著者
依光 朋子 山﨑 裕司 萩野 智美 酒井 寿美 平賀 康嗣 稲田 勤 川上 佳久 西野 愛
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.23-25, 2012

図書館利用者数,貸出冊数を増加させる目的でポイントカードを導入し,その効果について検討した. 対象は平成22年度本学院在学生520名,平成23年度本学院在学生523名である. 平成23年10月から,図書館利用者にポイントカードを配布した.ポイントは,図書の貸出機会,返却機会,国家試験問題への挑戦について2ポイント,文献相互貸借申込について6ポイントが付与された.合計10ポイントで,借用可能な図書数を1冊増加,あるいは漫画本3冊の貸出という特典を準備した.さらに30ポイントで,漫画本10冊の貸出という特典を付与した.平成23年10月から平成24年2月までの期間における来館者数,貸出図書冊数を平成22年度の同時期と比較した. 平成22年度と23年度を比較すると,11月13.1%,12月11.4%,1月11.8%,2月39.5%の有意な増加を認めた.しかし,貸出冊数には,有意な変化を認めなかった. ポイントカードの導入は,利用者数を増加させるうえで有効に機能したものと考えられた.
著者
岩本 さき 笠井 新一郎 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-32, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
8
被引用文献数
2

平成11年度より,香川県坂出市では,1歳6ヶ月児健診で未通過だった子どもの発達状況のフォローを一つの目的として,保健婦と言語聴覚士による2歳児を対象とした発達相談(以下,2歳児相談)を行っている.しかし,実施に際して,評価時間の短さや,子どもの語彙発達を評価する指標がない点が問題として挙げられた.そこで,2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成することを目的とし,2歳児の語彙発達の現状を明らかにするための調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.分析を加えた結果,2歳児相談でスクリーニングの指標となる平均語彙数は,2歳0ヶ月児で183.9語,2歳6ヶ月児で288.7語であった.また,2歳9ヶ月〜2歳11ヶ月にかけて350語を超えており,グラフはほぼ横這い状態を示した.これらの結果から,今回用いたチェックリストの適用範囲は2歳9ヶ月以前と考察された.
著者
塩見 将志 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-54, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
9

今回,私たちは,2歳児相談において,言語発達を正確に評価し,言語発達障害を有する子どもや「気になる子」を早期発見・早期療育するための語彙チェックリストの作成を目的に保育所に通う2歳前後の幼児を対象とした表出語彙に関する事前調査を実施した.なお,本稿では,その中でも特に動詞に焦点を当てて検討を加えた.調査で用いたチェックリストの項目は,大久保(1984)が作成した2歳児の語彙リストと三省堂「こどもことば絵じてん」を参考に作成した.本稿で取り扱う動詞は452の全語彙中,123語であった.本調査における動詞の特徴として,2歳0ヶ月時で通過する語は123語中,12%であり,2歳6ヶ月時で通過する語は60%となった.このことからも,動詞は2歳0ヶ月から2歳6ヶ月の間に飛躍的に獲得される可能性が示唆された.
著者
櫻木 理恵 稲田 勤 高地 正音 有田 未来 吉村 知佐子 福留 梨佐 塩見 将志 石川 裕治
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.21-24, 2011-03-31 (Released:2018-11-28)
参考文献数
3

本研究では,動詞を表すシンボルについて,シンボルの受信者側が,ノーマルのシンボル,具体物を追加したシンボル,動きを表わす線(動線)を追加したシンボルから受けるイメージを比較するために,成人を対象として,動詞に相当するシンボルのイメージ測定を行った.結果,ノーマルシンボルと具体物を追加したシンボルでは,15語中13語に有意差が認められ,具体物を追加したシンボルの方が高い評定値を示した.また,ノーマルシンボルと動線を追加したシンボルでは,15語中11語に有意差が認められ,動線を追加したシンボルの方が高い評定値を示した.さらに,具体物を追加したシンボルと動線を追加したシンボルでは,有意差のみられた語で,動線を追加したシンボルより具体物を追加したシンボルの方が高い評定値を示したものは11語中8語,具体物を追加したシンボルより動線を追加したシンボルの方が高い評定値を示したものは11語中3語であった.今後,シンボルへの追加情報を検討する場合には,具体物や動線の線画性や立体性にも配慮する必要があると思われた.
著者
岩本 さき 笠井 新一郎 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 = Journal of Kochi Rehabilitation Institute (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-32, 2001-03-31

