著者
田村 哲樹 千葉 眞 加藤 雅俊 藤田 菜々子 武田 宏子 杉田 敦 森川 輝一 五野井 郁夫 乙部 延剛 齋藤 純一 吉田 徹 中田 瑞穂 山崎 望 高橋 良輔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、資本主義と民主主義は今後も両立可能なのか、もし両立可能だとすればどのような形でなのか、というテーマを探究する。これは大きな問題であり、かつての社会科学あるいは政治学の主題の一つだったが、次第に顧みられなくなった。本研究は、このテーマそのものを今日的状況を踏まえつつ復興するとともに、両立可能性と不可能性のあり得る複数のシナリオを政治理論的に解明する。そして、この作業を通じて、「経験的事象に根差した政治理論」研究の新たなモデルの提示を目指す。
著者
小野 紀明 堀田 新五郎 小田川 大典 藤田 潤一郎 森川 輝一 平野 啓一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

研究課題について、社会思想史学会で二度の「政治と文学」研究セッションを組織したほか(2008、2009年)、芥川賞作家の平野啓一郎氏をゲストに招いて「政治と文学」座談会を実施した(2010年)。また、それぞれのメンバーが研究課題についての個別研究を刊行した。代表的なものとして小野紀明『ハイデガーの政治哲学』(岩波書店、2010年)と森川輝一『〈始まり〉のアーレント』)岩波書店、2010年)が挙げられる。
著者
宇野 重規 谷澤 正嗣 森川 輝一 片山 文雄 石川 敬史 乙部 延剛 小田川 大典 仁井田 崇 前川 真行 山岡 龍一 井上 弘貴 小野田 喜美雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

研究の二年目にあたる平成30年度は定例の研究会を続け、通史的な視点の確立と全体的枠組みの決定を目指した。その目的は、共和主義、立憲主義、リベラリズムを貫く座標軸を見定めることにあった。この目的に向けて、まずは18世紀における共和主義と立憲主義の関係について集中的に検討を行った。その成果は、社会思想史学会において分科会「アメリカ政治思想史研究の最前線」を企画し、石川敬史が「初期アメリカ共和国における主権問題」報告することにつながった。この報告は主権論に即して、初期アメリカにおける思想対立をヨーロッパの思想との連続性において捉えるものであった。第二にプラグマティズムとリベラリズムの関係についても考察を進めた。具体的には研究会を開催し、研究代表者である宇野重規が「プラグマティズムは反知性主義か」と題して報告を行なった。これはプラグマティズムをアメリカ思想史を貫く反知性主義との関係において考察するものであり、プラグマティズムの20世紀的展開を検討することにもつながった。さらに小田川大典が「アメリカ政治思想史における反知性主義」と題して報告を行い、アメリカ思想史の文脈における反知性主義について包括的に検討した。さらに上記の社会思想史学会においては、谷澤正嗣が「A・J・シモンズの哲学的アナーキズム」と題して報告を行っている。これは現代アメリカのリベラリズム研究におけるポイントの一つである政治的責務論において重要な役割を果たしたシモンズの研究を再検討するものである。人はなぜ自らの政治的共同体に対して責務を負うのか。この問題を哲学的に検討するシモンズの議論は、アメリカ思想におけるリベラリズムと共和主義の関係を考える上でも重要な意味を持つ。シモンズを再検討することも、本年度の課題である通史的な視点の確立に向けて大きな貢献となった。
著者
宇野 重規 小田川 大典 森川 輝一 前川 真行 谷澤 正嗣 井上 弘貴 石川 敬史 仁井田 崇
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究はアメリカ政治思想史を、共和主義と立憲主義という視点から捉え直そうとする試みである。その際に、建国の思想から、19世紀における超越主義とプラグマティズム、20世紀におけるリベラリズム、リバタリアニズム、保守主義へとつながる固有の思想的発展と、マルクス主義やアナーキズムを含む、ヨーロッパからの思想的影響の両側面から検討することが大きな主題であった。3年間の検討をへて、ヨーロッパの王政に対する独特の意識が、アメリカ共和政とそのコモン・センスに対する信頼を生む一方で、政府権力に対し個人の所有権の立場から厳しい制約を課す立憲主義を発展させてきた、アメリカ思想の弁証法的発展が明らかにされた。
著者
森川 輝一 福島 清紀 奥田 太郎 佐藤 啓介 宮野 真生子 佐藤 実 新田 智道 福野 光輝 近藤 智彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究課題について、各メンバーが様々な分野の学会で研究発表を行なったほか、仏教学、社会心理学、古代ギリシア思想の研究者を研究協力者として招き、意見交換を実施した。また、それぞれのメンバーが研究課題についての論文や著書を刊行した。代表的なものとして、宮野真生子『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版、2014年)、森川輝一他『政治概念の歴史的展開・第八巻』(晃洋書房、2015年)が挙げられる。
著者
佐藤 啓介 福島 清紀 奥田 太郎 森川 輝一 宮野 真生子 佐藤 実 新田 智通
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、幸福概念を思想史的・文化史的な重層性をふまえて考え直すことによって、幸福概念が、第一に、個人の主観的な幸福感には限定されない社会性・集団性を有した倫理的地平において考察されるべきものであることと、第二に、その幸福は、個人の次元を超えた社会的時間性や、ひいては形而上学的な世界の時間性にまで及ぶような多層的な時間論のなかで考えられるべき余地があることが明らかになった。以上の成果は、近年の社会心理学的な幸福論を補完し修正しうる意味を有していると思われる。