著者
小原 亜希子 藤井 久雄 内丸 仁 竹村 英和 鈴木 省三
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.135-142, 2011 (Released:2013-04-12)
参考文献数
16

目的:本研究の目的は,約100kcal の市販サプリメントを用い,糖質配合プロテイン(CHO-PRO)サプリメントと糖質をほとんど含まないプロテイン(PRO)サプリメントの単回摂取による疲労回復効果を比較することであった.方法:試験には7 名の男性が被験者として参加した.被験者は筋グリコーゲンを枯渇させるために自転車運動を行い,運動直後にCHO-PRO またはPRO 摂取を行った.結果:疲労感の指標visual analogue scale(VAS),尿中3-メチルヒスチジン/クレアチニン(3-MH/Cr)比はPRO 摂取群に比べCHO-PRO 摂取群で有意に低値を示した.パフォーマンスタイムは有意差が見られなかったが,CHO-PROを摂取した7 名中6 名で延長した.結論:運動直後の低エネルギーのCHO-PRO 摂取は同程度のエネルギーのPRO 摂取よりも疲労回復効果が高いことが推察された.
著者
本多 弘子 鈴木 省三 仲野 隆士 石三 香織 竹村 英和
出版者
仙台大学
雑誌
仙台大学紀要 (ISSN:03893073)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.72-83, 1999-03

The purpose of this study was to clarify the effect of dance programming by studying the subject's heart rate changes. This was accomplished by measuring subject's heart rate during Ballroom dancing with different partners of different performance level. Then, we made three kinds of program (A.B.C), which are different level of exercise intensities. Each program consists of 9 or 10 composition, those are classified into low, middle, and high level based on the subject's ratings of perceived exertion (RPE) toward each composition. The result of this study can be summarized as follows: 1) Program A will improve fitness of the middle and elderly persons. Program B is an appropriate in intensity as aerobics, and it shows pattern of heart rate alteration of interval training. Program C can be expected to assist dancers, in improving their cardiorespiratory function. 2) The woman's physical response tends to change largely by the level of partner's (men) dance performance. Our results suggests that ballroom dancing can be said an appropriate physical activity for the middle and elderly persons as life-long sport through dance programming, by meaning of improve fitness and for training.
著者
鈴木 省三 石山 信男 内野 秀哲 竹村 英和 岩田 純 朴澤 泰治
出版者
仙台大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、従来の有能な指導者による「経験と勘」に依存した年間トレーニングプログラムの作成に代わって、生理学的な知見と数理的な手法に基づくパフォーマンス数理モデルを用いた年間トレーニングプログラムの計画、実践、分析、評価の循環サイクルを指導者・サポートスタッフと連携しながら実践し、重要な大会に最高のパフォーマンスを発揮できる選手サポートシステム(遠隔IT機能を活用したe-conditioning選手サポートシステム)を構築することである。2009年度は、1年目の成果を基に、遠隔IT機能を活用したe-conditioning選手サポートシステムの現場への応用を実践した。結果として、対象スケルトン選手が日本選手権大会で優勝、ワールドカップ8戦で国際ランキング15位になり、2010年バンクーバー冬季五輪の日本代表選手選出に貢献できた。さらに、パフォーマンス数理モデルを用いた年間トレーニングプログラムは、選手個々のトレーニング刺激に対するコンディションレベルの生理的適応過程が客観的に把握できたとともに、オーバートレーニングの危険を回避しながら最適なトレーニングプログラムの実践が可能となった。また、最終的にトレーニング効果としてのパフォーマンスが予測できることは、従来課題として掲げられていた問題点が解消できる可能性が示唆された。さらに、主観的・客観的評価に、選手のコンディションを見抜く指導者やサポートスタッフの洞察力が加わった一連のシステムモデルが、日本の競技力を向上させるためのコンディショニング領域で大いに活用されることを期待している。