著者
山中 宏二 小峯 起 高橋 英機 三澤 日出巳 内匠 透 錫村 明生 竹内 英之 高橋 良輔 山下 博史 遠藤 史人 渡邊 征爾
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデルマウスを用いて、グリア細胞の一種であるアストロサイトの異常に着目して研究を行った。ALS患者・マウスのアストロサイトでは、サイトカインTGF-β1が異常に増加し、グリア細胞による神経保護環境を阻害することにより、病態を加速していることが判明した。TGF-β1の阻害剤投与により、ALSマウスの生存期間が延長したことから、TGF-β1はALSの治療標的として有望であると考えられた。また、ALSマウスの病巣では異常に活性化したアストロサイトが見られ、その除去機構として、自然免疫分子であるTRIFが関与するアポトーシスが関与していることを見出した。
著者
渡辺 正樹 浜田 健介 竹内 英之 真野 和夫 渡邉 英夫
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.393-399, 1998-08-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
20

視床内側部梗塞14例について,その成因と症候の関連をMRI, MR angiography所見も参考にして検討した.症候を起こすものは従来の報告通りMRIにおいて左側あるいは両側障害例であった.何らかの精神知的機能障害が恒常的にみられる例は14例中9例で,重症例で心原性塞栓が原因と考えられるものが多かった.精神知的機能障害軽症例,垂直眼球麻痺例,無症候例の中には低血圧や起立時血圧低下が発症の誘因と考えられる例も認められた.このような例ではMRIにて他領域に合併病変を認めず,MR angiography上でのWillis輪の形成不全(P1低形成)を伴う場合が多かった.視床内側部梗塞の成因は多彩で,治療法も大きく異なると考えられた.