著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.7, pp.6-11, 2018-07-02 (Released:2018-08-10)

地球上には宇宙から素粒子が絶えず降り注いでいる。名古屋大学の中村光廣教授と森島邦博特任助教らは、巨大な物体でも突き抜ける素粒子ミューオンの観測により、エジプトのクフ王・ピラミッド内部を透視し、未知の巨大空間を発見した。開発したミューオンの観測装置は、宇宙の謎の解明のみならず、原子炉内部の調査や火山のマグマ観測、社会インフラの点検へと活躍の場を広げている。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.10, pp.8-11, 2014-10-01 (Released:2020-03-31)

プラスチックは製品として米国で約100年前に誕生した。日本で日用品として出回ってから半世紀になる。軽くて強く、加工が簡単で使い易いなど、メリットが多い。しかし原料として石油資源を大量に消費することや、自然界に廃棄物として長期間残存し、たくさんの生物に害を及ぼしてしまうことが大きな問題になってきた。これらを解決すると期待されるのが「微生物工場」による生分解性プラスチックの大量生産技術。その裏では微生物を相手に実用化への苦労の日々が続いた。生分解性プラスチックが、地球生命圏の救世主になる日は来るのだろうか。
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.9, pp.16, 2019-09-10 (Released:2019-10-09)

国際科学技術協力基盤整備事業高齢者のための革新的仮想視覚・力覚刺激呈示システムの開発未来社会創造事業 人材の多様性に応じた知的生産機会を創出するAI基盤東京大学 先端科学技術研究センター 講師 檜山 敦
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.4-7, 2005 (Released:2021-02-10)

今年は国連が定めた「世界物理年」である。我が国でも、日本物理学会をはじめとする諸学会にJSTなども加わって世界物理年日本委員会が組織され、さまざまな活動を展開している。4月23、24日には、その中でも最大の「春のイベント」が東京で開催され、活動は佳境に入った。
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.4, pp.3, 2019-04-01 (Released:2019-04-30)

従来のエレクトロニクスは電子の持つ電荷に注目して構築されてきたが、20世紀後半のナノテクノロジーの発展は、電子の自転であるスピンの利用を可能にした。スピンの流れ、すなわちスピン流の物理現象に世界に先駆けて着目し、スピン流の基礎物理法則を解明してきたのが、東京大学大学院工学系研究科の齊藤英治教授だ。スピン流を組み込んだ電磁気学の体系化とともに、新しいエネルギー技術の開発や次世代磁気デバイスへの応用を目指す。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.12-13, 2007 (Released:2021-02-15)

日本人の大人の大多数は子どもの頃に比べると、科学技術への関心が低くなる。関心は低くても、科学を大切に思い信じているから、ニセ科学にだまされる。そんな現状に警鐘をならす左巻健男教授に話を聞いた。
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2023.1, pp.10-11, 2023-01-04 (Released:2023-01-31)

藻類による物質生産では、光の自己遮蔽効果による細胞密度の頭打ちと、光エネルギーを物質生産に集中できないことが実用化の妨げとなっていた。神戸大学先端バイオ工学研究センターの蓮沼誠久教授はこの課題解決に際し、二酸化炭素(CO2)吸収と代謝を維持したまま細胞分裂を停止させる細胞増殖制御因子を発見した。さらに、AIと代謝工学を組み合わせることで物質生産株の開発を加速するとともに、実験操作のオートメーション化にも取り組んでいる。
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.12, pp.8-11, 2019

<p>「人類が手にした最も正確な物差し」と呼ばれる「光コム」。周波数を超精密に測定する光の物差しの誕生は、広範な科学技術分野の標準や計測技術に革命的な進展をもたらした。電気通信大学大学院情報理工学研究科の美濃島薫教授は、光コムを進化させ、光のあらゆる性質を使いこなす画期的な基盤技術の開発に挑み、未踏の応用分野を切り拓こうとしている。</p>
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.6, pp.3-7, 2021-06-04 (Released:2021-06-30)

具合が悪くなったら病院に行く。当たり前とも思える医療の在り方が2045年にはがらりと変わっているかもしれない。センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの「スマートライフケア社会への変革を先導するものづくりオープンイノベーション拠点」では、さまざまなセンサーや薬剤を入れたナノサイズの小さなカプセル「ナノマシン」が血管を通じて体中を巡り、疾患を超早期に発見し治療まで行う新しい医療の確立に挑んでいる。重篤な疾患にかかった際の身体的、経済的負担や不安から解放され、誰もが健康を当たり前のものとして享受できる社会の実現を目指す。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.3, 2004

<p>東京大学生産技術研究所教授から日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)の研究所長になり、日本TIの社長を務め、この10月にJST研究開発戦略センター長に就任した生駒さん。その迫力ある変身で培った研究者精神と経営者マインドの双方を駆使して、いま日本の科学技術戦略を構築中だ。</p>
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.8-9, 2006 (Released:2021-02-10)

今年2月、1枚の細胞の写真が米国の学術誌Journal of Cell Biologyの表紙を飾った。その写真は「TRIAD(トリアド)」と呼ばれる細胞死の様子を捉えたものだ。神経変性疾患と呼ばれる分野で「新しい細胞死」として登場した「TRIAD」とは何か、この研究成果がもたらすものを聞いた。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.12-13, 2005 (Released:2021-02-10)

すでに19世紀から科学者たちは水素エネルギー時代の到来を予言していた。21世紀に入り、環境問題への関心が高まるなか、水素エネルギーがいよいよ実用化段階を迎えようとしている。企業や各家庭のエネルギー源が水素に転換していけば、世界の経済のあり方を変えてしまうかもしれない。
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.9, pp.8-11, 2019-09-10 (Released:2019-10-09)

バイオ医薬品などで需要が高まる有用たんぱく質は、生産コストが極めて高いという問題を抱えている。この状況を打破するべく、産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門の大石勲研究グループ長が着目したのが、生産コストが低い鶏卵だ。ゲノム編集によりニワトリの遺伝子を組み換え、有用たんぱく質を大量に含んだ「金の卵」を産ませる技術を開発し、より安価で簡便なたんぱく質生産を可能にした。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.14-15, 2011-08-01 (Released:2021-02-22)

戦略的創造研究推進事業E R A T O「岡ノ谷情動情報プロジェクト」東京大学 大学院総合文化研究科 教授 岡ノ谷 一夫
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2018_2, pp.8-11, 2018-02-01 (Released:2018-11-01)

生体情報から個人を特定する生体認証といえば、顔や指紋、DNA、静脈などがまず思い浮かぶのではないだろうか。大阪大学産業科学研究所の八木康史教授らは、9万5,000人もの歩き方の映像データを集め、AI(人工知能)による解析技術を用いて高精度な歩容認証技術を開発した。さらに歩容から人物の意図や感情、健康状態などを読み取る技術にも取り組んでおり、犯罪捜査やセキュリティー管理といった安心・ 安全のみならず、幅広い活用が期待されている。
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.3, 2005

<p>ごく普通の女子中学生8人からなるチームが、2005年の「ロボカップジュニア世界大会̶ダンスチャレンジ部門」で優勝盾を手にした。それは、技術を担当する教諭のロボットに注ぐ情熱が、自然なかたちで実を結んだ結果だった。</p>