- 著者
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中澤 敏明
- 出版者
- 国立研究開発法人 科学技術振興機構
- 雑誌
- 情報管理 (ISSN:00217298)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.5, pp.299-306, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
- 参考文献数
- 6
ニューラル機械翻訳(NMT)の登場により機械翻訳のパラダイムは大きく変化した。平均的な翻訳精度は統計的機械翻訳(SMT)と比較すると格段に向上したが,誤りの傾向がSMTとは大きく異なっており,NMT特有の誤りも存在する。本稿では機械翻訳研究の歴史をごく簡単に振り返り,SMTの仕組みを簡単に復習した後,SMTと比較しながらNMTの仕組みを解説する。NMTは大きく分けてエンコーダー,アテンション機構,デコーダーの3つからなり,それぞれの役割についても解説する。またそれぞれの翻訳方式の特徴を明らかにし,その長所と短所を説明する。さらに科学技術振興機構(JST)におけるNMTの活用事例を紹介し,最後に本稿のまとめを行う。