平成11年度より,香川県坂出市では,1歳6ヶ月児健診で未通過だった子どもの発達状況のフォローを一つの目的として,保健婦と言語聴覚士による2歳児を対象とした発達相談(以下,2歳児相談)を行っている.しかし,実施に際して,評価時間の短さや,子どもの語彙発達を評価する指標がない点が問題として挙げられた.そこで,2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成することを目的とし,2歳児の語彙発達の現状を明らかにするための調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.分析を加えた結果,2歳児相談でスクリーニングの指標となる平均語彙数は,2歳0ヶ月児で183.9語,2歳6ヶ月児で288.7語であった.また,2歳9ヶ月〜2歳11ヶ月にかけて350語を超えており,グラフはほぼ横這い状態を示した.これらの結果から,今回用いたチェックリストの適用範囲は2歳9ヶ月以前と考察された.
著者
間野 幸代 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-60, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
12

香川県坂出市で行われている「2歳児相談」において,言語発達障害を有する子ども等の早期発見・早期療育を行う手がかりの1つとして,語彙チェックリストを作成する目的で,2歳児を対象に表出語彙に関するアンケート調査を実施した.本研究では文法カテゴリー別に分類し,修飾語である形容詞,形容動詞,副詞に関して整理および考察を試みた.2歳0ヶ月児と2歳6ヶ月児の表出語彙数を比較した結果,語彙数は急速に増加していた.修飾語の内容に関して,Nelson(1973)の文法カテゴリーの分類をもとに整理した場合,形容詞における属性および状態に関する語彙に関しても2歳6ヶ月児で増加傾向を呈していた.さらに性質を示しかつ,対の意味を示す形容詞において,2歳6ヶ月児では対義語(大きい-小さいなど)をともに獲得しているのに比し,2歳0ヶ月児では,一方の語しか獲得されていないことが確認された.したがって,形容詞・形容動詞・副詞等の修飾語の語彙チェックリストを作成する場合,(1)修飾語の種類や数を増やすこと,(2)形容詞に関しては,対義語の吟味が必要であることが示唆された.
著者
長嶋 比奈美 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-48, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
10

著者らは,1歳6ヶ月児健診で気にかかった子どもの経過観察として,香川県坂出市において2歳児を対象として発達相談(以下,2歳児相談)を試験的に行っている.言語発達障害を有する子どもの早期発見・早期療育を行う手がかりとして,2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成することを目的とし,2歳児の語彙発達の現状を明らかにするための調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.本稿では,抽象語・代名詞に焦点を当て,調査項目の検討を行った.その結果,2歳0ヶ月〜2歳6ヶ月の段階で通過しやすい「抽象語」としては,簡単な「数・色・空間・時間概念」,「視覚理解可能な概念」や「体感的な抽象概念」,代名詞としては,「自分や保護者の領域の物を表す『コ』に関する指示詞」,「第三者の領域の物を表す『ア』に関する指示詞」が見いだされた.また,2歳10〜11ヶ月児でも60%未満しか通過しない語としては「不可視事象や心的状態に関する抽象語,2歳児には理解困難な抽象度の高い位置・方角概念」,自分と保護者が分離されているという認識が獲得された上で,自分と保護者の間にある物を示す中間的な「指示詞『ソ』に関する語」,「自己を含む人物の集合体」などが挙げられた.
著者
苅田 知則 笠井 新一郎 岩本 さき 長嶋 比奈美 稲田 勤 塩見 将志 間野 幸代 石川 裕治 山田弘幸
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-39, 2001-03-31 (Released:2018-08-29)
参考文献数
10
被引用文献数
3

著者らは,1歳6ヶ月児健診で気にかかった子どもを改めて経過観察として,香川県坂出市において,2歳児を対象として発達相談(以下,2歳児相談)を試験的に行っている.2歳児を対象とした相談事業や経過観察を行うことによって,何らかの言語発達障害を有する子どもや「気になる子」を早期発見・早期治療することが可能となるが,評価時間の短さや,子どもの語彙発達を評価する指標がない点が問題として挙げられた.そこで,①2歳児の語彙発達の現状を明らかにし,②2歳児相談時にスクリーニングとして使用できる語彙チェックリストを作成する,ことを目的とし,調査研究を行った.調査の対象者は,香川県坂出市内の全保育所(12施設)に所属する1歳11ヶ月から2歳11ヶ月の子どもの保護者であり,161名であった.調査においては,名詞・代名詞・抽象語・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・感動詞を含む,全語彙数452個のチェックリストを,調査用紙として用いた.本稿では,名詞に焦点を当て,Nelson(1973)の文法カテゴリーを用いて分析を加えた.その結果,以下の三点が示唆されるとともに,これらの点は,特に2歳児相談において注意すべきポイントとして考察された.(1)2歳0ヶ月児の60%が表出していると回答があった項目は86語であり,2歳6ヶ月児の場合は137語であった.(2)2歳児相談としてチェックすべき名詞の数は90±10語程度である.(3)「事物」と「抽象」に分類される語が2歳0ヶ月から2歳6ヶ月の間で大きく変化する.
著者
重島 晃史 篠田 かおり 稲田 勤
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.53-57, 2007-03-31

