著者
立元 真 松本 宇宙 矢野 秀平 松田 奈緒子 濱崎 かおり
出版者
宮崎大学教育学部
雑誌
宮崎大学教育学部紀要 = MEMOIRS OF THE FACULTY OF EDUCATION, UNIVERSITY OF MIYAZAKI (ISSN:24339709)
巻号頁・発行日
no.99, pp.112-120, 2022-08-31

本研究は,小学校においてSW-PBS 導入の第1 層支援の実践を行い,教員自身の応用行動分析に関する知識の変化,および,観察された児童の教室適応行動および児童が自己評定した学校適応感の変化を検討することを目的として行った。SW-PBS のための研修及び実践を通して,教員の応用行動分析についての知識が高まったことが示された。相対的に応用行動分析についての知識の得点が高い教員のクラスにおいて,児童たちの被侵害的関係や対人的適応といった学校適応感を改善し,また,学級不適応行動が改善された。
著者
立元 真 古川 望子 鮫島 浩 布井 博幸 池ノ上 克
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.127-135, 2015-05-31 (Released:2019-04-06)

本研究の目的は、周産母子センターおよび小児科から紹介された母子対への、予防的な個別ペアレント・トレーニングのプログラムの効果を、無作為化比較試験で検証することであった。プログラムは、インテークセッションに続いて、行動分類、行動の強化、不適切行動への計画的無視、制限やタイムアウト、復習と応用の5セッション、さらに問題解決の4セッションで構成された。効果査定には、養育スキル尺度Ver.2、子どもの行動傾向測定尺度が用いられた。12組の母子が紹介され、6組を介入群に、また、残りの6組をWL群に無作為に割り付けた。治療効果判定の基準に照らして検討を行い、関心・情報、話し合いの養育スキルの下位項目、協調の子どもの行動傾向の下位項目において、改善効果や改善傾向が認められた。
著者
野﨑 秀正 川瀬 隆千 立元 真 後藤 大士 岩切 祥子 坂邉 夕子 岡本 憲和 Hidemasa NOSAKI Takayuki KAWASE Sin TATSUMOTO Hiroshi GOTO Shoko IWAKIRI Yuko SAKABE Norikazu OKAMOTO 宮崎公立大学人文学部 宮崎公立大学人文学部 宮崎大学 都城新生病院 いわきりこころのクリニック 細見クリニック カリタスの園 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Miyazaki University Miyakonojo Shinsei Hospital Iwakiri Mental Care Clinic Hosomi Clinic
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.105-120, 2021-03-10

本研究では、子育て支援サービスを提供する公的相談機関に対する母親の援助要請に焦点を当て、母親の育児に対する感情(育児感情)と信念(母性愛信奉)が、援助要請態度を媒介して援助要請意図に影響を及ぼす一連のプロセスを示した仮説モデルを検証することを目的とした。宮崎市内及びその近郊にて就学前の幼児(3 歳以上)の育児に携わる母親1000名に調査協力を依頼した。質問紙が返送され、かつ回答に不備のなかった470 名の回答を分析対象とした。仮説モデルに従い共分散構造分析を行った結果、育児感情及び母性愛信奉から3 つの援助要請態度を媒介して援助要請意図に影響を及ぼすいくつかのプロセスが明らかになった。このうち、利益とコストの態度を媒介したプロセスについては、いずれも子どもにとっての利益とコストを媒介したパスが有意であり、母親自身にとっての利益とコストの態度を媒介したパスはいずれも有意ではなかった。これらの結果より、子育ての悩みに関する母親の公的相談機関に対する援助要請については、母親の精神状態の解決に動機づけられているというよりも、その原因となっている子どもの問題を解決させることに動機づけられていることが明らかになった。こうした結果は、公的相談機関に対する母親の援助要請促進を促すには、援助要請が子どもにもたらすポジティブな影響を強調することや子どもと担当職員間の良好な関係づくりなど、子どもに焦点を当てたアプローチが有効になることを示唆した。
著者
野﨑 秀正 川瀬 隆千 立元 真 後藤 大士 岩切 祥子 坂邉 夕子 岡本 憲和 Hidemasa NOSAKI Takayuki KAWASE Sin TATSUMOTO Hiroshi GOTO Shoko IWAKIRI Yuko SAKABE Norikazu OKAMOTO 宮崎公立大学人文学部 宮崎公立大学人文学部 宮崎大学 都城新生病院 いわきりこころのクリニック 細見クリニック カリタスの園 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Miyazaki University Miyakonojo Shinsei Hospital Iwakiri Mental Care Clinic Hosomi Clinic
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.105-120, 2021-03-10

本研究では、子育て支援サービスを提供する公的相談機関に対する母親の援助要請に焦点を当て、母親の育児に対する感情(育児感情)と信念(母性愛信奉)が、援助要請態度を媒介して援助要請意図に影響を及ぼす一連のプロセスを示した仮説モデルを検証することを目的とした。宮崎市内及びその近郊にて就学前の幼児(3 歳以上)の育児に携わる母親1000名に調査協力を依頼した。質問紙が返送され、かつ回答に不備のなかった470 名の回答を分析対象とした。仮説モデルに従い共分散構造分析を行った結果、育児感情及び母性愛信奉から3 つの援助要請態度を媒介して援助要請意図に影響を及ぼすいくつかのプロセスが明らかになった。このうち、利益とコストの態度を媒介したプロセスについては、いずれも子どもにとっての利益とコストを媒介したパスが有意であり、母親自身にとっての利益とコストの態度を媒介したパスはいずれも有意ではなかった。これらの結果より、子育ての悩みに関する母親の公的相談機関に対する援助要請については、母親の精神状態の解決に動機づけられているというよりも、その原因となっている子どもの問題を解決させることに動機づけられていることが明らかになった。こうした結果は、公的相談機関に対する母親の援助要請促進を促すには、援助要請が子どもにもたらすポジティブな影響を強調することや子どもと担当職員間の良好な関係づくりなど、子どもに焦点を当てたアプローチが有効になることを示唆した。
著者
立元 真
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.173-180, 1993-09-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
17

The purpose was to examine (1) whether infants are capable of imitation or not and (2) to assess their ability for information processing, specifically for visual perception. Twenty-one infants were presented four kinds of facial expressions (tongue protrusion, opened mouth, mouth protrusion and eye blink) at the ages of six, ten, and fourteen weeks. Infants' responses were videotaped and analyzed. Their behavior indicated that six-week-olds could not differentiate between the four stimuli. They could not imitate the facial expressions, because their perception did not differentiate the stimuli sufficiently yet. Responses by ten- and fourteen-week-olds indicated that their perceptual processes had developed sufficiently to differentiate stimuli, and make some matching behaviors with the processed information. Some matching responses, open mouth and mouth protrusion, were less frequent at fourteen weeks than at ten weeks. However, the overall matching responses were greater among fourteen than ten week olds. Apparently with the development of perceptual processes, matching responses also emerge.