛官の婚活に着目し、雑誌MAMORや実際の自衛隊婚活のなかで語られる自衛官像や希望する交際相手や配偶者像がどのように表象されているのか検討する。その結果、従来の軍人妻研究にみられるダブルの役割期待が婚活にも存在するにも関わらず、言及されないままになっていることが明らかになった。
著者
福浦 厚子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

喜捨や慈善という社会に深く関わる行為を、モースの互酬性の概念を一つの手掛かりとして検討した。シンガポールの喜捨と慈善の特徴の一つは、近隣諸国からも関心が寄せられるほど活発な点である。その仕組みと社会における機能を明らかにした。またもう一つの特徴として2004年にシンガポール全国腎臓基金で起こった慈善に関わる一連の出来事と、慈善に対する市民からの理解おけるパラダイムシフトを取り上げ、合わせて検討した。
著者
福浦 厚子
出版者
滋賀大学経済学部
雑誌
滋賀大学経済学部研究年報 (ISSN:13411608)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.75-91, 2012

The armed forces is one of the institutional organizations, but on the other side it is nothedged off from the outer world and local ociety. Goffman pointed out that the armed force is an example of a "total institution", a place for work and life where a large number of individuals with a similar status, live together for an extended period of time, isolated from wider society and forced to live a common, formal and guided life. This paper examines the relationship between the armed force and the society.
著者
田中 雅一 江田 憲治 小池 郁子 高嶋 航 上杉 妙子 金 柄徹 田辺 明生 福浦 厚子 森田 真也
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究プロジェクトの目的は、ナショナリズムや国民国家創出との関係で論じられてきた軍隊をトランスナショナルな視点から分析することにある。対象は、在日・在韓米軍を含むアジアの軍隊に限り、歴史・人類学的なアプローチをとる。自衛隊のイラク派兵の影響から在韓米軍の再編による地域への影響に至るまで、その研究成果は多岐にわたる。基地反対運動や平和運動もまたトランスナショナル化していることが明らかになった。