著者
福野 光輝
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.55-64, 2005 (Released:2006-04-29)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究では,紛争当事者の利害関心に関する一般市民の認知が公共事業における紛争解決手続きの選好に与える効果を検討した。全国の一般成人を対象に質問紙調査を実施し791名から回答を得た。分析の結果,公共事業をめぐる利害対立において,公共事業への賛成を主張する当事者に対して利己的な関心が知覚されるにつれ,また反対当事者に対して利他的な関心が知覚されるにつれ,一般市民は住民投票や直接交渉,調停,意見聴聞といった解決手続きを選好した。一方,事業に反対する当事者に対して利己的な関心が知覚されたり,事業に賛成する当事者に利他的な関心が知覚された場合,一般市民は行政主導の解決手続きを選好した。
著者
森川 輝一 福島 清紀 奥田 太郎 佐藤 啓介 宮野 真生子 佐藤 実 新田 智道 福野 光輝 近藤 智彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究課題について、各メンバーが様々な分野の学会で研究発表を行なったほか、仏教学、社会心理学、古代ギリシア思想の研究者を研究協力者として招き、意見交換を実施した。また、それぞれのメンバーが研究課題についての論文や著書を刊行した。代表的なものとして、宮野真生子『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版、2014年)、森川輝一他『政治概念の歴史的展開・第八巻』(晃洋書房、2015年)が挙げられる。
著者
福野 光輝
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

公共事業において社会全体の利益を追求する行政と、それによってさまざまな負担を強いられる地域住民との利害対立をどう調整すべきかは重要な問題のひとつである。こうした利害対立は、地域住民側のマイクロ公正判断と行政側のマクロ公正判断の不一致ととらえられる。ウェブ調査によって、一般市民がこうした利害対立をマイクロ公正とマクロ公正の不一致として認識しているかを検討した結果、この仮説は部分的に支持された。