著者
秋山 清二
出版者
東京海洋大学
雑誌
東京水産大学研究報告 (ISSN:00409014)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.53-64, 1997-12-25
被引用文献数
6

千葉県館山湾の大型定置網、底層定置網、小型定置網各1か統を対象に漁獲物の投棄実態を調査した。調査は1996年1~12月に実施し、毎月1回、販売魚と投棄魚の魚種別重量を記録した。調査の結果、年間の投棄率{(投棄量/漁獲量)×100}は小型定置網で11.9%、底層定置網で22.2%、大型定置網で9.6%となった。投棄量の上位3種は小型定置網でウルメイワシ、アイゴ、キビナゴ、底層定置網でマサバ、ギマ、アイゴ、大型定置網でイトマキエイ、トウゴロウイワシ、ドチザメであった。漁獲量と投棄量はいずれも小型定置網、底層定置網、大型定置網と漁具規模が拡大するにつれて増加する傾向がみられた。また、小型定置網と底層定置網では漁獲量の増加にともない投棄量も増加する傾向がみられたが、大型定置網ではこのような傾向はみられなかった。
著者
片山 知史 秋山 清二 下村 友季子 黒木 洋明
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.688-693, 2015 (Released:2015-08-15)
参考文献数
21
被引用文献数
1

東京湾において漁獲したクロアナゴ 189 個体とダイナンアナゴ 448 個体について,耳石横断切片法によって年齢を査定した結果,クロアナゴの年齢は 1+から 6+の範囲であり,2+から 4+までの年齢群が優占していた。ダイナンアナゴは,0+から 11+の範囲であり,特に 5+から 8+の個体が主体を成していた。ダイナンアナゴは,6+以上の全長 1000 mm を超える個体も多く,マアナゴと比べても大きく成長する魚種であると考えられた。両種の雄の割合は,2-6% であり,性比が雌に著しく偏っていた。
著者
秋山 清二
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.905-912, 2010 (Released:2011-05-27)

海底に残置された逸失刺網の漁獲継続期間について検討するため、千葉県館山湾の海底に刺網を2000日間浸漬し、浸漬時間と羅網個体数の関係を調べた。刺網にはイセエビ15個体、イセエビ以外の甲殻類25個体、腹足類8個体、魚類5個体、その他2個体の合計55個体が羅網した。羅網個体数は実験開始直後に急増し、浸漬11日目に最大となった後、減少した。羅網個体数の減少過程は指数関数で表され、漁獲継続期間は182日と推定された。漁獲継続期間はイセエビや魚類では短く、イセエビ以外の甲殻類や腹足類ではより長期に及んだ。
著者
秋山 清二
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.905-912, 2010-09-15
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

海底に残置された逸失刺網の漁獲継続期間について検討するため,千葉県館山湾の海底に刺網を 2000 日間浸漬し,浸漬時間と羅網個体数の関係を調べた。刺網にはイセエビ 15 個体,イセエビ以外の甲殻類 25 個体,腹足類 8 個体,魚類 5 個体,その他 2 個体の合計 55 個体が羅網した。羅網個体数は実験開始直後に急増し,浸漬 11 日目に最大となった後,減少した。羅網個体数の減少過程は指数関数で表され,漁獲継続期間は 182 日と推定された。漁獲継続期間はイセエビや魚類では短く,イセエビ以外の甲殻類や腹足類ではより長期に及んだ。<br>
著者
秋山 清二
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.1103-1108, 2007-11-15
被引用文献数
3 4

定置網漁業における漁獲物の投棄実態を明らかにするため,2005 年 1 月~2006 年 12 月に千葉県館山湾の大型定置網で乗船調査を行った。調査の結果,CPUE(1 操業あたり漁獲量)は 1463.2 kg, DPUE(1 操業あたり投棄量)は 123.3 kg となり,投棄率(DPUE/CPUE)は 0.084 となった。主な投棄魚種はカタクチイワシ,ギマ,シマガツオ,シイラ,ネンブツダイであった。漁獲量の増加にともない投棄量も増加する傾向がみられ,両者間には正の相関が認められた(<i>r</i>=0.84, <i>p</i><0.05)。<br>