ボツリヌス毒素A型を用いた治療(以下,ボツリヌス治療)を施行したアテトーゼ型脳性麻痺一症例について,その経時的効果を評価した.症例の粗大運動能力分類システムは5レベルで,日常生活は全介助であった.評価項目は下肢の他動的関節可動域および筋緊張,家族の介護負担度であり,評価時期はボツリヌス毒素の注射前,1ヵ月後,4ヵ月後であった.統計学的解析は,他動的関節可動域,筋緊張,介護負担度それぞれについてKruskal-Wallis検定を用い,危険率5%を有意水準とした.下肢の他動的関節可動域,筋緊張,介護負担度の経過は注射前,1ヵ月後,4ヵ月後の間に有意差は認められなかったが,個々の項目には著明な改善を認めた.膝伸展位での両足関節背屈可動域は,右側0度,20度,30度,左側5度,30 度,25度と著明な改善が認められ,両足関節背屈運動の筋緊張は注射前,1ヵ月後,4ヵ月後の順にModified Ashworth Scaleにおいて3,2,1と筋緊張の軽減の傾向があった.介護負担度では上着の着脱が5,2,2と介護負担の軽減を示した.ボツリヌス治療は筋緊張や関節可動域の改善に効果をもたらし,介護負担度の軽減にも貢献することが示唆された
著者
稲田 勤 坂上 可名 掛水 幸代
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-6, 2013-03-31

単語レベルの発話は200程度あるものの,二語文以上の多語発話のない2歳11ヶ月の幼児に対して,VOCA(Voice Output Communication Aid)を用いた二語文,三語文の発話訓練を行った.訓練に先立ち,理解語,表出語を調べるために語彙チェックリストを作成し,表出できる名詞,動詞,形容詞を抽出した.抽出した語から二語文,三語文の文型を決定し,VOCAのオーバーレイに抽出された語をシンボル化して配置した.また,抽出した語の事物(模型,ミニチュア)を準備した.対象児は,見本刺激(事物)とシンボル(VOCA)のpointingによる見本合わせを求められた.訓練効果を測定するために一事例の実験デザインを用いた. 結果,口頭による二語文,三語文の命名率は,ベースライン期ほぼ0%,確認期は,二語文ほぼ100%,動作語課題の三語文は11%程度であったが,その他の三語文課題は89%程度であった.訓練で使用した多語文の日常生活での出現率は,母親からの聞き取りで90%以上であった.
著者
稲田 勤 有田 未来 西森 有紗
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.13-17, 2013-03-31

発達障害,アスペルガー症候群,視空間認知障害の疑いのある女児について,視空間認知と視覚的推理の訓練を行った.視空間認知訓練は稲田,有田の色積木構成課題を用いた.視覚的推理訓練は,色積木見本の対称図形を構成する課題を作製した.訓練前後の変化の指標として,視空間認知はWISC-4の積木模様の評価点,視覚的推理はWISC-4の行列推理の評価点を選択した.さらに,WISC-4の知覚推理の合成得点も指標とした. 結果,積木模様(視空間認知)は4から7(+3),行列推理(視覚的推理)は7から14(+7),知覚推理の合成得点は76から106(+30)にそれぞれ向上した. WISC-4で,知覚推理の合成得点の変化が+30であったことは,今回実施した視空間認知訓練,視覚的推理訓練の効果が現れたものと考えた.また,積木模様の評価点の変化が+3であったことは,視空間認知訓練の効果があったと判断した.さらに,行列推理の評価点が+7であったことは,視覚的推理訓練の効果があったと考えた.
著者
塩見 将志 笠井 新一郎 岩本 さき 苅田 知則 長嶋 比奈美 稲田 勤 間野 幸代 石川 裕治 山田 弘幸
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-54, 2001-03-31

今回,私たちは,2歳児相談において,言語発達を正確に評価し,言語発達障害を有する子どもや「気になる子」を早期発見・早期療育するための語彙チェックリストの作成を目的に保育所に通う2歳前後の幼児を対象とした表出語彙に関する事前調査を実施した.なお,本稿では,その中でも特に動詞に焦点を当てて検討を加えた.調査で用いたチェックリストの項目は,大久保(1984)が作成した2歳児の語彙リストと三省堂「こどもことば絵じてん」を参考に作成した.本稿で取り扱う動詞は452の全語彙中,123語であった.本調査における動詞の特徴として,2歳0ヶ月時で通過する語は123語中,12%であり,2歳6ヶ月時で通過する語は60%となった.このことからも,動詞は2歳0ヶ月から2歳6ヶ月の間に飛躍的に獲得される可能性が示唆された.